“30年に一度”記録的な少雨で水不足…「平成の大渇水」では断水も “恵みの雨”はいつ降る?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-02-24 20:48

「30年に一度」ともいわれる記録的な雨不足。温泉施設が臨時休業するなど、観光業も打撃を受けるなか、私たちの生活を支える水瓶がピンチです。

【写真を見る】約30年前「平成の大渇水」当時のニュース映像

高知県のダムで初めて「貯水率0%」に

高柳光希キャスター:
高知県の「大渡ダム」は、高知市全体の約60%の上下水道をになっています。この大渡ダムが1月31日に貯水率0%になりました。運用が開始されてから39年間で初めての出来事だといいます。

高知市上下水道局は、2月5日時点で「ダムの水はもって1か月です」と話していましたが、そこからわずか1週間後の12日には給水制限を実施する緊急事態となっています。現在は雪解けなどにより貯水率は20%ほどまで回復していますが、依然として給水制限が続いています。

同じく給水制限が行われているのが福岡市です。大きな川がないため水不足が起こりやすく、「まみずピア」という海水を真水に変える施設があります。

この「まみずピア」をフル回転させると、1日で3万7500世帯分を生産できるということですが、それでも福岡地区の水道企業団は「3月下旬にはダムが渇水する恐れも。まとまった雨に期待」としています。

各地で「取水制限」「給水制限」 茶色く濁った水に注意

高柳キャスター:
水不足の影響は全国にも広がっています。愛知県豊橋市でも給水制限が行われており、東京でも節水の呼びかけがされているほか、熊本県天草市では「取水制限」が行われています。

「給水制限」と「取水制限」の違いとは何なのか。水問題に詳しい武蔵野大学の橋本淳司客員教授に聞きました。

▼取水制限
ダムや川などの水源から浄水場などに取り入れる水を制限。家庭の蛇口からは通常通りに水が出る。
▼給水制限
取水制限でダムの水位低下が止まらない場合に、家庭の蛇口に届く水の供給を制限。

さらに、「給水制限」には2段階あります。

▼1段階目の「減圧給水」
浄水場から家庭に水を送るポンプの圧力を10%~20%低下させます。一般家庭ではほぼ気付かないレベルだということですが、高層マンションや高台では「水の勢いが弱い」と感じる場合もあるということです。

また減圧給水で水道水が濁る可能性もあります。

白く濁った場合:空気が水に溶けているということであまり人体に影響はない
茶色く濁った場合:水道管のサビなどが水に溶け出すなどしていて、人体に影響が出る可能性もあるため、気をつけなければいけないそうです。

そして「給水制限」の▼2段階目には「時間給水(断水)」があります。1994年に「平成の大渇水」が起きた際に実施されました。

「平成の大渇水」給水制限10か月続いた地域も

今から32年前の1994年、カラ梅雨と夏の高温の影響で、全国各地で水不足になりました。

東京では日比谷公園にある噴水が止められ、プールの営業も制限されました。愛知県でも5時間断水が実施され、コンビニのトイレが利用中止に。

――中止にするんですか?
コンビニ店員
「そうですね。一応中止という形」

――5時間我慢する?
コンビニ店員
「そうですね、それしかない」
(愛知県豊橋市 1994年9月)

家庭にも影響が。地下水を汲みに来た人が行列となり、商店にはポリバケツが並びました。

福岡市内の人(1994年8月4日)
「ラップを引いた上におかずを載せたりとか。あとアルミホイルを使うように。捨ててお皿が汚れないようなことをやっている」

福岡市などでは、断水などの給水制限が約10か月続いたということです。

恵みの雨なるか?今後の天気を解説

高柳キャスター:
今回も全国各地で水不足への不安が続きそうですが、24日夜は雨が降るようですね。

坂口愛美 気象予報士:
今後の雨の予想を見ると、24日夜から次第に西日本中心に雨の範囲が広がっていきます。そして夜遅くには東日本の一部にも雨雲がかかってきそうです。

また25日になると、朝の通勤・通学の時間帯には関東地方でも広く本降りの雨となりそうです。そして関東地方は1日雨が降り続く見込みで、特に太平洋側の沿岸部中心に雨脚が強まる時間帯もありそうです。

特にダムがある山を中心に雨が降ればいいなと思いますが、どちらかというと、沿岸部中心に降る見込みで、このひと雨だけでは渇水が回復するのは難しいです。

25日は、北海道・東北北部で日差しがありますが、他は広く雨となる予想です。また予想気温は雨の影響で24日より下がる見込みです。

特に東京は予想最高気温が11℃と、24日よりも7℃くらい下がりそうで、この時期らしい寒さが戻ってきます。

そして週間予報を見ていくと、この先も曇りや雨の日が多くなっています。

26日(木)に晴れ間が戻ってきますが、27日(金)・28日(土)は再び雨、そして3月1日(日)・2日(月)は晴れて、また2日(月)から次第に天気は下り坂になり、3日(火)にかけて広く雨となりそうです。

記録的水不足なぜ起きた?低気圧をブロックした「寒気」の正体

坂口愛美 気象予報士:
なぜ今まで雨が少なかったのか。例年の冬は、発生した低気圧が日本の南を通過するときに、太平洋側でも雨が降る日があります。これが南岸低気圧です。

ただ2026年1月は、流れ込んだ寒気が例年よりも西回りで強く日本列島を覆っていて、低気圧の通過をブロックする形になりました。
これにより低気圧が日本列島に近づくことができず、遠回りをしたことで太平洋側で雨が少なくなりました。

例年、北極は寒気に覆われていますが、2026年はそこに暖気が流れ込んだことで寒気が2つに分裂しました。この分裂した寒気がそれぞれ日本、そしてアメリカ側へ行ったことで、記録的な寒波となりました。
これが次第に収まりつつあるため、徐々に南岸低気圧がやってくるようになっています。

寒気が分裂すること自体はありますが、今回は1月下旬に起きたことで影響が長続きしたと考えられます。

水不足から一転 夏は例年より降水量多めか

坂口愛美 気象予報士:
そして24日に気象庁から「3か月予報」が発表されました。このうち降水量の予報を見ると、3月~5月にかけては、今まで雨が少なかったエリアではまだ雨が少なそうです。ただ季節が移ろうにつれて徐々に解消していくのではと見ています。

また気象庁は2026年の「夏の予報」も発表しました。気温については2026年の夏も暑くなる予報で、降水量についても多くなる予報です。

そのため今は渇水が深刻になっていますが、夏はどちらかというと雨対策が必要となってきそうです。

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