【獣医が解説】猫の加齢に気づけていますか?シニア期の見せる「変化」と対策してあげたい事

2026-02-21 17:20

大切なおうちの猫ちゃんにはいつまでも若々しくいてほしいというのはどんな飼い主さんでも願うこと。しかし、猫ちゃんは気づかないところで老いていきます。実は老いによって負担に感じていることがあるかもしれません

猫ちゃんが加齢で見せる変化

トイレの中を覗き込む猫

私たち人間も加齢に伴い、食事量の変化や運動の変化などが見られますが、猫ちゃんも同様に加齢とともに生活に変化が見られるようになります。

猫ちゃんの場合、マイペースであったり、飼い主さんとの一定の距離を望む子も多かったりすることから、加齢性の変化に気づきにくい傾向もあります。

どんなことが見られるのでしょうか。

排泄の変化

まず、一番気づきやすい変化として排泄の変化が挙げられます。

尿量の変化により、トイレの砂の交換の頻度が増えたり、今までの頻度で行う交換の際に、汚れた部分が多くなったなと感じることがあるでしょう。

尿量が増える場合、粗相が見られる場合もあります。

猫ちゃんは、砂やトイレの中に排泄を習慣があるため、比較的トイレトレーニングの必要が少なく、粗相の少ない動物と言えます。

今まで失敗のなかった子が粗相をするようになったら、もしかしたら排泄の変化があるのかもしれません。

排便でも同様です。

猫ちゃんの場合、排便姿勢の取りにくさや、便の状態の悪化などで粗相をすることもあります。

気を付けるべきは排便量の変化もあります。

猫ちゃんは腎機能の変化により便が硬くなり、便秘になったり、一回の便量が減ったりすることがあるため、排便ができていても摂食量と排便量が見合っておらず、食欲不振などにつながる場合もあるため注意が必要です。

摂食の変化

摂食行動に関しても変化が見られます。

食べるものの好みが変わったり、食べムラがより見られる場合もあります。

高齢になるため、歯周病などの口腔内のトラブルなどにより食欲不振が見られる場合もあり、摂食の変化が体調悪化の悪化のサインの可能性もあり、注意が必要です。

また、食欲が亢進するケースもあります。

甲状腺機能亢進症も中高齢の猫ちゃんによく見られるトラブルですが、食欲の亢進や体重の減少などの変化が見られます。

食べる量や食べるかどうかだけでなく、完食するまでの時間なども観察するよう心がけましょう。

行動や遊びの変化

関節の変化や疲れやすさなどにより、眠る時間が増える、じっとしている時間が増えるなどの変化が見られる場合があります。

高いところが好きな猫ちゃんが、いつしか高いところへ登らなくなったり、飼い主さんが遊びをけしかけても遊ばなくなるなどの変化が見られることもあるでしょう。

体の不調によるものである可能性もあるため、加齢によるもののためしょうがないと見過ごさずに、気になることがあった場合はかかりつけの先生に相談することをおすすめします。

どんなことが起こる?

