ドン・キホーテ新業態「ロビン・フッド」も参戦 スーパー戦国時代の背景にかつての“王者たち”の苦境と業態転換【Nスタ解説】
いま、小売りチェーンが相次いで「新業態」のお店をオープンしています。
首都圏を舞台とした、まさに“スーパー戦国時代”。背景に、いったい何があるのでしょうか。
【写真を見る】卵も1個から?おひとり様に適した“新業態”のスーパーとは?
スーパーも!ドンキも!新業態が続々と展開
高柳光希キャスター:
スーパー業界は新業態が続々と展開されていて、今まさに“戦国時代”の様相を呈しています。
紹介するのは、ドン・キホーテ、ベイシア、トライアルの新業態です。
▼ドン・キホーテ「ロビン・フッド」
食品強化型
「焼くだけ味付け肉」はドン・キホーテの1.5倍以上の品数を用意
「物価高で切迫する日々の暮らしを守りたいニーズをズバッと射抜きたい」がコンセプトとなっています。2027年以降に首都圏にも出店し、ゆくゆくは約300店舗を出店する予定です。
▼ベイシア「OTONARI mart」
2027年度中に都内に出店予定
納豆1パック、バナナ1本など、おひとり様を狙ったコンビニ的な店
▼トライアル「トライアルGO」
スマートレジなど、テクノロジー展開
総菜が充実
TBS報道局 経済部 藤原由季子 記者:
「OTONARI mart」を取材したところ、スーパーが少し小さくなったくらいの大きさでした。
元々「ベイシア」は40代以上の年齢層がメインでしたが、取材中には20代の夫婦や中学生などもいたので、若返りが図れそうだという手応えを感じていました。
「おひとり様がどんなシーンで食事を楽しむか」を想像できるような売り場構成も考えられているようです。
おひとり様用に精肉パックも小さく、味付けもされているため、手軽に「今日の夜買って食べようかな」というニーズにマッチすると思います。
高柳キャスター:
スーパーを選ぶ理由は、人それぞれだと思いますが、いかがでしょうか。
陸上100mハードル 元日本記録保持者 寺田明日香さん:
利便性で選びます。時間がないので“近さ”ですね。その中で安いものや使いやすいものを選んで、「今日のご飯何にしようかな」と考えてスーパーに行っています。
高柳キャスター:
井上さんは「OTONARI mart」が合うと思ってしまったんですが、どうですか。
井上貴博キャスター:
すごくいいですね。あとはポイントが貯まるかや、総菜が豊富かどうかなど、本当に群雄割拠で、「生鮮食品はここ、総菜はここ」などと使い分けてる方も多いですよね。
スーパーにとっては本当に厳しい時代だろうなと思います。
各社止まらない“新業態”への挑戦 その理由は?
高柳キャスター:
各社が生まれ変わりを図ろうとし、新業態に挑んでいるわけですが、その理由は何でしょうか。
TBS報道局 経済部 藤原 記者:
▼人口の減少、▼物価高、▼ライバルの出現と、大きく分けて3つあります。“三重苦”というような状況になっていると思います。
1つ目の人口の減少は、長く言われている部分であり、スーパーだけでなく、様々な業界で負担を抱えているところが多いと思います。
買うお客さんは減っている一方で、従業員を雇うコストが上がることで、なかなか雇えなくなっていくという状況があります。
そして、2つ目は物価高です。価格競争が激化し、少しでも高くするとお客さんが離れてしまいます。節約意識も高くなり、お客さんの目がよりシビアになっていて、「同じお金を払うなら、より新しいモノ、より価値のあるモノ」を求めるようになっています。
3つ目は、ライバルの出現です。新業態が続々と出る中で、ドラッグストアなどスーパーだけではないような業態も食品を売り始めており、ライバルがどんどん増えていくという厳しい状況にあります。
かつての“王者たち”は今…
高柳キャスター:
今の時代にフィットしていこうと各社しのぎを削っています。
かつての“王者たち”、総合スーパーは今どういう状況なのでしょうか。
【総合スーパーの状況】
▼イトーヨーカドー
米投資会社のもと専門事業切り離し
2025年から食品・医薬品に完全シフト
▼SEIYU
トライアルのもと続々と改装中
AIやテックで生まれ変わり図る
▼ダイエー
関東では屋号消滅へ
「イオンフードスタイル」に変え、総合スーパーから食品スーパーへ
TBS報道局 経済部 藤原 記者:
いま、本当に直近で起きているような変化です。
この3社は1980年代に売り上げ1位、2位を争うような、誰しもが知るスーパーでした。そのような総合スーパーがいま、あらゆる業態の転換をせざるを得ない状況に追い込まれているということです。
「“食”だけでは戦えない」今後の勢力図は?
高柳キャスター:
今後、スーパーの勢力図はどう変わっていくのでしょうか。
TBS報道局 経済部 藤原由季子 記者:
イオン系の食品スーパー「まいばすけっと」は、イオンのPB(プライベートブランド)なども売っていると思います。
そして「トライアルGO」では、顔認証のレジなど、すごくテックが進んでいて、若年層にも受け入れられるような総菜やボリュームのある安い商品なども展開しています。
こうした流れを受け、コンビニ各社もアパレルやクレーンゲーム、パウダールーム、試乗体験など、“食”ではないものをサービスとして展開しています。
このようにお客さんの心を掴むようなサービスを拡大させている中で、今後、食を武器にしてきたスーパーがどういった武器を持って展開していけるのか。この首都圏という厳しいエリアの中で、どう差別化していくかというのが問われていると思います。
井上キャスター:
どういう武器で戦っていくのかはスーパーだけではなく、テレビやアスリートもそうだと思います。
寺田さんは100mハードルを軸にしながら、ラグビーなどもやって、色々模索しながら「自分の武器って何だろう」と考えるという点では近いところがあると思います。
陸上100mハードル 元日本記録保持者 寺田明日香さん:
やはり他のところが持っていないものを使わなければいけないので、そこをどう差別化していくかというのはすごく難しいところではあると思います。
ただ、それは情報をキャッチするとかニーズを考えていくとか、そういうところに繋がっていくのかなと思い、色々な経験をさせていただきました。
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<プロフィール>
藤原由季子
TBS報道局 経済部
コンビニ・スーパーなど流通業界を中心に取材
寺田明日香さん
陸上100mハードル 元日本記録保持者
東京五輪で準決勝進出
“ママアスリート”の先駆者