流行りの凶器や“殺し方”もリサーチ!?  日曜劇場『リブート』裏社会監修・丸山ゴンザレスさんに聞く“リアルとフィクション”【ドラマTopics】

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2026-02-15 11:00
流行りの凶器や“殺し方”もリサーチ!?  日曜劇場『リブート』裏社会監修・丸山ゴンザレスさんに聞く“リアルとフィクション”【ドラマTopics】

妻殺しの罪を着せられた平凡なパティシエが、愛する家族を守るため“顔を変え=リブートし”、真実を追い求める姿を描き、そのスリルとスピード感あふれる物語が中盤を迎えようとしている日曜劇場『リブート』(TBS系)。

【写真で見る】鈴木亮平さんや永瀬廉さんの最新カットも・・・ドラマ『リブート』場面写真

物語の主な舞台の核となっているのは、“一般社会”とは対極とされる“裏社会”だ。犯罪行為に関わるあらゆる事象も内包する裏社会をよりリアルに描くため、同作で「裏社会監修者」を担うのが、ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんだ。登場人物たちの言動や、劇中のさまざまなシチュエーションにリアリティーを加えている。

雑誌や書籍、YouTubeなどで自身の旅行記や裏社会のレポートなどを発表し、バラエティ番組『クレイジージャーニー』(TBS系)では、世界の“危険地帯”を取材する。数々の取材を通じて多くの裏社会の住人たちに接してきた丸山さんだからこそ知り得る“リアル”を、今回どのようにドラマ内の“フィクション”として落とし込んだのか。インタビューで語った、その行程や苦労とは。

手段として「人間を追求」――“ジャーナリスト”活動の原点は?

『クレイジージャーニー』(TBS系)に出演していることもあり、世間的に広く知られる肩書きは“危険地帯ジャーナリスト”。しかし、「自分からそう名乗ったことはないんですけどね」と笑顔を見せつつ否定する。

テレビ出演以前から、映像制作や執筆活動、漫画原作など、振り幅の広い仕事をしてきた。番組や自身のYouTubeチャンネルなどで見せる物怖じしない取材スタイルは、真のジャーナリストそのものだが、肩書きは「あえて言うなら、ジャーナリスト」と謙遜する。

「もともとは考古学者を志していたこともあり、今もそれが思考の大部分を占めています。考古学の基本的な考え方は仮説の検証なので、僕の取材手法も(その事象を構成する)システムやフレームといったものを浮き彫りにしていくことが目的になります」と、自身の活動の“原点”を明かす。

「その中で重要な要素を占めるのが、人間であるケースも多い」と、その中で“人間”を追求してきたことが、現在の取材スタイルにつながっていると語る。

「人間ドラマだけにフォーカスしているわけではなく、全体像を見ることが好きなので」とも語り、あくまでも人間を追求することは目的ではなく、「手段」。裏社会監修を手掛けた『リブート』でも、その手法が生かされている。

「裏社会監修という立ち位置も、誰か一人にフォーカスするのではなく全体を見渡すことができたので、監修するのは非常に面白くて、僕の性にも合っていると思いました」と振り返る。

流行りの凶器や“殺し方”をリサーチ 監修依頼を受けてしたこと

裏社会監修にあたり、制作チームからはある要望を受けた。

「視聴者が違和感を感じない程度に、昨今の犯罪との大幅な乖離(かいり)や、矛盾はないようにしてほしいと言われました。僕としては、その方がやりやすかったですね」

「新しい犯罪を考える、といった類いの話ではなく、今あるものをコラージュやアレンジする。監修する側としても望むところ、といった思いでした」と、スムーズに自身の仕事ができたという。

その中でも、ディテールには気を配った。自身のネットワークを活用して情報を収集。「今の裏社会の人間はどんな殺し方をするのか」「最近流行りの凶器は?」などの話を聞いていった。

「こうした仕事を受けると、自分の中での裏社会知識を強制的にアップデートしなければいけない。その作業自体も、楽しかったです」と、裏社会の“トレンド”を探った経緯を振り返る。

