ノーベル化学賞に北川進さん 幅広く応用できる「多孔性金属錯体」とは、果物の鮮度維持など実用化【Nスタ解説】
日本人の快挙が続いています。今年のノーベル化学賞に選ばれた京都大学の北川進特別教授。地球の環境問題の改善から果物のおいしさまで保てるというその研究成果とは?
【写真で見る】 幅広く応用できる「多孔性金属錯体」で、たばこ・トイレの臭いを瞬間的に完全消臭できるように?
ノーベル化学賞受賞「多孔性金属錯体」って?
山形純菜キャスター:
多孔性金属錯体というのは、あくまでもイメージですが“ジャングルジム”の構造をしているということです。
金属イオンと有機分子でできています。穴のサイズが均一なので、特定の気体を大量に閉じ込めることができるといいます。
多孔性構造体は、身近なもので言うと、活性炭、消臭剤や浄水器などで利用されています。ただ、活性炭は天然素材なので、穴の大きさが均一ではなくバラバラで、特定の分子を貯蔵することができません。
多孔性金属錯体の特徴は、穴のサイズが自由に設計できるということです。また、金属イオン、有機分子の組み合わせ次第で無限に構成ができるということで、応用性も高いということです。
気体を効率よく貯蔵することができるということで、北川さんは、気体だけに「ますます期待される材料になる」と会見でもおっしゃっていました。
果物の鮮度維持など実用化も 今後、期待できることは?
多孔性金属錯体は、既に実用化されています。どういったものに使われているのか見ていきましょう。
科学ジャーナリスト 寺門和夫氏によると、果物の鮮度を維持するということです。
リンゴやバナナなどの果物からは「エチレン」というガスが出ていて、これが果物に付着すると熟成を促したり腐敗を進めてしまいますが、エチレンの働きを阻害する物質を金属錯体に入れることで、腐敗の進行を遅らせるということです。
また、有毒ガスを安全に運搬してくれます。ガスを高い圧力で保存するとガス漏れの可能性があって危険ですが、金属錯体に入れることで、低い圧力で大量のガスを貯蔵することができるということです。
多孔性金属錯体に期待できることを寺門氏に聞きました。薬剤が壊れないように、がん細胞など目的の場所に直接届ける「ドラッグデリバリー」ができるようになるのではないかということです。
また、京都大学アイセムスHPによると、タバコ・トイレの臭いなどを瞬間的に完全消臭することができるということです。
井上貴博キャスター:
太陽光から水を生み出すことができるので、砂漠や被災地に水を供給できるとか、自動車に入れて、排ガスを出すことがない自動車を作れるんじゃないかとか。
古坂大魔王さん:
iPS細胞のときもそうでしたけど、夢のようなことですね。これをめちゃくちゃ研究して頑張ってノーベル化学賞をとったんですね、素晴らしいです。
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<プロフィール>
古坂大魔王さん
お笑い芸人・プロデューサー
2児の父親として育児の様子を発信
SDGsを推進する活動も積極的に行う