半数が“音を気にして気疲れ” いま旅行者が本当に求めているのは“気兼ねなく過ごせる宿”

2025-10-28 08:00
半数が“音を気にして気疲れ” いま旅行者が本当に求めているのは“気兼ねなく過ごせる宿”

これまで、旅先での宿泊先といえば「寝るための場所」という認識が根強かった。だが、近年その常識に“違和感”を抱く旅行者の声が増えている。移動の疲れを癒やし、日常から離れるための宿泊が、実は「気を遣う余白」になっていないだろうか。例えば、友人との談笑を少し控え、子ども連れでは“他の宿泊客に迷惑をかけないか”という配慮を常に頭においてしまう――そんな小さなストレスが、旅の自由さを削いでいる可能性がある。実際、「出す音が周囲の迷惑になっていないか気になった」という回答が4割以上に上るという調査結果も出ている。こうした背景には、宿泊先が単なる“拠点”ではなく、旅の“体験そのもの”と捉えられ始めていることがある。そこで今回、民泊ができるプールのあるヴィラ「THE POOL HOUSE(ザ・プールハウス)」(https://poolhouse.jp/thepoolhouse/)を展開する株式会社プロスパーデザイン(https://www.prosper-d.co.jp/)は、年2回以上旅行をする20〜50代の男女を対象に、「旅行中に感じる“騒音ストレス”と、理想の宿泊施設」に関する調査を実施した。

旅行者の半数が“音への気遣い”で楽しみを制限

まず着目すべきは、宿泊中の“音”と“気遣い”に関する実態である。調査によれば、「宿泊施設で、自分たちの出す音が周囲の迷惑になっていないか気になったことがあるか」という問いに対し、14.3%が「よくある」、30.5%が「たまにある」と答えており、合計で約44.8%の旅行者が音を気にした経験を持っている。

さらに「その際、周囲を気にして我慢・遠慮した経験」では、「友人との会話のボリュームを下げた」37.7%、「子どもが騒がないよう常に気を配った」34.6%、「笑い声や盛り上がりを抑えた」28.6%という結果が出ている。

つまり、旅先で解放感を味わいたいと考えていても、実際には「音を立てないように」「他のお客様に迷惑をかけないように」という意識が働いており、楽しみの瞬間に“遠慮”が入り込んでいると言える。特に家族やグループでの宿泊では、子どもの声や笑い声に気を配る必要があるため、そもそもの「解放される時間」が縮まってしまう可能性がある。こうした“気を遣う旅”では、本来の期待するリフレッシュや非日常の実感が薄れてしまうだろう。

くつろぎの本質は“誰にも気を遣わない時間”

では、こうしたストレスが宿泊体験の満足度にどれほど影響を与えているのか。調査では「音を気にせず過ごせる環境が整っていたら満足度が上がるか」という設問に対し、26.1%が「大幅に満足度が上がる」、40.8%が「やや満足度が上がる」と回答し、合計で約66.9%が「満足度向上につながる」と考えている。

この結果から読み取れるのは、旅先の宿泊施設において「安心して大きな声で笑ったり子どもと無邪気に過ごせたりする時間」が、単なるサービスや設備以上に高い価値を持っているということだ。他人の目線や音への気遣いを払わず、心のままに過ごせる空間こそ、満足度を左右する鍵になっている。宿泊施設が音響や遮音に配慮していたり、プライベート感のある設計をしていたりすることが、いま改めて評価されているのである。

旅の記憶は設備より“時間の質”が作る

次に、宿泊施設自体の選び方と、滞在に求められる価値観の変化に目を向ける。調査では、宿を選ぶ際に最も重視するポイントとして「立地(アクセスが良い)」(34.7%)、「宿のデザイン・雰囲気」(26.0%)、「価格」(23.5%)が上位となっている。また、旅行の主な目的として「美味しいものを食べる」(61.7%)、「観光地を巡る」(58.0%)、「日常を忘れてリフレッシュ」(56.5%)といった項目が並ぶ。

旅先で「特に満足度が高かった」と感じる体験としては、「温泉旅館でのんびり過ごす体験」が50.8%で最多、「宿の食事やおもてなしが印象的だった体験」が43.8%、「ラグジュアリーホテルで贅沢なサービスを受けた体験」が29.7%という結果だった。また、「満足度が高かった宿泊体験の理由」では、「景色やロケーションが良かった」(51.0%)、「食事やサービスが良かった」(48.1%)、「部屋や施設の設備が充実していた」(44.4%)が上位に挙がった。そして、「他人に気を遣わず過ごせた」(26.9%)、「周囲の音が気にならず静かだった」(21.8%)という“静けさ・配慮不要の空間”を満足の要因に挙げる人も少なくない。

これらのデータから、宿泊施設の価値は「寝るだけの場」から「滞在そのものを楽しむ場」へと変化していることが明らかだ。

場所ではなく“過ごし方”が満足度を決める

理想の宿泊施設での過ごし方として最も多く挙がったのは「日中は観光や外出を楽しみ、夜は宿でゆっくり休みたい」(51.1%)である。続いて「宿泊施設の滞在自体を楽しみ、館内での時間を充実させたい」(19.7%)、「家族や友人と気兼ねなく過ごせる拠点として活用したい」(14.2%)という答えが続いた。

また、「“滞在そのものが旅になる”宿泊施設」に魅力を感じるかという問いには、43.0%が「とても魅力を感じる」、48.3%が「やや魅力を感じる」と回答しており、合計で91%以上が滞在そのものに価値を見出している。さらに、そのような施設に求める条件として「自然に囲まれた開放感のある立地」(46.0%)、「家族や友人とゆったり過ごせる広いリビング・テラス」(45.3%)、「プールやジャグジーなど非日常を味わえる設備」(34.7%)が上位にあげられている。

これらのデータから浮かび上がるのは、旅行者が「宿で過ごす時間」そのものに期待を寄せているということである。つまり、宿泊施設が観光のためのベースではなく、滞在そのものが旅のハイライトとなるような設計が求められている。今後の宿泊選びにおいては、立地や価格に加え、「どれだけ滞在中にくつろげるか」「どれだけ自分らしく過ごせるか」という視点が、満足度を左右する鍵となるであろう。

調査概要:「旅行中に感じる“騒音ストレス”と、理想の宿泊施設」に関する調査
【調査期間】2025年9月11日(木)~2025年9月12日(金)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,001人
【調査対象】調査回答時に年2回以上旅行をする20~50代の男女と回答したモニター
【調査元】株式会社プロスパーデザイン(https://www.prosper-d.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

宿泊の価値は『滞在体験』へ

今回の調査から見えてきたのは、宿泊体験の価値が「移動の拠点」から「滞在そのものが旅となる場」へと進化しているという事実である。旅先での“静けさ”や“他人を気にせず過ごせる空間”は、宿泊者にとって贅沢そのものであり、それが満足度を左右する最大の要因となっている。温泉、自然、デザイン、そしておもてなし——これらが調和する宿泊体験こそが、現代の旅行者が求める理想の旅のかたちだ。今後、旅行の主役は観光地そのものから「滞在の時間」へとシフトしていくだろう。宿泊施設のあり方が変われば、旅の記憶のかたちもまた変わるのである。

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