【獣医師監修】アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、白地に赤い斑が美しいアイルランド原産の大型鳥猟犬です。性格や特徴、大きさ、価格相場、ブリーダーの探し方、飼い方、運動量、しつけ、寿命や病気まで分かりやすく解説します。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターとは

- 犬種名:アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター(Irish Red and White Setter)
- 別表記:アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッター
- 原産国:アイルランド
- 大きさ:大型犬
- 体高:オス 62〜66cm、メス 57〜61cmほど
- 体重:オス 25〜32kg前後、メス 20〜27kg前後
- 被毛:中程度の長さのストレートタイプ
- 毛色:白地に鮮明な赤い斑
- 性格:明るい、友好的、愛情深い、賢い、活動的
- 寿命:11〜15年ほど
- 役割:鳥猟犬
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、アイルランド原産の鳥猟犬です。英語では「Irish Red and White Setter」と表記され、白地に赤い斑が入る外見からその名が付けられています。
古くから猟の現場で活躍してきたセター系犬種のひとつで、獲物の位置を見つけて知らせる役割を担ってきました。
現在よく知られている赤一色のアイリッシュ・セターとは近い歴史を持ちますが、今では別の犬種として扱われています。
日本ではあまり見かける機会がなく、一般的な家庭犬として広く流通している犬種ではありません。
そのため、見た目の美しさだけでなく、鳥猟犬としての性質や暮らしに必要な環境を理解したうえで迎えることが大切です。
犬種名は、公式には「アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター」と表記されますが、一般には「アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッター」と書かれることもあります。
どちらも同じ犬種を指す言葉として使われています。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの性格

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、明るく友好的で、家族との関わりを好む犬種です。
人に対して穏やかに接する個体が多く、家庭の中でも愛情深いパートナーになりやすい気質を持っています。
一方で、猟犬として人と協力して働いてきた背景があるため、ただそばにいるだけで満足する犬種ではありません。
飼い主とのやり取りや、褒められる経験を通じて意欲を伸ばしやすく、日々のコミュニケーションを大切にする家庭に向いています。
賢く理解力がある反面、退屈な時間が長く続くと落ち着きがなくなったり、いたずらにつながったりすることがあります。
厳しく抑え込むよりも、よい行動を褒めながら、分かりやすいルールを継続して伝える接し方が適しています。
子どもや他の犬に対しても比較的フレンドリーに接しやすい犬種ですが、どの犬にも個体差があります。子犬の頃からさまざまな人や環境に少しずつ慣れさせ、落ち着いて過ごせる経験を積ませることが大切です。
人との結びつきが強いぶん、長時間ひとりで過ごす生活は得意とはいえません。家族と一緒に過ごす時間をしっかり確保でき、犬との関係づくりを楽しめる家庭に向いている犬種です。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの特徴

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、均整の取れた体つきと、白地に赤い斑が入る華やかな被毛が印象的な犬種です。
もともと広い野外で獲物を探す鳥猟犬として活躍してきたため、見た目の優雅さだけでなく、しっかりとした骨格と筋肉を備えています。
全体的には、細すぎず重すぎないバランスのよい体型です。長めの四肢、深い胸、やわらかな表情をつくる垂れ耳などが組み合わさり、活動的でありながら落ち着いた雰囲気も感じられます。
ここでは、体の大きさ、被毛のタイプ、毛色の特徴について順に見ていきます。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの大きさ
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、大型犬に分類されることが多い犬種です。体高の目安は、オスで62〜66cm、メスで57〜61cmほどです。
体重には個体差がありますが、オスは25〜32kg前後、メスは20〜27kg前後がひとつの目安です。国内の資料では、オス32kg前後、メス27kg前後と紹介されることもあります。
子犬の頃は丸みのある体つきですが、成長とともに四肢が伸び、引き締まった体型へ変化していきます。成犬になると存在感があり、室内で過ごす場合にも、体を伸ばして休める十分なスペースが必要です。
また、体が大きいぶん、ベッドやクレート、車移動用のスペースも大型犬向けのものを選ぶ必要があります。迎える前には、日常生活の中で無理なく管理できるサイズかどうかを考えておくことが大切です。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの被毛タイプ
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの被毛は、中程度の長さを持つ、なめらかなストレートタイプです。
全身が長い毛で覆われる犬種ではありませんが、耳や胸、お腹、四肢の後ろ側、尾には飾り毛が見られます。
この飾り毛は、動いたときに優雅な印象を与える一方で、もつれや汚れがつきやすい部分でもあります。散歩後には、草の種や小さなゴミが絡んでいないか確認しておくと安心です。
日常の手入れは、通常は週に数回のブラッシングを目安にします。換毛期や雨の日の散歩後、屋外でたくさん遊んだ後などは、必要に応じて丁寧に毛並みを整えてあげましょう。
頻繁なカットを前提とする犬種ではありませんが、短毛犬のように手入れが少ないタイプでもありません。飾り毛のもつれを防ぎ、皮膚を清潔に保つためには、定期的なブラッシングが欠かせません。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの毛色の種類
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの毛色は、白を基調とし、そこに鮮明な赤い斑が入るのが基本です。白と赤のはっきりしたコントラストが、この犬種ならではの大きな魅力です。
赤い斑の入り方は個体によって異なり、顔まわり、耳、背中、体側などの模様によって印象が変わります。同じ犬種でも一頭ごとに見た目の個性が出やすい点も特徴です。
一方で、赤い斑の位置や模様だけで、性格や家庭犬としての向き不向きが決まるわけではありません。毛色の美しさだけでなく、体つきや健康状態、気質なども含めてその犬を見ていくことが大切です。
なお、赤一色の被毛を持つアイリッシュ・セターとは近い歴史を持ちますが、現在は別の犬種として扱われています。名前が似ているため混同されることがありますが、毛色の印象は大きく異なります。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの価格相場

