鹿児島高専が奄美で届けた“学ぶ楽しさ” 親子約400名がSTEAM体験に参加

2026-05-25 08:00

子どもの頃に体験した「楽しかった」は、その後の興味や将来につながることがあります。
実際に手を動かしながら学ぶ“ものづくり”や科学体験には、教科書だけでは伝わらない面白さもありそうです。

鹿児島工業高等専門学校(鹿児島高専)は、奄美で開催された「ハアサキこどもの日フェスタ」に初出展し、紫外線を学べるキーホルダー作りや、消波ブロックの効果を体験できる講座など、親子で楽しめるSTEAM教育の体験ブースを展開しました。会場には約400名の親子が訪れ、学生たちと交流しながら科学やものづくりに触れる時間が広がっていたようです。

今回印象的だったのは、単なるイベント参加ではなく、「子どもたちに科学の楽しさを知ってほしい」という思いが活動全体から伝わってくる点です。鹿児島高専では、小中学校への出前授業や地域イベントへの参加なども継続して行っており、地域に根ざしながら未来の技術者を育てる取り組みを続けています。

今回はそんな鹿児島高専の活動や、奄美で行われたSTEAM教育体験の様子について紹介します。

奄美の親子約400名が参加 鹿児島高専がSTEAM体験ブースを初出展

ゴールデンウィーク中の奄美で開催された「ハアサキこどもの日フェスタ」は、親子で楽しめる地域イベントとして多くの来場者で賑わいました。
会場となった奄美少年自然の家には、創作体験や学びのブースが並び、今年は3,300名を超える来場者が訪れたそうです。

そんな中、今回初めて出展したのが鹿児島工業高等専門学校(鹿児島高専)です。
鹿児島高専は、子どもたちが科学やものづくりを楽しく学べるSTEAM教育の体験ブースを展開し、約400名の親子が実際に参加しました。

会場では、「紫外線について学ぼう~紫外線キーホルダーの作成~」「消波ブロックの効果を体験しよう」「トンネルの重要性を知ろう」といった3つの講座を実施。
ただ説明を聞くだけではなく、自分の手を動かしながら体験できる内容になっていたこともあり、子どもたちが興味を持ちながら参加していた様子が伝わってきます。

特に印象的なのは、鹿児島高専の学生たちが子どもたちのサポート役として参加していた点です。
年齢の近い学生たちと一緒にものづくりを進めることで、難しく感じやすい科学や工学も、ぐっと身近に感じられる空間になっていたのではないでしょうか。 今回のイベントは、「まずは科学やものづくりを好きになってほしい」という空気感が強く感じられる取り組みでした。
こうした体験型のSTEAM教育は、子どもたちにとって貴重な時間になっていそうです。

「科学って面白い」を子どもたちへ 鹿児島高専が続ける地域向けSTEAM教育

今回の取り組みは、単発のイベント参加ではなく、鹿児島高専が継続して行っている地域向けSTEAM教育活動の一環として実施されたものです。

鹿児島高専では、鹿児島県内の小中学生を対象にした出前授業や、各地の青少年教育施設での体験イベントなどを通じて、子どもたちが早い段階から科学やものづくりに触れられる機会を広げています。
近年は「STEAM教育」という言葉を耳にする機会も増えましたが、難しく考える必要はありません。
簡単に言えば、“自分で考えながら学ぶ力”や、“体験を通じて興味を育てる学び”のことです。

例えば今回のイベントでも、ただ知識を教えるのではなく、実際にキーホルダーを作ったり、消波ブロックの役割を体験したり、トンネルの仕組みを学んだりと、「まず触れてみる」ことが重視されていました。
理科やものづくりに苦手意識を持つ前に、「楽しい」「もっと知りたい」と感じられる機会をつくることは、とても大切なのかもしれません。

また、鹿児島高専が続けている活動には、“未来の理工系人材を育てたい”という思いだけではなく、「地域の子どもたちに学びのきっかけを届けたい」という姿勢も感じられます。

学校側から地域へ足を運び、実際に体験できる場を作っている点にも大きな意味がありそうです。 今回、鹿児島高専が初めて奄美のイベントへ参加した背景にも、「奄美地域の子どもたちに鹿児島高専を知ってほしい」という思いがあったそうです。
学校説明会のように“進学”だけを前面に出すのではなく、まずは「科学って面白い」「こんな学びもあるんだ」と感じてもらう入口をつくっている点も印象的でした。

