壊すから生かすへ──全国古家再生推進協議会が描く“まちの再生”のかたち

2025-11-04 13:00

古くなった家を壊すのではなく、もう一度生かすという選択が、少しずつ広がっています。
全国各地で増え続ける空き家は、景観や防犯の面で課題とされる一方で、「再生」という視点で見れば、地域に新しい価値を生み出す存在にもなります。

そんな再生の現場に向き合っているのが、一般社団法人 全国古家再生推進協議会です。
放置された空き家や古民家をリフォームによってよみがえらせ、再び人が暮らせる場所に変えていく。同協議会はこれまでに2,400軒を超える再生実績を持ち、各地で“まちを守る再生まちづくり”を広げています。

その活動の一環として、11月15日(土)には静岡県の磐田・掛川エリア、群馬県の高崎・前橋エリアで「空き家・古家物件見学ツアー」が同時開催されます。
実際の物件を見学しながら、古家再生の可能性を学ぶ体験型イベントで、地域を舞台にした“再生のリアル”を感じられる貴重な機会です。

暮らし方や価値観が変わる今、古いものを生かすという発想が、新しい時代のライフスタイルを照らしているのかもしれません。

再生まちづくりの現場を知る

空き家や古民家を「壊す」のではなく「生かす」。
そんな考え方を全国に広げているのが、一般社団法人 全国古家再生推進協議会です。大阪府東大阪市に本部を置くこの団体は、これまでに2,400軒を超える古家を再生し、地域の活性化に貢献してきました。

活動の原点にあるのは、増え続ける空き家が抱える社会的な課題です。
誰も住まなくなった住宅は、時間とともに老朽化し、防犯や景観の面で地域の負担になることがあります。協議会では、そうした建物を価値ある資産としてよみがえらせることで、まちに再び人の流れを生み出し、地域のつながりを取り戻そうとしています。

その仕組みはとても実践的です。
再生が必要な物件の調査から、リフォーム・リノベーションの提案、専門業者や借り主の紹介までを一貫してサポート。地主や大家、工務店など関わる人々に収益を生む仕組みをつくり、無理なく続けられる“再生まちづくり”を推進しています。

新しい家を建てるのではなく、そこにあるものを見直し、次の世代につないでいく。
古家の再生は、単なる不動産ビジネスではなく、地域の未来を支える社会活動のひとつとして広がりつつあります。

空き家・古家物件見学ツアーとは

古家再生を学ぶきっかけとして注目されているのが、「空き家・古家物件見学ツアー」です。
これは、全国古家再生推進協議会が認定する“古家再生士”が講師となり、実際の空き家を見学しながら再生のポイントを学ぶ体験型のイベントです。

参加者は、築年数の経った住宅を訪れながら、「どんな家が再生に向いているのか」「どのように価値を高められるのか」といった実例を知ることができます。図面や資料では見えにくい、建物の状態や地域の空気感を感じ取れるのも、このツアーならではの魅力です。

対象は、同協議会が認定する「古家再生投資プランナー」資格者が中心ですが、定員に余裕がある場合は一般の方も参加できます。投資の専門家でなくても、空き家再生に興味のある人にとって、現場で学べる貴重な機会となっています。

単なる勉強会ではなく、現地を訪れることで「古家の持つ可能性」を自分の目で確かめられるこのツアー。
全国で少しずつ開催エリアを広げながら、古家再生の輪を広げる取り組みとして注目を集めています。

広がる取り組み──同日に2エリアで開催

この取り組みの広がりを象徴するのが、11月15日(土)に予定されている「空き家・古家物件見学ツアー」です。
今年は静岡県と群馬県の2つの地域で、同日にイベントが開催されます。

静岡会場は、磐田・掛川エリア。講師を務めるのは古家再生士の土屋純也さんです。
一方、群馬会場は高崎・前橋エリアで、講師は吉田和人さん。
それぞれの地域で実際の空き家を巡りながら、再生の現場を学ぶ内容になっています。

開催時間は磐田・掛川エリアが12:00~18:00、
高崎・前橋エリアが13:00~18:00。
いずれも現地の空き家を訪問し、講師の解説を交えながら「再生の視点」を身につける構成です。

同日に2エリアで同時開催されるのは、古家再生の輪が全国に広がりつつある証といえます。
地域によって家の造りや課題は異なりますが、どの地域にも共通しているのは、
「再び人が住む家にしたい」という思いです。
協議会の活動は、そんな地域の願いをつなぎ、まちづくりの原点を見つめ直す機会を生み出しています。

壊すから生かすへ、地域をつなぐ新しい循環

空き家の再生は、単に古い家を修理することではありません。
かつて人が暮らしていた場所に再び光を当て、まちの記憶や人のつながりを取り戻す営みです。

新築を建てるよりも手間や時間がかかることもありますが、
「壊すから生かすへ」という考え方が、今の時代のまちづくりに新しい循環を生み出しています。
そこには“古いものを大切にする”という温かい価値観と、地域を支える持続可能な仕組みが息づいています。

全国古家再生推進協議会が取り組む活動は、
日本各地にある空き家を、課題ではなく“未来の資源”として再定義する試みです。
地域の魅力を再発見し、人とまちの関係をもう一度結び直す。
そんな新しいまちづくりのかたちが、静かに、しかし確実に広がっています。


<協議会概要>

社 団 名: 一般社団法人 全国古家再生推進協議会
代 表 者: 理事長 大熊 重之
所在地(本部): 〒579-8004 大阪府東大阪市布市町3-2-57
HP:https://zenko-kyo.or.jp/

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