学んだ経験を次の世代へ!日本金融教育支援機構が大阪でつなぐ「金融教育の輪」
2026年7月30日、大阪・難波市民学習センターで「第4回FESコンテスト® 大阪府地区大会」のキックオフイベントが開催されました。大阪信用金庫や近畿産業信用組合、日本生命保険相互会社、大学生運営委員などが集まり、立場や世代を越えて中高生の金融教育を支える新たな取り組みが動き始めています。
「FESコンテスト®」は、中高生がお金について学び、その内容を小学生にも伝わる45~60秒のショート動画にする金融教育コンテストです。昨年度は全国26都府県・174校から897作品が集まるなど、その輪は各地へ広がっています。
今回の大阪府地区大会で印象的なのは、金融機関や大学生によるサポートだけではありません。かつてコンテストに挑戦した受賞者が、今度は司会や審査員として次の参加者を支える側へ。学んだことを誰かに伝え、その経験がまた次の世代へ受け継がれていく――そんな「学びの循環」が大阪で生まれようとしています。
金融機関と大学生が一緒に考える「大阪ならではの金融教育」

7月30日に開催されたキックオフイベントには、大阪信用金庫、近畿産業信用組合、日本生命保険相互会社をはじめ、FESコンテスト大学生運営委員や日本金融教育支援機構の関係者が参加しました。信用金庫や信用組合、生命保険など異なる立場の金融機関が垣根を越えて集まり、大学生とともに中高生の金融教育を支えていくことが、今回の大阪府地区大会の大きな特徴です。
イベント前半では、今年度の大会に向けてプロジェクトの目的や今後の取り組み、それぞれの役割を共有。大学生からは大阪の中高生に届けたい学びや金融機関の担当者に聞いてみたいことが語られ、金融機関側からも、普段の仕事や地域との関わりを踏まえながら、若い世代への金融教育に対する思いが共有されました。

後半に行われたのが、「使う・稼ぐ・納める・貯める・備える・贈る・借りる・増やす」という「お金の8つの力」をテーマにしたワークです。参加者は「お金」から連想する言葉を8つの力に分類しながら、「大阪の中高生に特に伝えたいことは何か」を考えていきました。
さらに話題は、大阪の産業や暮らし、地域の魅力と金融教育をどう結びつけるかというところまで広がりました。金融の専門家だけで考えるのではなく、大学生を含むさまざまな立場の人が意見を持ち寄る今回の取り組み。身近な暮らしと「お金」をつなげながら、大阪だからこそできる金融教育を形にしていこうとするプロジェクトが、ここからスタートしています。
学んだことを小学生へ!全国に広がる「FESコンテスト®」とは?

今回の大阪府地区大会の舞台となっている「FESコンテスト®」は、中高生が金融教育について学び、その内容を小学生にも分かる45~60秒のショート動画にして届けるコンテストです。主催するのは、若い世代への金融教育に取り組む一般社団法人日本金融教育支援機構。大学生も大会の企画や運営に携わり、行政や教育機関、金融機関などと連携しながら中高生の挑戦を支えています。
特徴的なのは、お金について「学んで終わり」ではないところです。中高生は自分たちが得た知識を、今度は小学生にも理解できるように考え、短い動画として表現します。難しい言葉をそのまま使うのではなく、「どうすれば伝わるだろう?」と考えることも学びの一つ。誰かに伝えるという経験を通して、自分自身の理解をさらに深めていく仕組みになっています。
その取り組みは大阪だけにとどまりません。FESコンテスト®は各地で地区大会や関連ワークショップが展開されており、昨年度の第3回大会には全国26都府県・174校から897作品が集まりました。地域によって暮らしや産業、身近なお金との関わり方もさまざまだからこそ、それぞれの地域からどのような作品が生まれるのかも、このコンテストならではの面白さといえそうです。
そして、FESコンテスト®で生まれているのは作品だけではありません。かつて挑戦した中高生が成長し、次は大会を支える立場になるという新たな動きも始まっています。その「学びのバトン」が印象的な形でつながっているのが、今回の大阪府地区大会です。
かつての挑戦者が「支える側」へ――受け継がれていく学びのバトン