学生たちが子どもたちをサポート 地域とつながる高専の学び

今回のイベントでは、鹿児島高専の学生たちが子どもたちのサポート役として参加していたことも印象的でした。

ものづくり体験や科学イベントというと、「先生が教える場」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし今回は、学生たちが子どもたちに寄り添いながら、一緒に体験を進めていくスタイルだったようです。
年齢が近い学生たちが優しく声をかけながらサポートすることで、子どもたちにとっても質問しやすく、安心して参加できる空気が生まれていたのではないでしょうか。

また、高専という学校自体を知らない子どもや保護者も多い中で、実際に学生たちと触れ合うことは、「こんな学校があるんだ」と知るきっかけにもなっていそうです。
特に今回は、専攻科2年生の永田侑希さんが、あまみエフエムの公開ラジオ生放送にも出演。
奄美市出身の学生として、鹿児島高専の魅力や学生生活について紹介しました。

地元出身の学生が、自分の言葉で学校の魅力を発信している姿には、地域とのつながりの強さも感じられます。
高専と聞くと、少し堅いイメージを持つ人もいるかもしれません。
ですが今回のように、地域イベントへ参加し、学生たち自身が子どもたちと交流する姿を見ると、“地域に開かれた学校”という印象も強くなります。
「自分もこんなことをやってみたい」「ものづくりって楽しそう」と思うきっかけとして、高専生たちの存在は大きかったのかもしれません。

鹿児島高専が掲げる「相手の立場に立ってものを考える技術者」という人材像は、こうした地域活動の中でも育まれているのかもしれません。 今回のイベントは、子どもたちが科学やものづくりに触れる機会であると同時に、学生たちにとっても地域との関わりを深める場になっていたように感じます。

地域に根ざし 未来の技術者を育てる鹿児島高専

今回の取り組みからは、鹿児島高専が“地域とともに学びを育てる学校”であることも伝わってきます。
鹿児島高専は、「未来の技術を創る人を育てる」という教育理念を掲げており、創造性や実践力を持った技術者の育成に力を入れています。

高専というと、専門的な技術を学ぶ学校というイメージを持つ人も多いかもしれません。
もちろん、工学やものづくりを専門的に学ぶ場ではありますが、それだけではなく、「社会や地域とどう関わるか」という部分も大切にしている学校であることが、今回の活動からも感じられました。

実際、鹿児島高専のミッションには、「地域の産業、文化さらには生活を支えていく地域に根差した高専とする」という考え方も掲げられています。

今回のように、学校の中だけで教育を完結させるのではなく、地域イベントへ足を運び、子どもたちと直接交流する取り組みも、その考え方につながっているのかもしれません。
今回のイベントでも、子どもたちが楽しみながら学べるよう、学生たちが丁寧にサポートしていた様子が紹介されていました。
こうした地域活動の積み重ねが、技術だけではない「人と関わる力」を育てる経験にもなっているように感じます。

地域の子どもたちに科学やものづくりの面白さを届けながら、学生自身も成長していく。
今回のハアサキこどもの日フェスタでの活動は、そんな鹿児島高専の姿勢が伝わってくる取り組みだったように感じます。

子どもたちの「好き」を育てる時間が 地域の未来につながっていく

今回のハアサキこどもの日フェスタでの取り組みは、単なる体験イベントという言葉だけでは収まらない活動だったように感じます。
実際に手を動かしながら学び、「難しそう」と感じていた世界に少し興味を持つこと。
そうした小さなきっかけが、子どもたちの未来につながっていくのかもしれません。
特に今回印象的だったのは、鹿児島高専が“地域へ出ていく姿勢”を大切にしている点です。
学校の中だけで完結するのではなく、地域イベントや出前授業を通じて、子どもたちへ直接学びを届け続けているからこそ、地域とのつながりを大切にしている様子も伝わってきます。

また、子どもたちにとっては、「理系」や「工学」という言葉よりも、まずは「楽しかった」という感覚のほうが大切なのかもしれません。
地域の子どもたちへ学びのきっかけを届けながら、学生たち自身も成長していく。
鹿児島高専の活動には、そんな温かいつながりが感じられました。


鹿児島工業高等専門学校 概要

鹿児島工業高等専門学校(鹿児島高専)は、鹿児島県霧島市にある高等専門学校です。「未来の技術を創る人を育てる」を教育理念に掲げ、ものづくりや工学分野を中心に、創造性や実践力を持った技術者の育成を行っています。
地域イベントや出前授業などにも積極的に取り組み、地域に根ざした教育活動を続けています。

公式サイト:http://www.kagoshima-ct.ac.jp/

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