“じゃらじゃらアクセ”や“頭に壺乗せ”…「名物埴輪」を無料で堪能できる大学博物館【THE TIME,】

「本当に古墳にいるみたい」子ども達も夢中になる貴重な埴輪がズラリ。にっこり笑顔で“威嚇”するものや、古代ファッションに身を包んだものにも出会えます。
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埴輪から学ぶ「古代のファッション」
無料で楽しめる「大学博物館」を毎週紹介する夏休み企画第3弾はー
大学博物館ライター・大坪 覚さん:
「一目見たら忘れられないような“名物埴輪”を無料で見ることができる、すごいミュージアム」
それが、『本庄早稲田の杜ミュージアム』(埼玉・本庄市)。大学と市が共同で運営する博物館です。
THE TIME,マーケティング部 佐藤あゆみ部員:
「埴輪がいっぱい。人、馬、それから家!大きさも形も様々」
琴を弾いている埴輪や、壺を頭にのせて右手で支えているような姿のものなど個性豊かな埴輪をはじめ、高さ72cmもある縄文土器や、2万年以上前に作られた石器の数々など、200点以上の考古資料がズラリと並びます。
実は、本庄市は日本でもめずらしい“遺跡密集エリア”。市内500か所以上で様々な時代の遺跡が見つかっていて、博物館のある早稲田大学のキャンパス内でも遺跡が見つかっています。
その出土品を大学と市が持ち寄ってできた博物館なのです。
『本庄早稲田の杜ミュージアム』学芸員・太田博之さん:
「本庄市は丘陵や台地が発達していて、中小の河川が流れている。昔から生活しやすい地形だった」
旧石器時代から2万年以上ずっと人が住み続けていた地域の本庄市。古墳の数は日本トップクラスの600基以上で、“変わった埴輪”も見つかっています。
佐藤部員:
「頭に何か乗っている。帽子かな?」
頭に平たい帽子のようなものがのっているのは「女子人物埴輪」。帽子のような独特な頭の形は、“女性の髪形”を表現しています。
1つに束ねた髪を前後で折り返し、その真ん中をひもで縛っているとのこと。さらに、耳には耳環(じかん)と呼ばれるピアス、首と手首には玉飾りもじゃらじゃら!
学芸員・太田さん:
「装飾品をたくさんつけていて、身分の高い女性を表現したものだと思う」
笑顔で威嚇「魔除けの埴輪」
にっこり顔が印象的な「盾持人物埴輪」も貴重な埴輪。大きな耳と鷲鼻、しゃくれた顎をもち、目は三日月形に切り抜かれ、口は口角を上げて笑っているような表情ですが…
学芸員・太田さん:
「実は“威嚇の表情”だと言われている。口の部分に注目すると、3か所ほど上下にくぼんでいる部分がある。おそらくそこには白い石がはめ込まれていて、“歯をむき出しにして威嚇している”」
一体何に対しての威嚇だったのでしょうか?
学芸員・太田さん:
「古墳の入口に外側を向いて置かれていたので、古墳に葬られた人を悪いものから守る役割、“魔除けの埴輪”と考えられている」
埴輪には、それぞれ役割や願いが込められているとのこと。貴重な埴輪の数々に大人も子どもも夢中になっています。
▼中3女子:「目の形、口の形が全部1つ1つ違う。昔の人たちの個性が出ている感じがする」
▼小4女子:「歴史の中で埴輪が一番好き。埴輪がいっぱい並べてあるから本当に古墳にいるみたい。すぐ間近で見られるところもいい」
高度に発達していた「ガラス工芸」
見どころは埴輪だけでなく、学芸員・太田さんイチ推しなのが約1500年前に作られた「重層ガラス玉」です。
直径わずか5mmほどで、虫眼鏡で見ないと分からないぐらい小さいサイズ。ガラスとガラスの間に銀箔を挟んだ「重層構造」になっていてとても珍しいものだといいます。
学芸員・太田さん:
「真ん中に穴が開いているビーズとして、耳飾りやブレスレットなどに使われていたと考えられている。ガラス工芸は非常に高度に発達していた」
ガラス玉作りに関する貴重な資料「ガラス小玉鋳型」もオススメです。
粘土を焼いた平たい板の一面に、小さな丸い穴がいくつも。ガラスを溶かしてビーズにするための鋳型です。
学芸員・太田さん:
「校舎を新しく造るため試掘調査で遺跡が見つかり、全部で192点の鋳型が1か所の遺跡で見つかった」
実はこれ、それまでに全国で見つかっていた数を大きく上回る大発見。中でも特に貴重なのが、全国で初めて出土した「完全な形の鋳型」で、きれいな丸型で残っているのは博物館にある1枚だけなのです。
学芸員・太田さん:
「遺跡の近くにガラス小玉の工房があって、ガラス玉作りの職人たちの住居が存在したのかもしれない。教科書だけの勉強ではなくて、博物館に来て実物を見て刺激を受けていって欲しい。普段生活している足元には、何千年もの歴史が埋まっているということを思い返すきっかけにして欲しい」
(THE TIME,2026年8月3日放送より)