ベッドの上で伏せているシニア猫

加齢による生活の変化についてお話させていただきました。

しかし、生活の変化はどんな体の変化によって起こっているのでしょうか。

高齢の猫ちゃんに起こりやすい体の変化は以下の通りです。

腎機能の低下

体にはいろいろな器官がありますが、特に猫ちゃんが高齢になると起こしやすいのが腎機能の低下による腎不全です。

腎臓は代謝によって生じた老廃物を体外へ排出し、排出する尿の濃度を調節することで体内の水分量の調節を行っています。

老廃物の排出がうまくいかず、体内に蓄積して中毒症状を起こすことや、尿として水分を輩出し過ぎてしまうことによって脱水症状を起こすなどの問題が起こり得ます。

また、腎臓は造血ホルモンを分泌する器官でもあります。

そのため、腎機能の低下により貧血に陥ることもあります。

変形性関節症

加齢とともに、関節が変形を起こすことで痛みや違和感を生じる場合があります。

変形性関節症はどんな関節でも起こり得るため、様々な行動変化が見られる可能性があります。

例えば、歩き方の変化や排泄時の姿勢の変化などはわかりやすいですが、体の違和感による爪とぎの頻度の低下による爪の変形なども体の変化の一つに挙げられるでしょう。

排便量の低下なども、排泄時の姿勢の取りづらさに関連している可能性が考えらえます。

気づいた小さな変化が、実は変形性関節症による体への負担によるものである可能性もあるため、変化に気づいたらかかりつけの先生に相談しましょう。

認知症の発症

高齢になると猫ちゃんも認知症になる場合があります。

猫ちゃんはもともと夜行性であるため、昼夜逆転は気づきにくいですが、行動の変化が見られる場合があります。

意味もなくうろうろしたり、壁に向かってぼーっとしてしまったり、飼い主さんに対する反応が以前と変わったりするなどが認知症によって起こり得る変化として挙げられます。

認知症は不可逆的な脳の変化によって起こるトラブルです。

発症がわかった場合、健康な状態に戻すことは難しいですが、より健康な部分を維持できるよう、脳に良いとされる成分を摂取するなどで対策できる場合があります。

どんな対策が有意義?

食器からフードを食べている猫

加齢による変化に気づいたら、猫ちゃんも負担を感じている可能性があります。

また、さらなる変化や、変化によるトラブルも起こり得るでしょう。

より健康で快適に長生きしてもらうために、飼い主さんも対策をとることをおすすめします。

食事の見直し

加齢によって食生活も変化する可能性があります。

口腔内トラブルをもつ高齢の猫ちゃんも多く、摂食量の変化や食事そのものに対する興味が薄れてしまう場合もあるでしょう。

症状はお薬によって緩和させることもできますが、健康で活動的な体を維持するためには適切な食事をしっかりと摂ることが欠かせません。

無理せずに、必要な栄養をしっかりと摂れるごはんを選んであげましょう。

また、食事のタイミングや頻度なども、消化器に負担をかけにくいものや、猫ちゃんが食欲をわかせることのできるものに見直してあげると、しっかりと必要な栄養や熱量を摂取できる可能性があります。

生活環境の見直し

高齢になると、運動器の変化や認知機能の変化によって、行動パターンが変わる場合が多いです。

今まで高い場所にのぼれていた猫ちゃんがのぼりづらくなったり、狭い場所を好んでいた猫ちゃんが一度入った狭い場所から出られなくなってしまうなど、トラブルにつながるケースもあります。

また、認知症により不安を強く感じて鳴くようになるなどの場合もあり、今までは飼い主さんとの距離が一定だった猫ちゃんも、飼い主さんとより密接に暮らした方が安心できるという場合もあります。

猫ちゃんの様子を見ながら、猫ちゃんの生活するエリアで危険はないかどうかを確認し、飼い主さんの気配を感じられるような居場所づくりができるとより安心です。

動物病院との関係の見直し

猫ちゃんは動物病院など外へ出る子が苦手な子も多く、今まで健康だったために、かかりつけの先生はいないというご家庭もあるのではないでしょうか。

しかし、加齢とともに体の変化も起こり、今まで見られなかったようなトラブルに直面する機会も増えます。

受診の便利さや、往診の可否、猫ちゃんに特化した病院かどうかなどを判断基準として、改めてかかりつけの先生を選び、相談しやすい信頼関係を築くことも大切です。

また、猫ちゃんは高い確率で高齢になると腎臓のトラブルになることがあり、治療をする必要性もあるため、動物病院にお世話になる可能性は高いです。

健康なうちから動物病院をどのように利用するかということを見直してみることをおすすめします。

まとめ

カーペットの上で穏やかに眠る猫

飼い主さんにとって、小さいころからお迎えした猫ちゃんは、いつまでも自分の子供のように幼いままに感じてしまいがちです。

しかし、人間よりも速いスピードで歳をとり、気づけば飼い主さんの年齢を抜かしていく傾向があります。

いつまでも若々しくいてほしいという願いはもちろんあると思いますが、体は徐々に衰えが見えてきてしまうのが現実です。

老いは目を背けたくなる現実かもしれませんが、おうちの猫ちゃんが感じる負担が少しでも減らせるように、飼い主さんがいち早く変化に気づいてあげることが理想的でしょう。

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