高市総理「もう時代は変わった」“殺傷力ある武器輸出”解禁 防衛政策の大転換に歯止めは?【サンデーモーニング】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-04-26 14:00

戦闘機に戦車、護衛艦に潜水艦。日本はこれまで、こうした殺傷能力のある武器を輸出することはできませんでしたが、これからは原則、輸出できるようになりました。政府は何を期待し、具体的にどんな武器輸出を目指しているのでしょうか。そして、どのような課題や懸念があるのでしょうか。

【写真を見る】終戦以降の歴代内閣 武器輸出への姿勢

武器輸出の解禁理由は南シナ海の領有権と「日本経済の成長」?

政府が武器輸出を解禁した理由は主に2つ。

1つ目は、同志国などの抑止力の強化です。今、日本が同志国と位置づけるフィリピンは護衛艦の購入を検討していて、ゴールデンウィークに小泉防衛大臣が現地でトップセールスを行う予定です。

フィリピンは、南シナ海の領有権をめぐって中国と対立しています。護衛艦を売ることでフィリピンの中国に対する抑止力を高めたいというわけです。

2つ目は、国内生産力の確保です。武器をたくさん売れば生産能力が上がり、長く戦えます。また、高市総理は「私たちの身のまわりには、防衛産業から生まれたもので便利になったものがたくさんある」と語っていて、輸出解禁で市場を広げることで、AIや量子コンピューターなど軍事にも民間にも使える技術力を高め、日本経済の成長につなげたいとしています。

「平和国家」を掲げてきた日本の武器輸出の変遷

第二次世界大戦で敗れた日本は「平和国家」を目指す方針を掲げてきました。

終戦直後は日本を占領していたGHQによって武器の製造が禁止されましたが、1950年に朝鮮戦争が始まるとアメリカ軍の弾薬などを作り始めました。しかし、ベトナム戦争の反戦ムードが高まった1967年、佐藤内閣は「武器輸出三原則」を定め、旧ソ連など共産主義国への輸出を禁止しました。

さらに1976年の三木内閣は、すべての国への武器輸出を禁止しました。大きく変わったのが2014年の第2次安倍内閣です。「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の戦闘に関わらない5つの類型に限って輸出を解禁したのです。

ただし、輸送機や監視レーダーなど、直接人を傷つけない装備に限られていました。今回、高市政権がこの5類型という縛りを撤廃したことで、あらゆる武器が原則として輸出できるようになったのです。

「もう時代が変わった」武器の輸出も“平和国家の理念は堅持”

武器の輸出は4人の大臣で作る「国家安全保障会議」が審査して決定します。野党側は歯止めが必要として、一定の金額を超える場合は国会への事前通知を義務化するよう求めましたが、政府は決定した後の“事後通知”にとどめました。これで歯止めが機能するのかは不透明です。

50年前、武器の輸出を全面的に禁止した三木内閣で外務大臣だった宮沢元総理は国会で「わが国は兵器を輸出してお金を稼ぐほど落ちぶれていない。もう少し高い理想を持った国であり続けるべきだ」と答弁しました。

これに対し、3月、見解を問われた高市総理は「もう時代が変わった。産業につなげお金を稼ぐことは落ちぶれたことだとは思わない」と答えました。

半世紀で大きく変わった日本の防衛政策。それでも高市総理は「平和国家の理念は堅持する」としています。

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