一方で、裏社会監修をする中で、「本当に難しかった」と苦労した点も。

それは、「リアルとフィクションの線引き」について。「リアルを知っているからこそ、そこの寄せ方・引き方を見誤ってしまうと、裏社会的には“ジョーク”になってしまうような描写もある。そこが他の仕事でもいつも迷うところです」と難しさを明かす。「リアルに寄せすぎず、かといってフィクションにも寄らない」バランスでのリアリティーを目指したという。

「裏社会側が(一般社会に)寄せてくるケースもあるんです」と語る丸山さんにその具体例を聞くと、人気映画やドラマに出てくるシーンを見て「あの作品みたいなことをやってみようぜ、とまねする人たちもいる」と、その意外な“ミーハー”ぶりを明かしてくれた。

「そうなると、今回ドラマの裏社会監修をしていても、一概に全部がフィクションとも言い切れなくなりますよね」と続ける。

裏社会の中にも混在する、リアルとフィクションっぽさ。それは、友人が話していたあるエピソードでも感じたという。「友達が、本物の死体は、至近距離ではフィギュアにしか見えない、と言うんです。でもそこから徐々に離れると、“ある地点”で突然、死体に見えて、さらに離れると風景になる」。

リアルで近すぎると本物に見えず、ほどほどに引いて離れた方が、リアリティーが出てくる。距離感で見え方が変化していくことに気づいたことは、自身の中でいろいろな線引きをしていく上で大きなヒントになったそうだ。

鈴木亮平さんとの会話で見えた二人の“共通項”

丸山さんが今回、「同じ趣向のある方だった」と深く印象に残ったと話すのが、主演の鈴木亮平さんだ。鈴木さんは今作で、リブートする前のパティシエ・早瀬陸と、早瀬がなり代わる悪徳刑事・儀堂歩の一人二役を演じ、善と悪を行き来する。

鈴木さんと話した際に、「今こういうことを調べていて、それについてどう思いますか?」と聞かれたと言い、「常に情報や意見などを貪欲に求められている姿がとても印象的でした」と話す。

そのストイックな姿勢に、「同じように探究していくことがすごく好きなタイプの方」と、共通項を感じ取った。

鈴木さんにも感じた“探究心”は、丸山さんにとっても、さまざまな世界で取材を積み重ねてきた原動力にもなっている。

中でも、テーマの一つとして裏社会を取り上げる理由を、改めて聞いた。

「裏社会的な犯罪集団は、無法者ではありますが、交渉などのやり取りの上では意外に紳士的だったりもします。それは、違法だからこそ担保になるものが“信用”しかないからです」と、生きるために環境に合わせて自らを律する彼らの姿に、“人間の普遍性”を感じている。

「違法なビジネスや犯罪に手を染めている人たちは、身分などを偽っていても感情的な部分では、本音の部分がかなりむき出しになる。僕が裏社会を取材するのが好きなのは、そういう浮き彫りになった人間性を見るのが楽しいから」と続ける。

「人は置かれた場で変わる」――“リブート”に見る人間の本質

ドラマは中盤に入り、本来の温厚な人格である早瀬が徐々に儀堂に侵食されていくようなシーンも見受けられるように。

丸山さんは、「その姿こそが、人間の本質に近い部分なのでは」と話す。

丸山さんが10年前にアメリカを旅した際に、ニューヨークで聞いた言葉がある。「ニューヨークという街は、ニューヨーカーがニューヨーカーであろうとするから成立する。だから、ニューヨークは特別な街なんだと、あるアーティストの方が言っていたんです。すごく人間の本質を突いていますよね」と、その言葉を、今作の登場人物たちにも重ねる。

置かれた環境に対して“どう振る舞うか”という意識は、裏社会においては「例えばヤクザっぽく振る舞おう、というのと同質の意味を持つ」とし、「“悪徳政治家”や、“優しい殺し屋”という言葉もあります。こうした相反する言葉を組み合わせても成立するように、人間はその時の立場や感情などでも、変わるものだと思います」と、表層だけでない人間の本質について話してくれた。

裏社会と呼ばれる世界で多くの取材を積み重ね、人間の本質にも考えを巡らせる丸山さん。その広い知見が、本作にさらなる重厚感をもたらす。丸山さんが監修した裏社会の“リアリティー”も、今作を楽しむ新たな視点になりそうだ。

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