「東京ベイeSGプロジェクト」で目指す持続可能な都市の未来! 採択企業7社が集結した展示会レポート

2025-12-18 16:00

都政の新たな羅針盤となる「2050東京戦略」のプロジェクトのひとつである「東京ベイeSGプロジェクト」は、ベイエリアを舞台に、50年・100年先を⾒据え、「⾃然」と「便利」が融合する持続可能な未来の都市を構想するプロジェクトです。

東京都は、プロジェクトが⽬指す持続可能な都市の未来像を発信するため、2025年12⽉10⽇から12日まで開催された「SDGs Week EXPO 2025『エコプロ』」に、東京ベイeSGプロジェクトのパートナー企業7社とともに「SusHiTechTokyoブース」を出展。

太陽光駆動マイクロモビリティ、都市型小型風力発電、低温ケミカルリサイクルなど、都市課題の解決や持続可能なまちづくりに寄与する革新的な技術が紹介されました。

海⽔からCO2を回収する革新的技術、新しい環境インフラを目指して

「⽇本を資源⼤国に!」をミッションに掲げるアンヴァール株式会社は、海⽔からCO2(二酸化炭素)を回収し、同時に⽔素とマグネシウムを⽣む“海⽔由来エネルギー循環技術”のシステム開発をしている会社です。

代表取締役社長の櫻井重利さんは、ヤマハ発動機でマリン製品の営業やグループの専門商社にて実務経験を積み、2004年に早期退職プログラムで現在の会社を創業。

2011年に関電工との共同研究を開始したのをきっかけに、世の中に出ていない日本の優れた研究シーズの実用化を目指すようになったといいます。

そこから研究を重ね、現在では「マグネシウムの回収方法およびマグネシウム回収装置」、「バイオガスの生成方法」に関する特許を取得し、さらには10を超える特許技術を出願中とのこと。

現在では⼤気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture:直接空気回収技術)が先⾏しているそうですが、「海⽔の⽅がCO2濃度が⾼く効率的である」という特性に注⽬したDOCが海外の新潮流になっており、新たなカーボンネガティブを実現するアプローチとして注目を集めています。

アンヴァールでは、⽇本独⾃⽅式のDOC技術を開発している状況で、すでにラボレベルでの実証は終えており、ここから大企業や自治体、国と連携して実用化を目指していくフェーズだと櫻井さんは語りました。

世界のマグネシウム生産のうち、実に約85%を中国が占めている現状に対して、「マグネシウム資源の国産化」に挑むアンヴァールは、今後より関心の高まるスタートアップだと言えるのではないでしょうか。

「海⽔由来エネルギー循環技術で生み出した再生可能エネルギー由来の⽔素や低炭素マグネシウム素材を供給し、発電や産業、輸送分野の脱炭素化に貢献していきたいと考えています。⽇本発のDOC技術を通じて、臨海都市のエネルギー⾃⽴と脱炭素の両⽴を⽀える新しい環境インフラを創り上げていくために尽力していきたい」(櫻井さん)

路⾯で発電可能な「舗装式太陽光発電パネル」

東亜道路⼯業株式会社では、道路舗装路⾯に貼り付けて設置する「舗装式太陽光発電パネル」を展⽰。

東亜道路⼯業株式会社では、道路舗装路⾯に貼り付けて設置する「舗装式太陽光発電パネル」を展⽰。「Wattway(ワットウェイ)」では、既存の舗装された路面に直接設置することで、周囲の景観を損なわずに道路の交通機能を保ちながら再⽣可能エネルギーを⽣み出す画期的な技術となっています。

従来の太陽光発電と違い、道路という既存インフラを「エネルギー源」として活用できるのが最大の特長です。強風や塩害に強く、災害時の非常用電源としての活用も想定しているとのこと。設置面では、厚さわずか6mmの薄型パネルを特殊接着剤で貼り付ける構造のため、⼤掛かりな⼯事は不要。

また、走行中のEVに無線で電力を供給する「走行中ワイヤレス給電舗装」のサンプルも展示されており、道路で電気をつくり、走行中の車に給電するという「未来の道路」のあり方を体感することができました。

日本発の「レンズ⾵⾞」がつくる都市型の⾵⼒発電

九州大学で研究開発された技術を実用化し、日本発の小型風力発電機「レンズ⾵⾞」を製造・販売するウィンドリンク株式会社。

従来の風力発電機と比べて2〜3倍の発電量を実現する世界一の発電効率を誇り、同時に空力騒音の大幅な軽減による静音性に優れているため、住宅地や商業施設でも設置可能なのが大きな特長です。

さらに、⿃類衝突(バードストライク)リスクも低い構造で、ブレードを囲むディフューザーの輪による柔らかなイメージは景観に馴染み、全国各地の⾃治体や製造メーカーの工場、駐車場、保育園・幼稚園などに導入されているとのこと。

加えて平常時だけではなく、非常時には電力の確保にも活用できることから、災害リスクの低減にもつながります。まさに、都市部にも適した次世代の⼩型⾵⼒発電と言えるでしょう。

今後はさらなる普及に向けて、⾃治体・企業との協働を進めていくそうです。

東京ベイeSGプロジェクトは、今後も先端技術の社会実装を目指し、官民学連携で未来の持続可能な都市を創造していく取り組みを行っていくとのことで、未来の都市づくりに期待が持てる展示会でした。

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