アラグチ外相が一時退室…米イラン対面協議もトランプ氏のSNS投稿で紛糾 “イランを激しく攻撃する!”【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-06-23 12:05

アメリカとイランの戦闘終結に向けた覚書署名後、初めてとなる協議がスイスで行われました。ただ、協議開始後、トランプ大統領がSNSで再攻撃を警告したため、イラン側が猛反発。出だしから紛糾しました。

【写真で見る】会場から立ち去るイラン・アラグチ外相

トランプ大統領「激しく攻撃する」SNSで紛糾

協議の場は、冒頭から不穏な空気に包まれました。

先に会場に入ったのは、アメリカ代表団トップのバンス副大統領です。

出迎えた仲介国パキスタンのシャリフ首相と挨拶を交わします。そして現れたのは、イランのアラグチ外相。バンス副大統領も気になるようです。ところが、アラグチ外相は挨拶を交わしたものの、その後、関係者と話し込み会場をあとにしました。

――何が起きたのですか
イラン アラグチ外相
「……」

状況を飲み込めないバンス副大統領は、シャリフ首相のもとへ歩み寄り、説明を求めます。

――これまでの話し合いはどうですか
アメリカ バンス副大統領
「順調だよ」

会場では、代表団による握手と写真撮影が予定されていたもののイラン側がこれを拒否したと報じられています。

アメリカ バンス副大統領
「本国アメリカではすでにガソリン価格の低下が見られている。原油や天然ガスの自由な流通、そして平和も実現した。知っての通り、平和は決して容易ではないが、大統領は、アメリカとイランのみならず、地域の平和にコミットしている」

そして、バンス氏は「目標は外交を通じ中東を変革すること」だと強調しました。

アメリカ バンス副大統領
「イラン側が長期的に核兵器開発の野心を放棄する意思があるのなら、イランとの関係を根本的に変える用意がある」

戦闘終結に向けた覚書で、60日間の期限を設けて交渉し、最終合意を目指すとしているアメリカとイラン。

再びアラグチ氏が会場に戻り協議が始まりますが、アメリカにいるトランプ大統領がSNSで…

トランプ大統領(SNSより)
「代理勢力が問題を起こすのを直ちにやめさせないとイランを激しく攻撃する!」

仲介国のパキスタンとカタールが共同声明を発表

レバノンを拠点とする親イラン組織「ヒズボラ」を念頭に“イランが攻撃を止められないならイランを激しく攻撃する”などと威嚇。

イラン側は猛反発し、「協議が停止された」と報じられるなど出だしから紛糾した模様です。

その後、協議は断続的に行われたとみられ、22日になって仲介国のパキスタンとカタールが共同声明を発表しました。

パキスタンとカタールの共同声明
「初回の協議は終了した。政治的な管理を行うハイレベル委員会を設置することで合意した」

【パキスタンとカタールの共同声明】
▼60日以内の最終合意達成に向けたロードマップの作成
▼ホルムズ海峡の安全な航行を確保するためのホットラインの構築
▼レバノンでの戦闘終結履行のための「衝突回避対策チーム」の設置

イラン国営通信によると、イラン代表団は22日、アメリカとの協議が開かれたスイスを離れたということです。

イラン外務省の報道官は、今回の協議について18時間続いたと説明したとしています。実務レベルの協議は今週いっぱい続くということです。

アメリカとイランは最終合意に至るのか ホワイトハウス内での権力闘争も…

小川彩佳キャスター:
アメリカのバンス副大統領は、日本時間の22日夜、スイスで記者会見を行い、今回の協議について「多くの進展があった」と述べました。

焦点となっていたイランの核開発問題については、イラン側がIAEA国際原子力機関の査察官の入国を認めたと明らかにした上で、早ければ週内にも査察に関する協議を始めるということです。

藤森祥平キャスター:
果たして、IAEAの査察も含めて、実効性のある協議、それから最終合意に至るのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
バンス副大統領の会見からは、進展が目立っているとは思えません。

アメリカは、「イランを再攻撃する」とイランに譲歩を迫っていますが、再攻撃を行うと原油の値段が上がります。イランもものすごく反発しているため再攻撃ができない。11月の中間選挙を控えており、アメリカも再攻撃に踏み切れない状況になっています。

一方イランは、ホルムズ海峡の再封鎖をやろうと思えばできます。イランからするとじわじわとアメリカを追い詰めていくという協議なので、時間がかかればかかるほどイランの方が有利になっていきます。

そうしているうちに、肝心の核問題は先送りという状況になっている構図が見えてきました。

藤森キャスター:
だからバンスさんが今「核問題」ついてアピールをしていたわけですよね。

小川キャスター:
アメリカが不利とも言えるこの状況ですが、覚書に署名したトランプ氏に対しては、与党の共和党内からも批判の声が出てきています。

ビル・キャシディ上院議員は18日SNSで、「ここ数十年で最悪の外交政策上の失策だ」と投稿しています。こうした国内からの声からも、トランプ大統領は、追い詰められているということなのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
共和党の上院議員からこういった発言が出ることは、非常に珍しいことですよね。

その背景には、ホワイトハウス内の権力闘争が見え隠れしているということです。

トランプ大統領からすると、この交渉をバンス副大統領にやらせて、仮にうまく行けば自分の功績になります。失敗すればバンス副大統領の責任ということになるので、トランプ大統領からするとそういった理由でバンス副大統領を起用しています。

バンス副大統領はそれを知っているため、ここでどのように立ち向かっていくかを悩んでいるところだと思います。

バンス副大統領もここで成果を上げ、次の大統領選挙に向かいたいということもあります。

ただ、元々バンス副大統領は、この戦争に慎重派でした。2月に開戦を決めた時のホワイトハウスの首脳会談に、イスラエルのネタニヤフ首相も来たのですが、そこでは、バンス副大統領は外されていたことが最近になって明らかになっています。

トランプ大統領とバンス副大統領の力関係というのが、この戦争の交渉、協議に影を落としているということが見えてきました。

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星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

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