新年度予算案の実質審議スタート 国会審議のカギを握る“国対”ってなに?【Nスタ解説】
国会では27日から新年度予算案の実質的な審議が始まりました。
高市総理は予算案の年度内成立を目指していますが、その鍵を握るのが、各党の「国対(コクタイ)」と呼ばれる部署。いったい、何をしているのでしょうか?
“影の司令塔” 「国対」の正体とは?
高柳光希キャスター:
27日に開かれた「予算委員会」というのは、国の予算などについて審議する場所です。
政府や議員が国会に提出した法案は、まず「予算委員会」など少人数で行う17の委員会で話し合います。この小委員会で結論が出た後、すべての議員が参加する「本会議」で議論を深め、採決します。
委員会では与野党の議員と政府側が時に激しい議論を行い、意見集約をはかっていくため、「予算委員会」はとても重要になってきます。
TBS報道局政治部 与党担当 佐藤浩太郎 記者:
この予算委員会の裏で活躍するのが「国会対策委員会(通称・国対)」です。委員会といっても「国対」は国会の組織ではなく、それぞれの政党のなかに置かれている組織です。
その役割を一言で言うと、まさに「国会運営の影の司令塔」です。
国対は、いまの国会にどの法案を提出し審議するのか、いつから審議していつ法案の成立を目指すか、などの日程を決めるなど、国会運営を与野党で円滑に行うためのいわば「根回し」部隊なのです。
「人たらし」な人が多い?歴代の国対委員長
高柳キャスター:
各党に設置されている「国対委員会」ですが、国対委員長を務めてきた人たちには、次のような人がいます。
▼自民
・大島理森氏(2000~02年など)
・二階俊博氏(2006~07年)
・岸田文雄氏(2011~12年)
・森山裕氏(2017~21年)
▼維新
・遠藤敬氏(現職)
▼中道
・安住淳氏(2022年など)
TBS報道局政治部 佐藤記者:
利害関係の調整をするという意味で非常に「調整力」が求められるポジションなので、“人たらし”な人が多い印象です。
衆院選の自民党圧勝で根回し不要に?
高柳キャスター:
実は2025年に成立した「ガソリン暫定税率廃止法案」でも、この国対が水面下で活躍をしたと言われています。
TBS報道局政治部 佐藤記者:
ガソリンの値段という国民生活に密着した法案のため、早期に成立するための道筋をつけたのが、各党の国対の責任者たちです。
日比麻音子キャスター:
しかし、先日の衆院選では与党が圧勝し、議席の3分の2を獲得しました。こうなると(国対委員長の)野党と調整する意味合いが薄れているようにも思います。
TBS報道局政治部 佐藤記者:
自民党の数がとても多い今の状況だからこそ、数の力で「強硬な進め方」をしていると思われないような配慮が必要となります。
国会を進めていくには野党との調整は欠かせません。国民からの見え方という意味でも、配慮することが非常に大事になってくると思います。
「年度内予算成立」は間に合う?鍵を握る国対の動き
高柳キャスター:
そして、27日から本格審議が始まった予算委員会ですが、予算の成立は年度内ということで、残る時間は1か月ほどです。どのような働きをしているのでしょうか。
TBS報道局政治部 佐藤記者:
国対の目下最大の課題は、高市総理が目指す「予算の年度内成立」に向けての調整です。
解散総選挙の影響で、予算審議の開始が1月から2月に後ろ倒しになっていて、例年通りのスケジュールであれば、年度内成立は到底間に合いません。また、野党側は審議時間を十分に確保するよう求めていて、簡単には折り合えそうに無い状況です。
自民党の国対は、予算委員会での野党側の質問時間を大幅に増やすことで理解を得ようとしていまして、これまでは与党と野党で「4対6」の配分が多かったのですが、今回は「2対8」まで配分を変えて臨んでいます。
ただ、これだけでは野党側は納得しない構えで、国対は今後もいくつも案を出しながら粘り強い交渉を今も続けています。
「吊るしが下りた」「お経読み」“国対用語”とは?
TBS報道局政治部 佐藤記者:
国対は職人芸というところもあって「専門用語」が多くあります。
【“国対用語”の使用例】
国対幹部A
「ようやくあの法案も吊るしが下りたね」
国対幹部B
「そうですね。いよいよ店開きだけど、初日はお経読みだけですね」
▼吊るしが下りた=委員会で法案が審議できる
▼店開き=委員会がスタート
▼お経読み=法案の内容説明
高柳キャスター:
議会の時間が限られているため、法案の内容説明を駆け足で喋ることから「お経読み」と言われているそうです。
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<プロフィール>
佐藤浩太郎
TBS報道局政治部 与党担当
国対の奥深さに迫るため日々国会の廊下に立つ