「本屋大賞」に朝井リョウ氏、初版12万部の国宝図鑑や「子供の犯罪図鑑」がヒットする理由【Nスタ解説】
全国の書店の店員さんが一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」が発表されました。「読書離れ」と言われる中、本を読んでもらうための新たな取り組みも始まっているようです。
「本屋大賞」朝井リョウさんが受賞
井上貴博キャスター:
4月9日に「2026年本屋大賞」が発表されました。全国490書店の書店員698人が「最も売りたい」「おすすめしたい」という本に投票します。
大賞を受賞したのは、朝井リョウさんの「イン・ザ・メガチャーチ」。推し活を土台とした経済圏・「ファンダム経済」を舞台に、世代や立場が違う3人の視点に迫った社会派エンターテインメントの作品とのことです。
年間24冊で月給1万円アップ 会社で読書を後押しの取り組みとは?
井上キャスター:
「読書をしない人が増えている」と言われているなか、読書を後押しする取り組みを行っている会社があります。
山梨・甲斐市にある、プリントグッズなどを販売している会社「フォーカス」です。
▼800字以上の読書レポート提出する
→3000円の手当が支給
▼年間24冊以上のレポート提出
→月給1万円アップ
年間最多レポート受賞者は、月平均6冊、つまり年間72冊読んでレポートを提出したそうです。
受賞者は「初めは『家庭にまで仕事が侵入してくる』と身構えた。『論理の体力』を鍛えることで、説明や対話の質が向上した」と話していました。
仕事がスピードに追われると、思考は短距離走になってしまう。安易な結論に飛びやすくなってしまう。しかし、他者の論理をじっくりたどることで、思考を長距離走に戻すことができました、とのことでした。
初版で12万部 ヒット連発の今の「図鑑」とは?
井上キャスター:
出版不況と言われているなか、今「図鑑」が人気を博しています。「小学館の図鑑NEOシリーズ」は、累計1600万部を突破しました。
中でも特に話題になっているのが、「はじめての国宝」(2700円)です。
1~2万部売れたら「売れた」と言われている中で、初版で12万部と異例の売り上げです。
中を見てみますと、例えば…
▼千手観音の解体写真の見開き
図鑑のために解体したわけではなく、披露する場があり、それを写真に収めたもの。「綺麗な形で見ていただきたい」との思いから掲載。
▼屏風や像などを原寸大写真
等身大で載せることで、実際の大きさを伝えることができる。
そのため、細部も綺麗にこだわって写真で再現。スマートフォンで拡大しても分からないこと、この図鑑にしかないものを掲載。
出水麻衣キャスター:
2700円は1冊としては高くても、一生ものの知識と考えたらお手頃かなと思いました。
「どんな法律に当てはまる?」小学生あるあるを図鑑で…
井上キャスター:
このような図鑑もあります。
金の星社から出版された「それ犯罪かもしれない図鑑」。
小学生あるあるが“どんな法律にあてはまるか”を解説した本だそうです。
例えば、このような内容が書かれています。
▼人の家にボールが…とっちゃえ!
→「住居侵入罪」
詳細内容には、「住居侵入罪」とは何なのか、「私有地」とは何なのか、なども教えてくれます。
▼絶対にいわないでっていわれたんだけど…
→「プライバシー権の侵害」
プライバシー権の侵害をどこからどう判断するのかという線引きなども書かれています。
▼SNSのアイコン?もちろん推しの写真
→「著作権法違反と肖像権・パブリシティ権の侵害」
推し活を進めていく上で、気をつけたいことも言及されています。
▼ドリンクバー、注文してないけど……
→「詐欺罪」
こういったことを、子どものうちから知っておく。日本のルールはこうなんだと知ると、将来、法律家や政治家になりたいと思うきっかけになるかもしれませんね。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年