睡眠時無呼吸症候群(SAS)の新たなメカニズムと寝具・姿勢の物理的影響

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、気道の閉塞だけでなく、寝具や姿勢が呼吸運動を阻害することで引き起こされる構造的呼吸低下の延長線上にあることが、トラタニの独自研究で明らかになりました。
SAS発症における構造的呼吸低下のメカニズム
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、一般的に「気道が閉じるから呼吸が止まる」と説明されます。しかし、トラタニによる独自研究では、気道が確保されている状態であっても、全身の呼吸運動が弱まることで呼吸停止に至る構造的事実が確認されました。呼吸は胸郭だけでなく、仙骨・脊柱・頸椎・頭部・肋骨が連動する全身運動であり、この「略S字連動運動」が阻害されると呼吸の質が大きく低下します。※胸郭の運動が制限されると、換気量が著しく低下し、呼吸停止に至ることがある(ATS/ERS公式声明)※横隔膜の機能低下は、気道が開いていても換気が成立せず、呼吸停止を引き起こす(NEJM)
寝具の反発力と呼吸への影響
睡眠時には重力の方向が背中側へ変化するため、寝具からの「押し上げる力」が呼吸を大きく左右します。クッション性の高いウレタン材や反発力の強いスプリングベッドは、背面から身体を押し上げる力が強く、呼吸のS字連動を阻害しやすい傾向があります。一方で、せんべい布団のように身体を押し上げない素材や、そば・ビーズ材といった柔らかい枕は、呼吸の全身運動を妨げにくいため呼吸がしやすいという特徴があります。※ウレタンを否定する意図ではなく、心地よさを追求した素材は、呼吸という観点では不利になりやすいという構造的事実です
誰にでも起こりうる構造的必然
SASは特定の人だけの病気ではなく、顎後退や舌根沈下、口の半開き、鼻呼吸のしづらさといった要因が重なることで、誰にでも起こりうる構造的な現象です。また、鼻腔で作られるNO(鼻腔一酸化窒素)が不足すると、気道が狭くなり酸素の取り込みが困難になります。このNO不足は、鼻づまりや寝具の反発力などの日常的な要因で誰にでも発生します。長期間にわたり呼吸が浅い状態が続くと、疲労や認知機能低下などの健康問題につながる恐れがあります。
独自研究の概要
トラタニでは、生理学・物理学・解剖学を横断するアプローチで、睡眠中の呼吸環境に関する研究を実施しています。
調査名:睡眠時の呼吸構造と寝具・姿勢の物理影響に関する独自研究
調査主体:トラタニ株式会社
研究期間:2024年〜2026年
研究方法:睡眠時の顎・舌・気道の構造変化の観察、呼吸の物理構造モデルによる解析、寝具材質の比較検討、睡眠姿勢と重力方向の変化による呼吸阻害の分析、CPAP使用者からの聞き取り調査
研究対象:一般成人(男女)、CPAP使用者、SAS予備群、呼吸に自覚症状がない一般生活者
まとめ
SASは単なる気道の病気ではなく、重力や寝具、姿勢が呼吸運動を阻害することで生じる構造的呼吸低下の結果です。気道だけを広げるアプローチに加え、全身の呼吸運動を維持する視点が不可欠といえます。トラタニでは、今後も呼吸・睡眠・生理学・物理学・解剖学の観点から体内環境の上流構造を解明し、人類の健康に新しい選択肢を提供することを目指します。