茨城が本気で仕掛ける企業誘致――研究開発拠点は“つくば”へ動くのか ~茨城・最先端リサーチパークの可能性~

2026-01-20 13:00

「研究開発拠点=都心」という常識が、いま静かに揺らいでいる。
半導体をはじめとする先端分野の企業が次に注目し始めているのは、東京でも大阪でもない。
その視線の先にあるのが、茨城・つくばだ。

2025年12月に開催された「SEMICON Japan 2025」。
世界の半導体産業が集結するこの国際展示会の会場で、ひときわ存在感を放っていたのが、茨城県による企業誘致のブースだった。
展示されていたのは、単なる用地情報ではない。「次の研究開発拠点は、どこに置くべきか」という問いに対する、一つの答えだった。

茨城県が前面に押し出したのは、つくば市の「最先端リサーチパーク」と、ひたちなか市の「常陸那珂工業団地」。
研究環境、立地条件、人材、そして大胆な支援策——
なぜ今、茨城が“本気”で研究開発拠点の受け皿になろうとしているのか。その狙いをひも解いていく。

「SEMICON Japan 2025」は、半導体産業における製造技術、装置、材料をはじめ、車やIoT機器などのSMARTアプリケーションまでをカバーする、エレクトロニクス製造の国際展示会。「AI × サステナビリティ × 半導体」をテーマに開催され、国内外のリーディング企業/研究機関のトップエグゼクティブや技術エキスパートが未来のビジョンを語るセミナーが開かれるなど、盛り上がりを見せた。

茨城県庁のブースで紹介されていた「最先端リサーチパーク」には、大きく分けて「環境」「立地」「人材」という3つの魅力がある。

「最先端リサーチパーク」は、つくば市の研究学園エリアに位置し、先端技術の研究開発拠点向け用地として注目されている。近隣には国や民間の研究機関が多く立地し、2022年には、台湾の半導体受託製造大手であるTSMCの初の海外研究開発拠点となる「TSMCジャパン3DIC研究開発センター」が立地するなど半導体技術の研究・開発が一層加速している。

研究機関や大学が集積するつくばという環境そのものが大きな強みであり、豊富な人材と情報交換の機会によりイノベーション創出が期待できる。また、交通の便も良く、つくばエクスプレス「研究学園駅」から東京方面へ直結しており、最短46分で移動可能な利便性の高さも魅力の一つ。こうした環境は、最先端技術の研究・開発拠点として最適な条件を備えていると言える。

また、もう一つの用地、ひたちなか市の「常陸那珂工業団地」は、先端産業の製造に対応した水や電力、用地面積を確保しており、研究開発拠点はもちろん、本格的な製造拠点としても大きな魅力がある用地と言える。

ほかにも、茨城県は、成長産業の研究開発拠点を検討する企業に向け、補助金や税制面の支援体制も整えている。成長産業の本社機能移転や生産拠点の整備に対し、設備投資費を補助する制度を整備し、2025年度からは新たに、グローバル企業のフラッグシップ拠点の誘致を対象に、上限100億円という全国トップクラスの補助制度も設けられた。

加えて、不動産取得税や法人事業税、市町村ごとの固定資産税の免除などの特例措置も講じている。東京都・大手町には企業誘致の相談窓口を設置し、立地検討から進出後のフォローアップまで一貫して支援する体制を構築。こうした環境のもと、大学や研究機関と連携する企業の進出も進んでいて、最先端リサーチパークの価値は着実に高まりつつある。

茨城県庁のブースでは、茨城県公認VTuber・茨ひよりのパネルが来場者を出迎え、明るい配色でブースが全体的に親しみやすさを演出していた。研究施設の増設や移転を検討している企業などの担当者が多く訪れた。アンケートに回答した方には、茨城県にゆかりのある「うまい棒」や干し芋がプレゼントされ、来場者に好評を得ていた。

また、「SEMICON Japan 2025」出展の連動企画として、最先端リサーチパークのウェビナー企画が2026年1月22日(木)に開催される。「半導体の未来を創る拠点 ― 茨城から始まる次世代イノベーション」と題したウェビナーで、半導体業界アナリストの大山聡氏が基調講演を務め、茨城県から最先端リサーチパークの案内も行われ、半導体業界の技術動向や研究開発拠点向けの事業用地を知ることができる。

研究開発拠点向けの事業用地を探している企業は、ウェビナーへの参加を検討してみてはいかがだろうか。
ウェビナーサイト(https://www.secure-cloud.jp/sf/1762568120VwyIztjE)

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