GSアライアンス、カリブ海の海藻「サルガッサム」から炭素量子ドットの合成に成功

GSアライアンスが、カリブ海沿岸で大量発生し社会課題となっている海藻「サルガッサム」を原料とした炭素量子ドットの合成に成功しました。
サルガッサム由来の炭素量子ドット開発
GSアライアンスは、大西洋や中米カリブ海で大量発生し、悪臭や有害ガスの発生、観光・漁業への悪影響といった深刻な社会課題となっている海藻「サルガッサム」を活用した炭素量子ドットの合成を実現しました。今回合成された量子ドットは、紫外線照射やブラックライトの下で青色に発光する特性を持ちます。
サルガッサムはこれまでも様々な用途への転用が研究されてきましたが、コストや原料に含まれるヒ素といった有害重金属の除去が課題となり、実用化には至っていません。同社は、独自の光学・物理化学的特徴を持つ炭素量子ドットとして、農業分野を中心とした応用展開を検討しています。
農業分野への応用と期待される効果
同社は、廃木材や農業残差から合成した量子ドットにおいて、農薬、忌避剤、抗菌剤、肥料としての効果を既に確認しています。サルガッサム由来の量子ドットについても同様の応用を目指しており、以下の仕組みによる効果が期待されています。
・抗菌・殺菌作用:数ナノメートルという超微小サイズや表面の官能基が菌や糸状菌の細胞壁・細胞膜に作用し、破壊や酵素活性の阻害を行うほか、原料由来のフラボノイドやポリフェノールなどの成分が寄与する可能性があります。
・農薬効果・忌避効果:太陽光下で光触媒として作用し、発生する活性酸素種などが菌や害虫に対して効果を発揮すると推測されています。
・植物の成長促進:肥料として使用する場合、葉の表面にある量子ドットが紫外線を植物の成長を加速させる青色や赤色の光へ変換する効果が見込まれます。
量子ドットの概要
量子ドットは0.5〜9nm程度のサイズを持つナノ材料で、2023年のノーベル化学賞の対象にもなりました。粒径サイズによって発光波長を調整できるため、太陽電池、ディスプレイ、バイオイメージング、LEDなど幅広い分野で研究開発が進められています。
まとめ
環境・エネルギー分野の技術開発を行うGSアライアンスは、環境負荷となっているサルガッサムを先端材料へ転換することで、カーボンニュートラル社会の実現と農業分野の課題解決を目指します。