高市政権発足から半年 外交実績で見えた“日米一本足”も…深まるチャイナリスク 問われる“バランス外交”【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-04-30 20:56

政権発足から半年。半年で挙げた成果、そして見えてきた課題が浮き彫りとなってきました。

【写真で見る】高市政権発足から半年の出来事 二度の日米首脳会談のほかにも…

“高市流”の成果は? 初対面の首脳には挨拶回り、半年で二度の日米首脳会談

井上貴博キャスター:
高市政権の半年を振り返ります。

【2025年】
●10月21日:政権発足
●10月26日:日本・ASEAN首脳会議
●10月28日:日米首脳会談
●12月16日:補正予算成立

【2026年】
●1月13日:日韓首脳会談
●1月23日:衆院解散
●2月8日:投開票・圧勝
●3月19日:日米首脳会談
●4月7日:予算成立
●4月8日:イラン大統領と電話会談

やはり内政が安定すること、支持率が安定することが外交の力になるといわれています。

TBS報道局 政治部 大室裕哉記者:
高市氏が総理に就任する前から、日本・ASEAN首脳会議や全体の会議は予定としてもともと決まっていました。首脳会談もそうですが、「高市総理だから参加した」というわけではありません。

高市総理には外務大臣や外務副大臣の経験はないですが、いち議員だった頃から「総理になったら、初めて会う首脳に対しては、まずぐるっと一周回って挨拶するんだ」と話していました。外交デビューとなった日本・ASEAN首脳会議でも、会場に入るや否や、各国の首脳に挨拶をして回っていたのが印象的でした。

井上キャスター:
とにかく自分から挨拶に回るんだ、という姿勢ですね。

あと大きかったのは、二度の日米首脳会談でしょうか。

政治部 大室記者:
2025年10月の日米首脳会談は、党内から成功という声もあったと思います。

一方で2026年3月の日米首脳会談は、もともと議題として想定されていなかったイラン情勢が最重要議題に上がってきてしまいましたが、高市総理は無事に乗り切りました。

首脳会談の同席者によると、▼アメリカが世界で孤立しそうな状況で唯一寄り添う姿勢を見せたこと、▼歴史的な選挙の勝利を遂げた強い総理という2つの要素が日米首脳会談を成功に導いたということです。

トランプリスク下で高まる日本の存在感 G7と米国の「橋渡し役」へ

井上キャスター:
トランプ政権がG7との協調を重視しない中で、G7各国は日米同盟を組む日本と経済安全保障など横の連携を重視しようとしています。

G7各国とアメリカのあいだに入って、イランとの結びつきを修復していくという点で、アメリカとのパイプは重要になってくるのでしょうか。

政治部 大室記者:
ドイツ以外のG7各国も高市総理に会いに日本に来ています。

G7は中国の動きも気にしているため、中国を訪問したあとに日本を訪れるケースが多いです。

アメリカが西半球「ドンロー主義」を宣言し、G7諸国と距離が空いてしまっている現状を踏まえると、アメリカと強固な関係を築いている日本は橋渡し的な役割が期待されているとも考えられます。

井上キャスター:
“トランプリスク”といわれる状況の中、そのリスクと対峙する上で日本がキーマンになっているということですね。

もう一つ外せないリスクは、チャイナリスクです。

「日米一本足」な高市外交 深まるチャイナリスクと見えない関係改善

井上キャスター:
2025年11月、台湾有事をめぐり、国会で高市総理から「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば存立危機事態になりうる」という発言がありました。
その発言を踏まえ、中国は日本産の水産物の事実上の輸入停止という対応に踏み切りました。

最近の事例だと、4月21日に防衛装備品輸出の大幅緩和が決定し、殺傷能力がある武器を輸出できるようになりました。これを受け、中国政府は「軍国主義の復活だ」と批判しています。

これらの日中の動きに対して、世論も賛否両論あります。日本の国民を守るためには当然だという意見もある一方、この言動によって経済が停滞した現状を指摘する声も上がっています。
対中国について、高市総理はどのような姿勢をとっているのでしょうか。

政治部 大室記者:
現状、官邸としては表だって中国との関係改善に動く様子は見られません。

これに対し、ある閣僚経験者は「中国は日本にとって最大の貿易相手国なので、中国とより上手く関係を築かないと日本は損をする」と話していました。

実際、高市総理に会いに来るのは外務省の官僚が多いことからも、高市総理の頭の中は外交、特に中東情勢に伴う対応がまず第一にあると思います。

井上キャスター:
ここまで外交を中心に見てきましたが、この半年の高市外交をどのようにお考えですか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
一言でいえば、“日米一本足打法”です。日本にとって安全保障はアメリカ、経済は中国が非常に大きな相手ですが、残念ながら中国との関係は相当悪い状況になっています。

中国からは今「日本は軍国主義になっている」という批判が出ているくらいで、これは高市さん自身の発言で起きた事態です。そのため高市さんが収拾すべきなのですが、自ら積極的に収拾に動くという姿勢が見られません。その結果、このような事態を招いているわけです。

ちなみにイギリス、フランス、ドイツも中国との首脳会談を最近続けています。他国はアメリカと同盟関係にあっても、中国とバランスを取っているのに対して、日本はバランスを取る外交ができていないというのが現状だと思います。

高市総理が謳った「君子豹変す」の真意とは?

政治部 大室記者:
高市総理が総理になる前、大事にしていると話していた言葉が「君子豹変す」です。トップリーダーは一度決めたことであっても、いろんな人の意見を聞いて、説明をして判断を変えることもあると高市総理はおっしゃっていました。

国民会議では今、消費税が0%になるのか1%になるのか、減税をやらないのかということが議論されています。国民会議で衆知を集めた結果、高市総理がどういった決断を下すかは、この「君子豹変す」という言葉にヒントがあるように思います。

井上キャスター:
「君子豹変す」は松下幸之助さんの考え方でもあると思いますが、もちろん、その時々で考えが変わることは仕方ないかもしれません。ただ、それをしっかりと説明する責任が政治家の皆さん、特に総理大臣にはあるものだと感じます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
「君子豹変す」はおそらく、靖国参拝のことを念頭に言っているのだと私は理解しています。高市総理は「靖国参拝に行きます」と言っているので、今年の8月に行くのか行かないのかを考えているのだと思います。

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<プロフィール>
大室裕哉
TBS報道局政治部 官邸担当
高市総理就任前から取材 趣味はMLB観戦

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

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