【イラン外務省報道官・単独インタビュー】「アメリカはイスラエルが行っている行為すべてに責任」 戦闘終結に向けた交渉…今後の行方は?【news23】
攻撃の応酬を続けていたイランとイスラエルが攻撃の停止を発表しました。アメリカとの戦闘終結に向けた交渉は今後、どうなるのか。イラン外務省の報道官が現地でJNNの取材に応じました。(news23 6月9日午後11時25分ごろ放送)
【単独インタビュー】“戦闘終結に向けた交渉は最終局面に…”イラン高官が語る【写真で見る】
「合意極めて近かった」 イラン報道官に単独取材
イランの首都テヘラン。アメリカとの停戦はかろうじて保たれていますが、争いの火種はあちこちでくすぶっています。
増尾記者
「被害にあった建物の近くには標語が多く書かれています。ここには『アメリカの犯罪の証拠』と書かれています。イラン側としては、アメリカへの批判を強めつつ、国民の間で結束を促したいといった狙いもあるのだと思います」
アメリカとイランの戦闘はいつ終わるのか。
国際社会への発信役を担うイラン外務省のバガイ報道官がJNNの単独インタビューに応じました。
イラン外務省 バガイ報道官
「イランとアメリカはパキスタンを介してメッセージのやり取りをしていた。合意は極めて近いところまで来ていた」
バガイ氏によると、戦闘終結に向けたアメリカとの交渉は最終局面に入っていたといいます。しかし…
バガイ報道官
「イスラエル政府がベイルートへの攻撃を開始したことは極めて重大な停戦違反」
イスラエルの行為は「米国に責任」
状況が変わったのは8日。イスラエルがレバノンの首都ベイルートの郊外を爆撃したのです。攻撃されたのはイラン側の武装組織ヒズボラの施設でした。
これに対し、イランは“報復”として4月の停戦以降、初めてイスラエルを攻撃。その翌日、今度はイスラエルがイランを攻撃し首都テヘランで大きな爆発音がしたと報じられました。
攻撃激化の懸念が高まる中、アメリカのトランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、攻撃を止めるよう求めたといいます。
トランプ大統領(米アクシオス・8日)
「気をつけろ。孤立することになるぞ」
その後、イスラエルとイランはそれぞれ攻撃を停止したと発表。
しかし、イラン外務省のバガイ報道官は、アメリカをこう非難しました。
バガイ報道官
「アメリカはイスラエルによるレバノンへの行動(攻撃)を『知らなかった』と主張はできない。アメリカはこれらの停戦違反行為に対して責任があり、イスラエルが行っている行為全てに責任を負わなければならない」
バガイ氏は、アメリカとの戦闘終結について“合意に極めて近づいた”としていましたが、現在は「状況がエスカレートしている。今後どうなるか見極める」と説明。
そして、合意の前提としてアメリカによるイランの資産凍結の解除が必要だと強調しました。
バガイ報道官
「イランの資産凍結解除は確実な方法で行われなければならない。彼らが義務の履行を真剣に考えているかどうかを見極める上で、これは極めて重要な試金石となる」
“戦闘終結”交渉 今後の行方は?
中東支局長 増尾聡記者:
テヘラン市内では、イスラエルとの衝突の後もほとんど市民生活の変化は感じません。話を聞いても不安を口にする市民はほとんどいません。軍事的な緊張に対する慣れも感じます。
一方で、街中でよく目にするのは戦闘を題材にしたようなポスターです。軍事的な緊張が長引く中で、国民の士気を維持し、結束を促したいという当局の思惑を感じます。
小川彩佳キャスター:
大変気がかりなのが、今回のイランとイスラエルとの攻撃の応酬が今後の交渉にどのような影響を及ぼすのかというところです。
増尾聡記者:
今回の衝突は極めて限定的な規模かつ早期の幕引きとなったため、交渉そのものを脅かすような影響はなかったと思います。
さらに、イラン側はイスラエルとの応酬の後、自ら攻撃の打ち止めを表明しました。
イランとしても、戦闘が全面的に再開することで、停戦や戦闘終結に向けた交渉が振り出しに戻ることを避けたいという狙いがあると思います。
バガイ報道官も、今後の交渉については「状況を見極めていく」と述べるにとどめ、強硬な発言は控えました。イランとしても外交の窓口を閉ざすことなく、交渉を進めていきたいと考えていると感じました。
(news23 6月9日午後11時25分ごろ放送)