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、日本国内での流通数が非常に少ない犬種です。
そのため、ペットショップや一般的な子犬販売サイトで常に価格を比較できるような、安定した国内相場は形成されていません。
目安としては、国内で子犬を迎えられる場合の生体価格は40万〜70万円前後を想定しておくとよいでしょう。
ただし、これは国内で常に確認できる平均価格ではなく、希少犬種を専門的に扱うブリーダーから迎える場合の予算感です。
海外のブリーダーから迎える場合は、生体価格に加えて、輸送費、輸入手続き、検疫に関わる費用、書類準備、代行サポート費用などが発生します。そのため、総額では80万〜150万円以上になる可能性もあります。
価格だけを見ると高く感じるかもしれませんが、この犬種の場合は「安く買えるか」よりも、健康状態や血統管理、親犬の検査状況、引き渡し後のサポートが整っているかを重視することが大切です。
極端に安い価格や、犬種の説明が曖昧な販売元には注意しましょう。
また、迎えた後にも大型犬向けのケージやベッド、フード代、医療費、ペット保険料などが継続してかかります。
子犬の購入費だけでなく、成犬になってからの生活費まで含めて余裕を持って準備しておく必要があります。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターのブリーダーを探す方法
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターを迎えたい場合、まずは犬種名で子犬販売サイトを検索するだけでなく、セター系犬種に詳しいブリーダーや、希少犬種を扱う犬舎を探すところから始めます。
国内では掲載数が少ないため、すぐに子犬が見つからないことも珍しくありません。
探し方としては、犬種名で検索する、ブリーダー紹介サイトで問い合わせる、ドッグショーや犬種クラブの情報を確認する、セター系犬種を扱う犬舎に相談する、といった方法があります。
子犬の掲載がなくても、今後の出産予定や待機予約について教えてもらえる場合があります。
問い合わせる際は、価格だけでなく、親犬の性格や健康状態、子犬の育て方、見学の可否、引き渡し時期、ワクチン接種、健康診断、血統書の有無を確認しましょう。
あわせて、股関節や目の検査、CLADなど犬種で確認したい遺伝性疾患への配慮があるかも聞いておくと安心です。
信頼できるブリーダーは、子犬を売ることだけを急がず、飼育環境や家族構成、運動時間を確保できるかなども確認してくれます。
反対に、見学を避ける、親犬の情報を出さない、契約内容が曖昧、すぐに振り込みを求めるといった場合は慎重に判断してください。
国内で出会えない場合は、海外のブリーダーを探す選択肢もあります。ただし、輸入には検疫、マイクロチップ、狂犬病予防、英文書類、航空輸送などの手続きが必要です。
初めて海外から犬を迎える場合は、個人判断だけで進めず、輸入経験のあるブリーダーや専門業者に相談しながら進めるほうが安全です。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの飼い方

