The Genovation Foundationが世界初の「グローバル少子化危機フォーラム」を開催

2026-02-02 15:55

低出生率という世界的課題に専門家が集結
~日本社会における経済的圧力と社会的期待が未婚化・少子化を加速~

東京、2026年2月2日 /PRNewswire/ --The Genovation Foundationは、第1回「2026年グローバル少子化危機フォーラム」を、香港にて開催しました。本フォーラムには、国連をはじめ、中国、米国、インド、日本、韓国、ハンガリーなど10以上の国・地域から、学術界、産業界、政府関係者を含む44名が参加。世界的に深刻化する少子化問題をテーマに、人口動態の変化、経済への影響、政策対応、女性の出産選択とキャリア形成の両立など、幅広い観点から活発な議論が行われました。

世界規模で進行する人口動態の危機

少子化はもはや一部地域に限られた問題ではなく、世界的な構造変化となっています。フォーラム参加者は、現在、世界人口の約3分の2が合計特殊出生率(TFR)2.1(人口置換水準)を下回る国・地域に暮らしていると警鐘を鳴らしました。

人口減少は、経済の安定性や文化の継承、持続可能な発展そのものを脅かしています。特に東アジアでは、高騰する住宅価格、教育費の負担、硬直的なジェンダー規範が課題となっており、従来型の政策では十分な効果を上げられていない現状が指摘されました。多くの国が出産奨励策や補助金制度を導入しているものの、単に出産制限を緩和するだけでは、持続的な出生率回復にはつながらないことが明らかになっています。

国連人口部のウラジミラ・カントロワ氏は、「人を中心に据えた介入策を設計し、人口動態の相互関係を活用することで、持続可能な未来を築く必要がある」と述べました。また、ユワ人口研究所(Yuwa Population Research Institute)のCEO兼首席研究員である黄文政(Wenzheng Huang)氏は、人口置換水準への早急な回帰を訴え、「人は単なる労働力ではなく、消費者であり、イノベーションの基盤であり、文化や言語の担い手であり、感情的価値の源でもある」と、人類の多面的な価値を強調しました。

ユワ人口研究所 CEO黄文政
ユワ人口研究所 CEO黄文政

AIが家族形成と出生をめぐる課題をさらに複雑化

経済学者のJames Liang氏は、AIが少子化問題を二つの側面から深刻化させていると指摘しました。一つは、AI主導のエンターテインメントが即時的な快楽を提供し、子育てという長期的なコミットメントと競合している点。もう一つは、AI時代の経済が高度なスキルを要求し、若年層を長期の教育期間と経済的不安定に追い込み、家庭を築く時間的・経済的余裕を奪っている点です。Liang氏は、こうした状況下においても、「子どもを持つことは人類の継続に対する意味ある貢献である」と強調しました。

経済学者James Liang
経済学者James Liang

日本の少子化の根本要因として、経済的圧力、社会的期待、文化的変化が関係

日本の少子化は長期的かつ構造的な問題として進行しています。合計出生率は1990年代以降30年以上にわたり1.5を下回る水準が続いており、2024年には1.15まで低下しました。出生数も同様に大きく減少しており、2024年の出生数は約68万6千人と、2010年頃でも約110万人と比べても大幅に減少しています。

中央大学家族社会学教授の山田昌弘氏は、この急速な出生数減少の最大の要因として、未婚率の上昇を挙げています。実際、2020年時点で30〜34歳の未婚率は男性51.9%、女性38.5%に達しています。背景として、経済の不安定さと過度に高い社会的基準を挙げ、結婚が「ぜいたく品」となっている現状を指摘しました。人口縮小は労働力やイノベーションを弱体化させる一方、高齢化の進行は医療・介護制度に大きな負担をもたらしています。

中央大学 家族社会学教授 山田昌弘氏
中央大学 家族社会学教授 山田昌弘氏

政策から学ぶ教訓:ハンガリーの成果、韓国の警鐘

ハンガリーでは、出産、雇用、住宅、税制を統合したライフサイクル全体をカバーする家族政策により、2021年に出生率の改善が見られました。また、カザフスタンは、手厚い家族支援と母子保健制度により、2024年に出生率約2.8を維持しています。

一方、韓国の出生率は2023年に0.72まで低下。漢陽大学の柳恵美(Hye Mi You)教授は、金銭的インセンティブだけでは不十分であり、労働文化、住宅市場、家族観そのものを見直さなければ根本的な解決にはならないと警告しました。

出生率回復に向けた行動提言

フォーラムでは、「グローバル少子化危機への対応に関するイニシアチブ」を発表。国際社会に対し、「持続可能な再生産」を共通の中核的価値として認識すること、税制・社会保障・保育・住宅政策を通じて家庭の負担を実質的に軽減すること、企業によるファミリーフレンドリーな職場環境の整備を促進すること、そして出産と子育てを尊重し、責任を分かち合う社会文化の醸成を呼びかけました。

さらに、具体的な行動計画として、

  • 世界的な出生率モニタリング・プラットフォームの設立
  • 「人口持続性貢献賞」の創設
  • レポーティングにおける「出生率フレンドリー指数」の導入
  • ESGフレームワークへの育児支援の組み込みを企業に奨励
  • 「少子化危機に関する学術コミュニティ」の設立

などが提案されました。

本フォーラムは、世界的な少子化危機に向き合うための重要な国際対話の場を創出し、人口構造の転換という人類共通の課題に対し、意識・政策・行動の変革を促すとともに、今後の協力に向けた知見と基盤を提供するものとなりました。

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