【獣医師執筆】犬のてんかん|原因や症状から治療法まで解説
犬のてんかんとは、「24時間以上の間隔を空けて少なくとも2回以上の非誘発性てんかん発作を示す病態」と定義されています。脳の異常な興奮によって、意識を失ったり、痙攣を起こしたりする疾患です。愛犬が発作を起こしてしまったら驚いてしまうかと思いますが、適切な治療によって発作をコントロールできることが多いと言えます。ただし、中にはコントロールが難しい「難治性てんかん」と呼ばれるものも存在します。ここでは、てんかんの原因、症状、治療方法を解説していきます。
犬のてんかんとは?

犬のてんかんとは、「24時間以上の間隔を空けて少なくとも2回以上の非誘発性てんかん発作を示す病態」と定義されています。
脳の異常な興奮によって、意識を失ったり、痙攣を起こしたりする疾患です。愛犬が発作を起こしてしまったら驚いてしまうかと思いますが、適切な治療によって発作をコントロールできることが多いと言えます。
ただし、中にはコントロールが難しい「難治性てんかん」と呼ばれるものも存在します。
原因

てんかんは発作が起こる原因によって大きく2つに分類されます。
構造的てんかん
構造的てんかんとは、てんかん発作の原因として脳に何らかの器質的病変が認められるものを言います。脳奇形、脳腫瘍、脳炎、外傷などの神経学的検査やMRI検査などで異常が明らかになるものです。
特発性てんかん
特発性てんかんとは、前述のような明らかな異常が認められないものを言います。特発性てんかんはさらに遺伝性てんかん、おそらく遺伝性てんかん、原因不明の特発性てんかんに分類されています。
症状

てんかん発作には症状によって分類されています。ここでは代表的なものを挙げていきます。飼い主さんは、愛犬が発作を起こした時は動画を撮ったり、日記をつけるなどしておくと診断や治療の手助けになりますのでおすすめいたします。
焦点性発作
脳のある一部分で生じた異常放電によって体の一部分に痙攣などの症状が見られるものを焦点性発作と呼びます。例えば左前肢のみ痙攣するといった場合が焦点性発作になります。焦点性発作には意識障害がある場合と無い場合があります。ハエ噛み行動と呼ばれる空中に向かって噛みつく行動も焦点性発作に分類されます。
全般発作
発作のはじめから脳全域で一斉に異常放電を起こし、全身性に症状が見られる発作を全般発作と呼びます。強直性間代性発作と呼ばれる、突然の全身性の痙攣が代表的なものです。非常にまれではありますが、痙攣を示さない発作である欠伸発作や脱力発作も存在します。
発作重積
1回のてんかん発作が5分以上続く場合、1回発作が終わりそうになると次の発作が連続して始まってしまう場合を発作重積と定義されています。発作重積は緊急性の高い状態と言えます。
治療

てんかんの治療は、てんかん発作をゼロにすることではありません。発作頻度を減らすこと(治療開始前の50%以下、3ヶ月に1回以下の頻度にする)、発作重積を起こさせないことが治療の目的になります。
抗てんかん薬
てんかんの治療は、抗てんかん薬を用いた内科的な発作管理になります。とくに特発性てんかんの場合は、生涯治療が必要となり、寛解することはまれであるとされています。
抗てんかん薬の治療開始は、6カ月以内に2回以上のてんかん発作が認められる場合や発作重積が認められる場合などの基準があります。
一般的に用いられている抗てんかん薬を併用しても3ヶ月に1回以下の発作頻度にコントロールできない症例を「難治性てんかん」と呼びます。
その他
難治性てんかんに対して、療法食やサプリメントなどを使用することがあります。しかしながら、これらの方法はエビデンスレベルが低いため必ずしも推奨されているわけではありません。
発作重積
発作重積は緊急性の高い状態です。自宅で発作重積が起こったらすぐにかかりつけの動物病院に連絡しましょう。抗てんかん薬や鎮静薬で発作をコントロールします。自宅での応急処置として座薬や注射薬を処方してもらう場合もあります。
まとめ
てんかんの犬は、抗てんかん薬での治療によって6~7割が3ヶ月に1回以下の発作頻度にコントロールすることができます。3ヶ月に1回以上の発作が見られる場合に飼い主さんの判断でお薬の量を増やしたり、3ヶ月以上発作が見られない場合に飼い主さんの判断でお薬を止めたりなどは絶対にしないでください。てんかんは飼い主さんと獣医師の連携がとても大切な病気です。かかりつけの獣医師とよく相談していただくことをおすすめいたします。
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