5,000点・総額約5億円の宝石が集結! 「KISHUN AUCTION」公開イベントで新たな市場が始動
宝石に「価値がない」とされる瞬間は、本当に存在するのでしょうか。
2026年4月28日(火)、株式会社貴瞬本社にて開催された「KISHUN AUCTION」メディア公開イベントが開催されました。
約5,000点・総額約5億円規模の宝石が一堂に集まり、参考価格の提示や真贋証明付き、指値制限なしといった透明性の高い仕組みを備えた新たなオークションが始動。
“無価値という言葉を世界から無くす”というビジョンのもと再設計された本取り組みは、宝石流通の在り方にどのような変化をもたらすのか。その現場の様子をレポートします。
原点は、あの日の熱狂、業界の未来を問い直す『価値の再定義』への挑戦
業界の第一線で活躍するプロフェッショナルを前に、「少し緊張しています」と率直な胸中を明かして挨拶を始めた、株式会社貴瞬の代表取締役・辻瞬氏。
辻氏の原点は、20代の頃に初めて足を踏み入れたオークション会場にあります。「会場の端で感じた皆さんの熱狂、あの時の興奮は今も忘れられません」。その原体験を糧に歩み続け、ついに自社でこの場を実現させたことへの誇りを言葉に滲ませました。
かつて約3.6兆円を誇った宝飾市場は、現在約1兆円規模へと推移しています。しかし、辻氏はこの現状を「衰退」とは断じません。「日本が誇る品質、流通の透明性、そして信頼性は、今なお世界最高峰にある」。そう断言し、業界を支えてきたプロフェッショナルたちへ深い敬意を表しました。

本プロジェクトの核に据えるのは、リユースを通じた「価値の再定義」です。「単なる売買に留まらず、価値を見つめ直し、再び世の中へと繋いでいくことこそが我々の使命」。日本のジュエラーだからこそ成し遂げられる挑戦であると決意を強調し、最後は力強い言葉で締めくくりました。
「本日のオークションが、新たなフェーズの幕開けとなることを確信しています。」
会場からは大きな拍手が起こり、その言葉に応えるように温かな空気が広がっていきました。
透明性で塗り替える宝石オークションの常識

今回のイベントで注目を集めたのは、従来の宝石オークションの常識を覆す「圧倒的な透明性」です。価格の不透明さや専門性の高さから閉鎖的になりがちだった市場に対し、全商品への参考価格表示と鑑別書の付与を徹底。さらに指値制限を設けず、初回手数料を無料にするなど、参加へのハードルを極限まで下げています。
この開放的な仕組みを支えるのが、貴瞬独自の「一貫体制」です。買取から鑑定、再研磨、販売までを自社で完結させ、中古宝石に新たな価値を付加して流通させる。この自社完結のサイクルがあるからこそ、高い信頼性と誰もがアクセスできる市場の両立を可能にしています。 さらに、初開催にして約5,000点・総額約5億円規模という圧倒的スケールも大きな特徴です。今回はリアル会場での開催となり、参加者同士がその場で価値を見極めていく取引が行われました。今後はオンライン展開も予定されており、さらなる広がりが期待されます。
会場で体感する“競り”の臨場感が市場を動かす
イベントの目玉として行われたオークションの公開。

競りが始まった瞬間に会場を包み込んだのは、静寂の中に火花が散るような、手競りならではの濃密な緊張感でした。競りの掛け声とともに、わずかな手の動きが次の価格を決めていきます。

エメラルドやサファイアといった色石がテンポ良く競り落とされていくなか、会場の温度が一気に上がったのはダイヤモンドのセクションです。場内のあちこちから次々に手が上がり、一歩も引かぬ粘り強い競り合いが展開されました。

リアルの場でしか生まれない緊張と熱量が、デジタルな数字だけでは測れない「真の価値」を形作っていきます。
今回の成功を受け、今後は対面とオンラインを融合させたハイブリッドな展開も予定されています。伝統的な手競りのダイナミズムを、テクノロジーによってどう世界へ広げていくのか。オンライン展開への期待も高まる、新時代の市場の姿がそこにありました。
宝石流通の未来を塗り替える、「無価値」への挑戦

閉鎖的になりがちな宝石流通に対し、KISHUN AUCTIONは「透明性」と「開放性」で挑みます。参考価格の提示やオンライン化は市場の裾野を広げ、国内外のバイヤーを繋ぐことで、これまで見過ごされてきた価値を再評価するダイナミックな循環を生み出します。
「無価値という言葉を世界から無くす」――。
このビジョンは、単なる競りの場を超え、流通のあり方そのものへの問いかけです。
価値を見つめ直し、新市場を切り拓く大きな一歩となった今回のイベント。業界の未来を占う変革の象徴として、今後の展開に期待が高まります。