現存する最古の「猫ドア」か? 英国の大聖堂や図書館に残る「穴」
猫が自由に出入りできるように作られる「猫ドア」。実は英国の歴史ある建物にも設けられており、現在でも扉に開けられた穴がそのまま残っているのです。
大聖堂でネズミ退治をした猫のための「猫ドア」

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扉を開けなくても猫が自由に出入りできる「猫ドア」。おそらく現在残っている最古の猫ドアの1つが、イギリスのデヴォン州にあるExeter大聖堂のものです。
この教会は12世紀から数百年かけて建てられました。歴史家Diane Walkerさんは「この教会の猫用ドアの歴史は1598年に遡る」と語っています。というのも、その年の大聖堂の記録には、William Cotton司教が大工に金を払い、大きな天文時計の扉に「猫用の穴を彫らせた」と記されているのです。
「当時は時計の歯車に動物の脂肪が塗られていたため、これを狙ってネズミが寄ってきました。そこで猫に駆除させるために設けたのでしょう。フラップ扉こそついていませんが、きっと歴史上最古の猫ドアだと思われます」とDianeさんはいいます。
この時計は特別な文化的意義を持ち、有名な童謡「Hickory Dickory Dock」のモデルになったのではないかとの見方もあります。当時この猫ドアから入ってきた猫(とその飼い主)たちは、ネズミ退治の報酬として、実績に応じた餌代を受け取っていたそうです。
公共図書館の建物にも「猫ドア」が

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Exeter大聖堂のほかにも、古い猫ドアがいまも存在しています。BBCの雑誌「History Revealed」は2014年、マンチェスターのChetham図書館に何世紀も前の猫ドアがあると報じました。同図書館ではこのドアを「中世のもの」としています。
この英国最古の公共図書館の建物は1653年に設置され、後にカール・マルクスやフリードリヒ・エンゲルスがイギリス滞在中に利用したことでも有名になりました。図書館が入っている建物の歴史はさらに古く、同館ウェブサイトによると1421年に遡ります。かつてここには司祭の学校が置かれていました。もし猫ドアが建設初期の中世時代に作られたのであれば、Exeter大聖堂よりも古いものだといえます。
ニュートンや教会の司祭も開けた「猫ドア」

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ほかにも猫ドアは歴史上ひんぱんに登場します。
かつてアイザック・ニュートンは、教鞭をとったケンブリッジ大学の研究室に猫ドアを作ったといううわさもあります。この話は、彼の死から100年後、数学者のJohn M. F. Wrightが1827年に同大学の回顧録に記したものです。
イタリアのトスカーナ州にあるSan Giorgio教会には、「Madonna della Gattaiola」(猫ドアの聖母)という絵画があります。15世紀に「オルガンのふた」または「装飾テーブル」に描かれたとされていますが、教区司祭が猫用の穴をあけて移設し、納屋の扉として再利用されました。
こうした猫ドアは、現代のわたしたちが、古い時代の建物を出入りしていた猫たちの姿に思いをはせる一助にもなりますね。
出典:
・Where Can You Find the Oldest Cat Door on Earth?
・Exeter Cathedral door hole could be world's oldest cat flap
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