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターと暮らすには、大型の鳥猟犬に合った生活環境を整えることが大切です。
体を動かす時間を確保できることに加え、室内では滑りにくい床にする、危険な物を犬の届く場所に置かないなど、安心して過ごせる空間づくりが欠かせません。
食事は、年齢や体格、活動量に合った総合栄養食を選び、体重が増えすぎないように管理します。太りすぎると関節や体への負担が大きくなるため、フードやおやつの量は日々の運動量に合わせて調整しましょう。
ここでは、毎日の暮らしで特に意識したい運動、しつけ、ケアのポイントを紹介します。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの運動量
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、運動量が多い犬種です。成犬では、朝夕の散歩に加えて、走る・探す・遊ぶといった時間を取り入れると満足しやすくなります。
ただ歩くだけでなく、ロングリードを使った遊び、ボール遊び、においを使った探索遊びなどを組み合わせると、体だけでなく頭も使えます。安全な場所で、無理のない範囲で行いましょう。
運動が不足すると、落ち着きのなさやいたずらにつながることがあります。ただし、子犬期やシニア期、暑い時期は負担が大きくなりやすいため、年齢や体調に合わせて運動量を調整することが大切です。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターのしつけ方
しつけでは、子犬の頃から人や犬、生活音、外の環境に少しずつ慣れさせることが大切です。成犬になると力が強くなるため、リードを引っ張らずに歩く練習や、名前を呼ばれたら戻る練習は早めに始めましょう。
賢く人との関わりを好む犬種なので、叱って抑え込むより、できた行動を褒めて伸ばす方法が向いています。家族の間でルールを統一し、同じ合図を使うことで犬も理解しやすくなります。
飛びつき、拾い食い、強い引っ張りなどは、大型犬になる前から少しずつ教えておきたい行動です。不安がある場合は、早めに大型犬や猟犬タイプに詳しいトレーナーへ相談すると安心です。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターのケア方法
日常のケアでは、飾り毛がもつれやすい耳の裏、胸、お腹、四肢の後ろ側を中心にブラッシングします。通常は週に数回、換毛期や汚れやすい時期はこまめに行うと清潔を保ちやすくなります。
垂れ耳のため、耳の中が蒸れやすい点にも注意が必要です。赤み、におい、耳垢の増加がないかを定期的に確認し、気になる変化があれば早めに動物病院で相談しましょう。
爪切り、足裏の毛のカット、歯磨きも基本のケアに含まれます。体に触れる習慣をつけておくと、皮膚の赤みやしこり、歩き方の違和感などにも気づきやすくなります。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの寿命と病気

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの平均寿命は、11〜15年ほどが目安です。
大型犬としては比較的標準的な寿命で、日頃の体重管理や定期健診、無理のない運動習慣によって健康を支えていくことが大切です。
若い頃から元気に動ける犬種ですが、年齢を重ねるにつれて関節や目、耳などに不調が出ることもあります。
見た目だけでは分かりにくい変化もあるため、歩き方、食欲、目の見え方、耳のにおいなどを日常的に観察しておきましょう。
ここでは、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターを迎える前に知っておきたい主な病気や注意点を紹介します。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターのかかりやすい病気
大型犬で注意したい病気のひとつが、股関節形成不全です。股関節のかみ合わせに問題が起こり、歩き方の違和感や運動を嫌がる様子につながることがあります。
遺伝的な要因に加え、成長期の急な体重増加や過度な負担が関節への負担を高めることもあるため、子犬期から体重と運動量を慎重に管理しましょう。
胸が深い体型の犬では、胃拡張・胃捻転症候群にも注意が必要です。
食後に苦しそうにする、吐こうとしても吐けない、よだれが増える、お腹が張るなどの様子が見られた場合は、命に関わることがあります。
食事は一度に大量に与えず、食後すぐの激しい運動は避けるようにしましょう。
垂れ耳の犬種に多い外耳炎も、日常的に気をつけたいトラブルです。耳の中が蒸れやすく、耳垢やにおい、赤み、かゆみが出ることがあります。
耳を頻繁にかく、頭を振るといった様子があれば、早めに動物病院で相談してください。
目の病気では、白内障や進行性網膜萎縮(PRA)などに注意が必要とされます。暗い場所で歩きにくそうにする、物にぶつかる、目が白く濁って見えるといった変化は、受診の目安になります。
また、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターでは、CLADと呼ばれる遺伝性疾患への配慮も重要です。子犬を迎える際は、親犬の健康状態だけでなく、股関節や目の検査、CLADなどの遺伝子検査について確認しておくと安心です。
被毛や飾り毛に汚れや湿気が残ると、皮膚の赤みやかゆみ、膿皮症などの皮膚トラブルにつながることもあります。雨の日の散歩後やシャンプー後は、地肌までしっかり乾かし、皮膚の状態をこまめに見ておきましょう。
まとめ

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、白地に赤い斑が入る美しい被毛と、明るく友好的な性格を持つアイルランド原産の大型鳥猟犬です。
家族との関わりを好み、賢く愛情深い一方で、十分な運動時間と一貫したしつけが欠かせません。
日本では流通数が少ないため、迎える際は信頼できるブリーダー探しや、健康検査の確認が重要です。体格に合った住環境、日々のケア、股関節形成不全や胃捻転、眼疾患などへの備えも必要になります。
見た目の美しさだけでなく、生涯にわたって大型犬を支えられる時間・体力・費用を準備できる家庭に向いた犬種です。
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