4月に急増する「謎の胃痛・下痢」 新生活ストレスが胃腸を壊しやすい理由を専門医が解説

2026-03-17 18:00

新しい職場、新しい環境。4月はわくわくする季節でもあるが、気づかないうちに体は悲鳴を上げている。「新生活が始まってから、なんとなく胃の調子が悪い」「原因不明の下痢や腹痛が続く」——そんな経験はないだろうか。消化器内科の現場では、この時期に胃腸トラブルを訴える患者が急増するという。なぜ春に胃腸は乱れるのか。天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長の安江千尋先生に詳しく話を聞いた。

診療現場で実感する「春の胃腸トラブル」急増

4月の外来では、胃痛・胃もたれ・食欲低下・吐き気といった上部消化管の症状に加え、下痢・便秘・腹部膨満感を訴える患者が目に見えて増えると安江先生は話す。

「新しい職場に配属されてから胃が痛くなった、引っ越して生活リズムが変わってからお腹の調子が悪い、という相談はこの時期に特に多くなります。本人が『ストレスを感じている』と自覚していないケースも少なくありません」

春は進学・就職・異動・転勤など、生活環境が大きく変わるタイミング。さらに寒暖差が激しく、体が環境に適応しようとするだけでも、自律神経はフル稼働状態となる。食事時間の乱れや外食・飲酒機会の増加も重なり、胃腸へのダメージが蓄積しやすい季節でもある。

ストレスが「胃腸」を直撃するメカニズム

なぜメンタルの問題が胃腸に出るのか。そのカギを握るのが「自律神経」だ。

自律神経は「交感神経(活動・緊張)」と「副交感神経(休息・リラックス)」の2つから成り立っており、胃腸の動きはこのバランスによってコントロールされている。リラックスしている状態では副交感神経が優位になり、消化・吸収がスムーズに進む。一方、強いストレスや緊張状態が続くと交感神経が優位になり、胃の動きが鈍くなって胃もたれや胃酸分泌の乱れが起きる。

「腸は『第二の脳』とも呼ばれるほど神経細胞が豊富です。脳と腸は『脳腸相関』という仕組みで密接につながっているため、ストレスが脳に加わると、その信号が直接腸に伝わり、下痢や便秘として現れます。緊張するとお腹が痛くなる経験、多くの方に心当たりがあるはずです」(安江先生)

さらにストレスは腸内細菌のバランスも乱し、腹部膨満感やガス、便通異常を起こしやすくする。ストレスは「神経系」「腸の動き」「腸内環境」という複数のルートを通じて、胃腸の不調を引き起こすとのこと。

春に悪化しやすい「IBS」「機能性ディスペプシア」とは?

検査をしても異常が見つからないのに、胃腸の不調が長く続く——そんな場合に疑われるのが「機能性ディスペプシア(FD)」と「過敏性腸症候群(IBS)」。

FDは胃の不調が中心で、みぞおちの痛み・胃もたれ・食後の膨満感・早期満腹感が主な症状。IBSは腸の働きに関する症状が中心で、腹痛・下痢・便秘を繰り返すのが特徴とのこと。

「どちらも、ストレスや自律神経の乱れが深く関係しています。新生活の春はこれらの症状が新たに現れたり、悪化したりするケースが増えます。こうした症状は決して珍しいものではなく、適切な治療と生活習慣の見直しで改善が期待できます」と安江先生は言う。

今日からできる!胃腸を守るセルフケア5つ

安江先生が特に大切だと話すのは「自律神経のバランスを整える生活習慣」だ。


①規則正しい食事 朝食をとることで胃腸が目覚め、体内時計も整う。脂っこい食事・刺激物・アルコールは控えめに。よく噛んでゆっくり食べることも消化の助けになる。

②腸内環境を整える 食物繊維や発酵食品(ヨーグルト・味噌・納豆など)を取り入れ、善玉菌を増やす習慣をつけよう。

③睡眠の質を上げる 毎日同じ時間に就寝・起床することが理想。寝る前のスマホは交感神経を刺激するため、就寝1時間前はリラックスタイムに充てると良い。

④軽い運動を取り入れる ウォーキングなどの有酸素運動は腸の動きを促し、ストレス軽減にも有効。長時間の座りっぱなしも避けたい。

⑤ストレスをため込まない 新しい環境では無理をしがち。自分なりのリラックス方法を持ち、適度に休息をとることが胃腸トラブルの予防につながる。

こんな症状が出たら早めに受診を

「胃腸の症状は『よくあること』と我慢してしまう方が多いですが、症状が2週間以上続く場合は一度医療機関に相談してください」と安江先生は強調する。

特に、血便・黒い便・体重の急な減少・発熱を伴う腹痛・食事がとれないほどの吐き気がある場合は早急な受診が必要だ。これらは胃潰瘍や炎症性腸疾患、まれに消化器がんのサインである可能性もある。

