怒りの背景に「過去の記憶」 中国政府が国際社会に広める“物語”とは 日中関係修復の糸口どこに?【サンデーモーニング】

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2025-11-30 16:36
怒りの背景に「過去の記憶」 中国政府が国際社会に広める“物語”とは 日中関係修復の糸口どこに?【サンデーモーニング】

高市総理の国会答弁をきっかけに冷え込んだ日中関係。中国は「軍国主義」という言葉を持ち出して国際社会で日本を非難するなど、強硬姿勢をエスカレートさせています。日中関係に改善の手立てはあるのでしょうか。

【写真を見る】一瞬視線が合ったようにも見える高市総理と中国・李強首相

中国の怒りの根源 “満州事変”と重ね合わせ…

2日間に渡って南アフリカ・ヨハネスブルクで行われたG20サミット。
高市総理が各国首脳と親密な挨拶をかわす中、注目されたのは、中国・李強首相との接触でした。

高市総理と李強首相との距離は約3メートル。一瞬、2人の視線が合ったようにも見えましたが、結局、言葉を交わすことはありませんでした。

高市総理の国会答弁をきっかけに、一気に冷え込んだ日中関係。中国は依然、強硬な姿勢を崩しません。

23日に行われた、小泉防衛大臣による与那国島の自衛隊駐屯地視察。台湾に最も近いこの島に、ミサイル配備の計画があることについて、中国側は...

中国外務省 毛寧報道官(24日)
「意図的に地域の緊張を引き起こし、軍事的対立を煽っている。日本の右翼勢力は日本と地域を大惨事へと導いている」

こうした中国側の怒りはなぜなのか。

中国人民大学の王教授は、高市総理が、「台湾有事」と「存立危機事態」を結びつけた点について...

中国人民大学 王義桅教授
「日本がかつて同じような言葉を中国侵略の口実として使ったという、中国の人々のつらい記憶を呼び起こした。まだ台湾を植民地だと思っているのか、機会に乗じて中国への侵略戦争を仕掛けようとしているのか、中国が非常に怒りを感じているのはそこにある」

「満蒙は日本の生命線」
1931年、日本は「満州の権益を維持できなければ国家存亡に関わる」として、満州事変に突入し、日中の全面戦争へとつながりました。

今回、中国政府は、人民につらい記憶を植え付けた満州事変と同じように、日本が「国家存立の危機」だと位置づけ、再び戦争を仕掛けようとしているというのです。

「日本が『軍国主義』の道に」 中国発の“物語”が国際社会に...

さらに中国は、国際社会を巻き込む動きも見せています。

21日、国連のグテーレス事務総長に、高市総理の発言を批判する書簡を送り、「台湾情勢に武力介入すれば侵略行為になる」と主張しました。

同じ日、IAEA(国際原子力機関)理事会でも...。

中国 李松代表
「知っての通り、日本は民生利用を遙かに超えるプルトニウムを持っている。そんな国は厳格な監視下に置かなければならない」

さらに、「日本が『軍国主義』の道に戻りかねない」と付け加え、一方的に非難したのです。

また、中国国内では閲覧できないSNS上に、旧日本軍の軍服を着た高市総理の風刺画などを頻繁に投稿したことも、日本と「軍国主義」を結びつけ、国際社会にアピールしようという中国側の意図が伺えます。

こうした中国の姿勢に、専門家は...

東京大学大学院(現代中国研究)阿古智子 教授
「『日本は軍事大国化を目指している』。そのような中国政府が作った“物語”が、国際社会にも広がりやすいという状況」

さらに中国はこの状況に乗じる形で...

阿古智子教授(東大大学院・現代中国研究)
「『台湾は中国の一部なんだ』それを改めて強く訴えかけることが、(中国には)必要。国際的にも今、中国は非常に影響力を持っている。他の国々にも受け入れられている可能性がある」

中国が国際社会に執拗な発信を繰り返す中、日本はどう対応したらいいのでしょうか。

“パイプ役不在”で関係修復の糸口はどこに

前回、日中関係に大きな危機が訪れたのは、2012年、民主党政権による「尖閣諸島の国有化」が発端でした。

両国の首脳会談は行われず、不買運動などによって、日本経済は大きな打撃を受けることに...。

事態が動いたのは約2年半後。安倍政権に変わった2014年、ようやく首脳会談が実現したのです。

安倍晋三 総理大臣(当時)2014年11月
「関係改善に向けて、第一歩をしるすことができた」

そこに至るには、中国とパイプをもつ福田康夫元総理が、北京への訪問を重ね、習主席と会談するなど、様々な水面下の交渉がありました。

翻って、現在の日中の対立については...

膳場貴子キャスター
「2012年の時はパイプがあったので、日中関係正常化したが、今回の状況だとそうではないと聞こえてきますが」

東京大学大学院(現代中国研究)阿古智子 教授
「政治家のパイプももちろん大事だが、中国政府は民間の圧力も感じているはず。海外にいる中国人たちも、国内の中国人たちとつながって色々な活動をしている。それを(中国政府は)恐れています。

中国の経済的な規模や軍事力というものを考えると、(日本は)太刀打ちできない。だからこそ日本は民主主義国として、自分たちの平和、戦後培ってきた自分たちの価値を示す必要がある

強硬な姿勢を続ける隣国に対し、日本ならではの戦略的な対応が求められます。

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