田中希実が「異次元」と称賛の12歳・村山玲奈 小6で3000mは高橋尚子さんの高校時代のベスト超え、目標は「日本記録」

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-03-31 17:00
田中希実が「異次元」と称賛の12歳・村山玲奈 小6で3000mは高橋尚子さんの高校時代のベスト超え、目標は「日本記録」

「異次元」と日本記録保持者の田中希実(26)が表現し、シドニー五輪マラソン金メダリストの高橋尚子さんをも「信じられない」と驚嘆させた小学生がいる。徳島県に住む村山玲奈(北島小6年)だ。1000mが2分54秒82、3000mは9分28秒04。この記録を見て、誰が小学生の記録だと信じるだろうか。彼女は日本中長距離界の常識を覆すかもしれない。

【写真で見る】村山選手と陸上一家

25年度は小学生に素晴らしい記録が見られた。11月2日に男子100mで目野惺大(福岡・御井小6年)が11秒63、女子100mでは平田キトゥン奈桜実(香川・川島小6年)が12秒33と共に小学生最高記録をマークした。同じ月の15日に玲奈さんは、1000mで2分54秒82。1週間後の22日(ナイタートライアルin屋島)では3000mで9分28秒04というタイムを出している。各競技会の記録を集計する陸上競技マガジン記録部によると、1000mは小学生最高、3000mは25年度の中学生最高記録9分30秒12を約2秒上回るタイムだ。

この玲奈さんのタイムに東京世界陸上代表の田中は、「異次元の感じ」、同じく代表で徳島・鳴門市が練習拠点の小林香菜(24、大塚製薬)は「徳島県の小学生ですか!?やばいですね!」と目を丸くする。

シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんも、自身の高校時代のベストタイム(10分13秒)を小学生の玲奈さんが優に超えていることに驚きを隠せない。高橋さんは玲奈さんのフォームについて、「大きく腕をしっかり使って、足のキレもあって、躍動感がある。上半身と下半身の連動もあって、ほぼ完成された走り」と最大級の賛辞を贈っている。

「陸上一家」のサラブレッド

玲奈さんは徳島県の徳島市と鳴門市に隣接する板野郡北島町出身。父・竜也さんと母・広恵さんは共に元実業団の選手で、兄・龍輝さん(高2)と姉・莉菜さん(中1)は現役の陸上部だ。生まれた時から陸上が身近にあった玲奈さんは、兄・龍輝さんの練習や大会を見た事がきっかけで、小学3年から本格的に競技を始めた。現在は父の指導のもと、週3日、兄や男子中学生と一緒に練習に励んでいる。元大塚製薬の陸上部で、2002年にスリランカのコロンボで行われたアジア選手権に3000m障害の日本代表として出場した父の竜也さんは、娘について「回転のリズムの速さとか足の運びとかは一番理想的に近い」と語る。早すぎる成長は、時に大きな故障にも繋がりかねない。竜也さん自身が選手時代に出来なかった反省や経験を指導の中でいかしている。

竜也さん:僕は長いジョグとか基礎的な練習が嫌いで、インターバルや試合が好きでした。それだけでも積み重ねられますけど、土台がないとすぐ崩れるなという。ゆっくり長く走れれば、基礎体力がついて練習で余裕度が出てくるので、スタミナがつくような状態を意識しています。自分ができなかったことをやれば強くなるだろうという思いはありますね。嫌々やったら続かないと思うんですけど、でもそれはなくて、楽しくやっているから、良かったなと思います。きついときはちゃんと話し合って、「今どこか悪い?痛い?」と聞いたら「違和感がある」「じゃあやめとけ」とすぐにやめさせる状態でやっているので。周りから見たら、もうがんじがらめで練習も厳しくて食事制限もしているレベルだろうと思われている時もありますけど、全然です(笑)。

走るモチベーションについて、玲奈さんは純粋な喜びを口にする。 

玲奈さん:陸上は自分との戦いです。速く走りたいという気持ちがあるし、大会で自己ベストが出たときに、家族や周りの人から褒めてもらったときが嬉しいです。
練習後のケアは、父からアドバイスをもらいながら、自身で考え、柔軟体操やマッサージをかかさずに行っている。競技から離れれば、食べたいものを食べて、ダンスの動画を見て踊って楽しむ普通の小学生らしい姿も。ちなみに好物は、唐揚げとコーラ味のグミ、果物ではマンゴー、パイナップル、みかんやいちごが大好きだそうだ。

憧れの背中を追いかけて。将来は「世界」へ

2024年10月20日に香川で行われた記録会。玲奈さんは、田中が2000mの日本記録(5分40秒89)を出したレースを目の前で見た。その時にもらったサイン色紙は一生の宝物だ。「ラストスパートがキレるような走りで走っていて、日本記録が出た時は心がドキドキしました。優しい感じでサインをしてくれました」と嬉しそうに語る。

父・竜也さんも娘の未来に大きな期待を寄せる。

「自分の思っている記録を超えていったら、その先に田中希実さんの日本記録がある。『記録を抜きます』と田中希実さんに直接言っているんですよ。今のレベルでは遠いけど徐々に近くなっていったときに、そこで初めて田中さんが意識してくれたら面白いなと思いますね。ライバルじゃないけど意識してくれると、玲奈も嬉しいと思うので」

その田中選手からは「純粋に速く走るのを楽しんでいってほしい」というサプライズの応援メッセージ動画が贈られた。玲奈さんは顔をほころばせ「有名な人からもらったメッセージがとてもうれしかった。楽しんで陸上の大会や練習でも頑張って、憧れられる選手になりたい」と決意を新たにした。

未来の自分へのメッセージ

今月17日に6年間通った北島小学校を卒業し、4月からは中学生になる。「世界陸上やオリンピックに出て世界の人たちと戦って、誰にも抜かれないすごいタイムを出したい」自らの限界に挑み続ける彼女の目はすでに日本のトップ、そして世界へと向けられている。

「陸上頑張っていますか? 私は今、オリンピック、世界陸上を目指して自分と戦っています。これからも陸上を楽しむ気持ちを忘れずに、走り抜けてください」

最後に、未来の自分へメッセージを残した。この言葉が現実になる日は、そう遠くないはずだ。

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