日曜劇場『リブート』、家族の絆を支える「スイーツ」の真実 パティシエ監修者が語る「ハヤセ洋菓子店」の裏側【ドラマTopics】

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2026-02-01 11:00
日曜劇場『リブート』、家族の絆を支える「スイーツ」の真実 パティシエ監修者が語る「ハヤセ洋菓子店」の裏側【ドラマTopics】

日曜劇場『リブート』(TBS系)は、無実の罪を着せられた平凡なパティシエが、愛する家族を守るために全てを捨て“再起動=リブート”する物語だ。劇中では、極限状況に置かれた主人公の心を、温かく、そして“甘く”支える存在としてショートケーキやシュークリームなどの洋菓子が登場する。

【写真で見る】ストーリーに温かみを加えるハヤセ洋菓子店のスイーツ・・・ドラマ『リブート』より

そのスイーツや、主演・鈴木亮平さんらが演じるパティシエ役の監修を手がけたのが、東京・代々木八幡のパティスリー「PAQUET MONTÉ(パケモンテ)」のシェフパティシエ、本田珠美さんだ。

ドラマの世界観に寄り添いながらも、職人としての矜持を貫いた本田さんの仕事には、ドラマのテーマとも重なる、菓子職人としての思想があった。

パティシエ役の二人に見た役者魂

ドラマに登場する「ハヤセ洋菓子店」は、家族経営の老舗洋菓子店という設定だ。本田さんがドラマのスタッフと話し合う中で向き合ったのは、スイーツだけにとどまらない。

その一つが、妻殺しの罪を着せられ、自らの潔白を証明し真犯人を見つけ出すため警視庁の悪徳刑事・儀堂の顔になり変わり、“リブート”する主人公・早瀬陸がパティシエとして生きてきた生活の“痕跡”だった。

「店舗のセット自体は、実在の洋菓子店をそのまま使っていたので、私から特別なアドバイスをすることはありませんでした。ただ、自宅を再現したセットについては、事前にスタッフの方から“パティシエだったらどういう配置になりますか”と相談を受けました」

冷蔵庫の中の整理の仕方、キッチンに吊るされた茶こしや器具の配置、計量器やホイッパーの置き方──。それらは画面に大きく映るものではないが、本田さんのアドバイスが忠実に再現されたセットに仕上がった。

パティシエとしてのアドバイスは、俳優陣にも。今回、鈴木さんだけでなく、「リブート」し顔面を変える前の早瀬役である松山ケンイチさんも、“パティシエ”を演じている。

「松山さんは、とにかく練習を重ねるタイプで、亮平さんは1回1回考えながら、というタイプでした。段階を経て、最終的に本物っぽくなっていましたね」と、それぞれタイプは異なるものの、その役者魂を間近で見たという。

スイーツに込めた「家族の記憶」

劇中に登場するスイーツの方向性について、本田さんは「古典菓子」を意識。

「見た目は、どちらかというと古典寄りです。例えばスワンのシュークリームは、フランスのクラシックスタイルをイメージしました」

スワンのシュークリームは、劇中で繰り広げられる会話の中にも登場する象徴的な存在だ。そこから本田さんが導き出した「ハヤセ洋菓子店」オリジナルのシュークリームのポイントは、“カスタードクリーム”だった。

「今はカスタードに生クリームを多めに加えたディプロマットクリームが主流ですが、ハヤセシューはカスタードに加える生クリームを少なめにし、卵の風味を感じる懐かしいカスタードを主体にしました」

かつて勤務していた老舗洋菓子店のラム酒の効いたカスタード入りのシュークリームのレシピを参考に、ラム酒は加えず、子どもから大人まで食べやすい味に調整した。     

店を代表するショートケーキ「ハヤセショート」についても、レトロで伝統的なスタイルをベースにした。「イチから作りました」と語り、「レトロ感があり、他にはあまりない“ハヤセオリジナル”という感じです」と自信をのぞかせる。

「かつてはショートケーキよりもバタークリームケーキが主流で、職人がバラの花や絞りの技術で華やかさを演出していました。ハヤセショートは形は普通のショートケーキですが、バラや葉っぱを乗せ、華やかさや懐かしさ、特別感を出しています」と話す。

伝統と新しさの“間” 「外しすぎない」ための研究

本田さんは、「東京調理師専門学校」を卒業後、「Tadashi YANAGI」「田園調布レピドール」「ホテルインターコンチネンタル東京ベイ」などで研さんを積み、タルト専門店などの企画開発を手がけた後に、「パケモンテ」シェフパティシエに就任した。

パケモンテでは、タルト生地にカスタードに似たフラン液を流し込んで作るフランスの伝統的な菓子「フラン・パティシエ」を、日本で初めて専門店として提供。特殊技法を用いた多層の筒状のパイ生地にフラン液を流し込んで焼き上げる工程には、パイ生地に4日間、フラン液に2日間をかけ、食材にもこだわる。

自身を「イチから作るタイプのパティシエ」だと語る一方で、伝統に対する敬意も忘れない。「新しいものを作る時も、外しすぎないことを意識しています。急激に変えると、別物になってしまうので」

現代の嗜好に合わせて甘さを控えつつも、守るべき要素は残す。その微調整を支えているのが、日々の研究だ。

「おいしいフランを作るために今も研究を続けています。フラン液も、『前よりおいしくなっている』と思っていただけるように、ちょっとずつ改良しています」

店で提供するフランは、「食感がぷるんとしているのですが、そこも外しすぎず、抑えるポイントは守りつつも、現代人の味覚の好みに合わせて作っています」とも。

「今はあまり甘すぎるものは好まれないんです。自分はもともとかなり甘い方が好きなのですが、あえて甘さを控えています」と、時代の流れをくみ取ることも忘れない。

パティシエと俳優 刺激を受けた「プロの姿勢」

今回、監修者の一人としてドラマに携わる中で、本作で描かれる「家族愛」にも共鳴したという本田さん。

「私自身も、子どもがいて家庭があるので、やはりそこは共鳴するところがありますね」と語り、パティシエを目指したきっかけについても、家族とのエピソードを明かしてくれた。

「私は長野に住んでいて、出張や単身赴任が多かった父親が、赴任先の名古屋や東京から毎週帰って来る時に、その土地その土地のおいしいものを買ってきてくれたんです。それで食べることが好きになり、パティシエになったというのはあるかもしれないです」と振り返る。

監修を通じて、本田さんが最も驚かされたのは、冒頭にも話してくれた俳優たちの技術習得の速さだった。

「本当に目から鱗でした。1回説明しただけで、ほぼ形になっているんです」と驚き、「“20代前半の自分は何をしていたんだろう”って思いました(笑)」と、その集中力を絶賛。鈴木さん、松山さんのプロとしての姿勢に感銘を受けたという。

“プロ”のパティシエとして、本田さんも「フランという伝統的なスイーツを作る中で、その伝統を『受け継ぐ』ということは、お客さまを裏切らないこと。守り続けることが大事だと思います」と、揺るがない信念を口にする。

本田さんが手がけたパティシエやスイーツの監修のもとで、よりリアリティーや深みを増したドラマ『リブート』。物語が中盤に差しかかる中、今後どんなスイーツが登場するかにも、注目だ。

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