心無い言葉で精神的苦痛や身体の不調など二次的被害も。犯罪被害者やその家族への支援と啓発活動

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2025-11-18 14:56
心無い言葉で精神的苦痛や身体の不調など二次的被害も。犯罪被害者やその家族への支援と啓発活動

11月1日からはじまる「犯罪被害者月間」

犯罪の被害者やその家族は、直接的な被害だけではなく、周りから心ない言葉を受けて精神的な苦痛を受けたり身体に不調をきたすなど、二次的な被害にも苦しめられます。

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こうした被害者らの置かれた状況について理解を深めるため、政府は毎年11月25日からの1週間を「犯罪被害者週間」として重点的に啓発が行われています。

啓発活動は今年度から11月1日からの1か月間に拡大されています。

今月8日にその啓発活動として、東京・国立市で被害者遺族の伊藤咲貴さんによる講演が行われました。

咲貴さんは2015年に高校生だった妹が殺され、SNSでも名誉を傷つけられました。

事件当時、妹の行方が分からなくなった後に警察からは「家出」を疑われたそうで、事情を聞かれた際に咲貴さんはこんなことを感じたそうです。

被害者遺族の伊藤咲貴さん
「警察からは『家族の中で何か問題があるのではないか』と繰り返し聞かれ『なぜ 私の話を信じてくれないの』と、ものすごく腹が立ちました。
質問の仕方も威圧的で、なぜ悪いことをしていないのに妹が悪いように言われているのか理解できませんでした。
(当時は)警察に対する怒りが収まらず『警察官なんて役立たず。加奈のことを侮辱している。なんでこんなに苦しいのに助けてくれないの』と怒りで震えました」

咲貴さんは講演のなかで「警察批判ではなく、聞き方一つで感じ方が変わるんだということを理解してほしい」とも話しています。
時折涙ながらに話す咲貴さんに対し、来場者からもすすり泣く声が聞こえました。

被害者への具体的な支援の中身

さて「被害者に対する支援」にはどのようなものがあるのでしょうか。

東京都では「被害者支援都民センター」が相談の窓口となっていて、犯罪被害全般に関して専門のスタッフが相談に乗るほか、臨床心理士などによるカウンセリング、警察署や裁判所への付き添いなどの支援が行われています。
また、東京都では犯罪被害者らへの経済的な支援として、見舞金の支給や引っ越し費用の助成なども行っています。

今月3日に新宿区内で行われた被害者遺族による講演では、2016年に小学1年生だった息子を交通事故で亡くした高田香さんが、被害者支援都民センターの支援について次のように語りました。

被害者遺族の高田香さん
「被害者支援都民センターにお世話になりました。
『事故のことを話していいんだ』という安心感があり、臨床心理士の方が私の話をただひたすら『うん、そうだったんですね』と私の混乱してる気持ちを言葉にして、感情を整理してくれました。
そのおかげで、あまり外に出てなかった生活から抜け出すことができました。
当時は加害者に対する怒りもありましたが『加害者のことを恨んでも息子は返ってこないんだ』という思いがどんどん大きくなって『前を見よう』となりました。
今日だけちょっと頑張ろう、今日だけ頑張ろうっていうことをして、ここまで繋がってきました」

専門家による支援のほか、私たちができることは?

このような専門的なスタッフによる支援も重要ですが、身近な人が犯罪被害者やその家族をどう支えるかも大事なことです。

もし、友人・知人が犯罪被害に遭ったときにはどうすればいいか?

そういう時は、相手の感情を否定せずにゆっくり話を聞くことや、普段通りに接することが大切ということです。
他の被害者と比べたり「どうして○○しなかったの?」と攻めるのはいけません。
励ますつもりで言った言葉が本人の負担になることもあります。

伊藤咲貴さんは、講演活動を続けることについてこう話します。

被害者遺族の伊藤咲貴さん
「被害者支援は本当に大変なものだと思います。
支援の仕方はさまざまで正解がなく、同じ支援をしてもその人が救われるかはわかりません。
今は講演の依頼などで被害者支援室や支援センターの方からも連絡をいただくので『やっと相談できる機関が身近にできたな』と思い、ありがたく思っています。
『講演をすることでつらい思いを思い出させてしまい申し訳ない』とアンケートに書かれる方が多くいます。
つらいという感情とはまた少し違って、私が話をすることで同じような気持ちをする被害者遺族を生まないようにしたい。
皆さんにはどうしたらそれができるかを考えてもらえたら意味があると思っています」

亡くなった人達の展示から命の大切さを考える

講演会と合わせて、国立市の会場では命の大切さを訴える展示「生命のメッセージ展」も開かれました。
飲酒運転による事故などで命を奪われた犠牲者5人の等身大パネルが並び、事故の詳細やメッセージとともに、足元には生前履いていた靴が置かれていました。

いのちのミュージアム事務局の土屋由美子さん
「新たな旅立ちとして靴を展示して、また一緒に歩いていく、生きていくということを表しています。
展示を見て、自分自身のこととして考えて欲しい。
『うちの子供と同じ年だったんだな』とか『改めて通学路を確認しました』とか、運転手さんも歩行者も両方が一緒に考える、そんなきっかけになればと思います」

こうした啓発活動を通じて、犯罪被害者への支援の輪が広がることを期待します。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:進藤誠人)

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