また、40歳以上の方や、これまで胃カメラ・大腸カメラを受けたことがない方は、この機会に検査を検討することを安江先生はすすめている。

「検査で原因をしっかり確認することが、安心への第一歩です」

新生活のスタートは、体も大きな変化の只中にある。胃腸の不調を「気のせい」と片づけず、体からのサインとして受け止め、早めのケアを心がけたい。

取材協力
天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック
https://www.tennoji-naishikyo.com/
院長 安江 千尋 先生(消化器内科専門医)
日本消化器病学会 専門医・指導医 / 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医 / 日本内科学会 総合内科専門医

  1. 新宿の飲食店で「はしか」集団発生 従業員9人発症 うち1人が入院 都内の今年の感染は34人で去年1年間の患者数に並ぶ 東京都
  2. 紀子さま 愛媛訪問 総裁を務める「結核予防会」の集会に出席
  3. 【自民・維新党首会談】議員定数削減法案の今国会での成立目指す方針確認 連立合意文書における政策実現に向け意見交わす
  4. 【異例】2020年に妻を殺害したとして夫を起訴 処分保留で釈放から5年 東京・国立市
  5. 来週23日からサービス開始の「荷物専用新幹線」の訓練公開 車両の座席をすべて取り除きこれまでに比べ5倍の輸送力に 盛岡から東京へ平日1本運行
  6. 動物病院で『耳がキレイ』と褒められた2匹の犬→一度もお手入れしたことないのに…『まさかの理由』が53万表示「食べる勢いで笑った」の声も
  7. 【i☆Ris・茜屋日海夏】カミソリで指を切り縫合を報告「焦っています」「皮膚科に行くべきですか?」
  8. ペットドアをくぐって愛犬が帰宅したと思ったら・・。小さなお客さんを連れてきた!?【アメリカ・動画】
  9. 姉に『1万円を貸した』結果→ダラダラしていたら『犬』が近づいてきて…思わず吹き出す『衝撃の返金方法』が252万再生「優秀w」「プロで草」
  10. 卵の価格が鳥インフル影響などで最高値更新 1パックあたり309円
  1. 【 二瓶有加 】「ふざけんな」飛行機で痴漢に遭遇 怒りのまま40分間〝ガン見〟し続けた一部始終
  2. トランプ大統領 イラン攻撃めぐり「ある大統領経験者と話した」と発言も…大統領経験者は“全員”否定
  3. 白血病患者に抗がん剤注射 10代男性1人死亡・2人重体 別の患者2人も神経症状を発症 埼玉県立小児医療センターが会見
  4. “オバマ元大統領の再来”米民主党・タラリコ氏 「愛」語る演説でリベラル政策掲げる 対照的なトランプ大統領は中間選挙で警戒
  5. 「怒らせれば仕事がなくなると思い抵抗できず」ジャングルポケット元メンバー・斉藤慎二被告の裁判で被害女性が証言 ロケバスの車内で性的暴行か
  6. トラックが中学生くらいの男の子はねる 搬送時に男の子は意識あり 東京・台東区
  7. 〝死にかけました〟【 高木里代子 】ライブ中に救急車も最後まで決行「一生忘れられない九州ツアー」現在は〝15時間寝て復活〟
  8. 【 紗綾 】第二子出産を発表「たくさん笑いながらとても和やかで幸せな時間でした」 夫や娘らも駆けつけた当時の様子も
  9. 重たそうに大きな袋を運び…防犯カメラが捉えた犯行直後の様子 都営アパートから水道メーター窃盗か 60代の男2人逮捕 同アパートでは“被害50件以上”確認
  10. 処分保留で釈放から5年後の起訴は異例 2020年に東京・国立市で当時41歳の妻を殺害したとして夫を殺人罪で起訴 東京地検立川支部
  11. 「突然高波がきて…」当時は波浪注意報も 第三者委員会立ち上げ事故検証・管理体制見直しへ 沖縄・辺野古沖で船転覆 修学旅行中の女子高校生ら2人死亡
  12. 【 保科有里 】自身の愛車に複数の“ひっかき傷”が「写真のようにギーと」画像と共に報告