がんばれ!子ザルの「パンチくん」 ぬいぐるみの“お母ちゃん”抱きしめ群れの中で奮闘中【Nスタ解説】
千葉県の市川市動植物園に、「誰もが応援したくなる」と話題になっているかわいいニホンザルがいます。
【写真を見る】子ザルの“お母ちゃん”を珍しそうに見る群れのサル
「○○を連れた子ザル」話題のワケとは
平日にもかかわらず開園前から並ぶ人々。お客さんのお目当ては…
来園客
「娘からパンチくんっていう『かわいいお猿さんがいる』と聞き、初めて知って」
「パンチくん、もちろん」
パンチくんのところへ行ってみると、オランウータンのぬいぐるみを連れて回るパンチくんの姿がありました。まだ生後半年のニホンザルです。
ぬいぐるみは飼育員さんが与えたもので、どこに行くにも一緒。
寝転んでじゃれあう姿や、毛づくろいをする姿などが「かわいい」とたちまち話題となりました。
パンチくんにぬいぐるみを与えたのには、わけがあります。母親が育児を放棄してしまったのです。
市川市動植物園 飼育員 鹿野紘佑さん
「野生でも初産や群れ内の順位が低いと、ストレスで放置してしまうこともあって」
生後間もないころは安心感を得たり、筋力をつけたりするために母ザルにしがみつきますが、その代わりになるものとして試したのが始まりでした。
出水麻衣キャスター
「ぬいぐるみはすぐに気に入っていた?」
飼育員 鹿野紘佑さん
「最初はあまり自我という感じはなかった。今は『自分にとって大切なもので近くにいれば安全』という“安心の材料”になっている印象」
飼育員たちはこのぬいぐるみを「お母ちゃん」と呼んでいます。別のサルが珍しそうに見る場面もありました。
群れに慣れようとする姿に胸打たれ…ファン急増
今、パンチくんは必死に群れに慣れようと奮闘しています。
大人のサルに近づきますが、押しのけられてしまうパンチくん。甘えるように「お母ちゃん」にじゃれつき、また近づきますが、また拒絶されてしまいます。
もう一つの心のよりどころは「飼育員」。エサを配りに現れると、パンチくんはエサそっちのけで足にしがみつきます。
本当にしがみつくのが大好きなようで、降りるよう、うながされますが、すぐに飛びつくパンチくん。飼育員さんも、このままでは帰るに帰れないので諦めました。
この愛らしさと、サル社会に慣れようとする姿にファンが急増。SNSには「#がんばれパンチ」を合言葉に、応援する投稿が相次いでいます。
来園客
「(ぬいぐるみの)オランウータンをギュッとしていて、その辺にくすぐられるというか。かわいかった」
「自分たちも子どもがまだ小さいので、『重ね合わせる』わけではないですが、大事に育てていきたいなと思いました」
出水キャスター
「パンチくんの人気どう感じる?」
飼育員 鹿野紘佑さん
「結構びっくりはしています。ここまでお客さんに応援していただき、すごく感謝が大きいです」
ぬいぐるみを卒業する日も近い?群れに馴染み始めたパンチくん
出水キャスター:
平日や午前中にもかかわらず、パンチくんの姿を一目見ようと大勢の来園客が詰めかけています。
パンチくんの名前は『ルパン三世』の生みの親・モンキー・パンチに由来しています。
生まれた直後500gだった体重は、生後6か月(ヒトの年齢で2〜5歳)の今は約2kgまで成長。1月19日から群れで生活していて、いま果敢に群れのみんなとコミュニケーションを取ろうとしています。
来園客のお目当ては、ファンが「オランママ」と呼んでいるオランウータンのぬいぐるみとのツーショットです。
母親代わりとしてわたされたオランウータンのぬいぐるみは、パンチくんにとってどのような存在なのでしょうか。
ニホンザルの子育てに詳しい防衛医科大学校の関澤麻伊沙助教によると、▼ぬいぐるみは『お守りのようなもの』で、▼飼育員さんは母親の代わりだということです。
今パンチくんは、群れで生活をし始めて社会性が芽生えてきて、他のサルに近づいていくような仕草が見られます。そこで、他のサルから押しのけられてしまったときに、ぬいぐるみが心を慰めてくれるお守りのような存在になっているようです。
母ザルがいないと「情緒面が未発達」に?でもパンチくんは…
出水キャスター:
母ザルがいないとどんな影響があるのでしょうか。
関澤助教によると、一般的には物音に過剰に怯えたり、逆に他のサルを避けたりするなど、情緒面が未発達になることがあるということです。しかし、パンチくんは物怖じしない性格で、心配なさそうだといいます。
順調に群れに馴染んでいく様子もあり、他のサルに毛繕いをしてもらっている姿もあります。
ぬいぐるみの「オランママ」と一緒にいる時間は少し減ってきているので、このツーショットが見られるのは今だけかもしれません。