今回の大阪府地区大会で、もう一つ注目したいのが、かつてFESコンテスト®に挑戦した受賞者たちの存在です。昨年度の全国大会で最高位となる文部科学大臣賞を受賞した竹田陽響さんは、今年度の大阪府地区大会で表彰式の司会を担当します。コンテストに挑戦した受賞者が、今度は大会をつくる側として帰ってくることになります。
竹田さんの受賞は、大阪で金融教育の輪が広がる一つのきっかけにもなりました。2026年3月には大阪府庁を訪れ、吉村洋文大阪府知事に受賞作品を披露。中高生が学んだことを小学生へ伝えるFESコンテスト®の仕組みについて、吉村知事からも金融リテラシーを高めるうえで意義のある取り組みとして評価する言葉が寄せられています。
さらに、昨年度の大阪府地区大会で大阪府知事賞を受賞した菅原柚奈さんは、今年度のキックオフイベントで司会を務め、表彰式では審査員を担当。全国大会で審査員特別賞、兵庫県地区大会で最優秀賞を受賞した廣瀬稜さんもキックオフイベントの司会を務め、兵庫県・京都府地区大会では審査員として参加します。

「参加する側」だった若者が、経験を重ねて「次の参加者を支える側」へ。その姿は、FESコンテスト®が大切にする学びの循環を象徴しているように感じます。賞を取ることだけがゴールではなく、そこで得た経験が次の誰かの挑戦につながっていく。そんな学びのバトンが、世代だけでなく地域を越えて少しずつつながり始めています。
次の主役は大阪の中高生!3会場で広がる新たな挑戦
キックオフイベントを経て、いよいよ次は中高生たちが主役になる番です。大阪府地区大会では、コンテストへの挑戦をサポートする中高生向けワークショップ「FESコンテストへの道」を大阪府内3会場で開催。8月9日に枚方市総合文化芸術センター、8月14日に近畿産業信用組合本店、8月18日に大阪信用金庫本店で、それぞれ実施されます。
ワークショップでは、まず「使う・稼ぐ・納める・貯める・備える・贈る・借りる・増やす」という「お金の8つの力」について学びます。そして、そこで得た知識を小学生にも伝わる45~60秒のショート動画として形にしていきます。金融知識を身につけるだけでなく、自分なりに考え、誰かに伝えるところまでが一つの学びになっているのがポイントです。
もちろん、動画を作った経験がない中高生だけで挑戦するわけではありません。日本金融教育支援機構の認定講師や大学生運営委員、パートナー金融機関の担当者が、金融知識の学習から動画の企画・制作、コンテストへの応募までをサポートします。世代も立場も異なる人たちが、中高生の「やってみたい」を一緒に支えていく形です。
第4回FESコンテスト®大阪府地区大会の応募期間は、2026年9月15日まで。昨年度の受賞者が今年は大会を支える側へと歩みを進めたように、この3会場から新たな挑戦が始まり、その経験がいつかまた次の誰かへとつながっていくかもしれません。大阪で動き始めた金融教育の輪が、これからどのように広がっていくのか注目したいところです。
学びが次の誰かへつながっていく――大阪から広がる金融教育の輪
お金は、これから先の人生で誰もが長く付き合っていくものです。だからこそ、若いうちから学ぶ機会をつくることはもちろん、その知識を「自分だけのもの」で終わらせず、誰かに伝えていくことにも大きな意味があるのではないでしょうか。
FESコンテスト®では、中高生が金融について学び、小学生にも分かる動画を制作します。そして、かつてコンテストに挑戦した受賞者が大学生・専門学校生となり、今度は司会や審査員として次の挑戦者を支える側へ。そこに金融機関や行政、教育機関など地域のさまざまな人たちも加わり、一つの学びが次の学びへとつながっていきます。
今回の大阪府地区大会も、単に作品の順位を競うだけではなく、こうした「学びの循環」をさらに広げる機会になりそうです。大阪で始まった新たな連携から、これからどんな作品や挑戦者が生まれ、その経験が誰へと受け継がれていくのでしょうか。世代や立場を越えてつながっていく金融教育の輪に、今後も注目です。
一般社団法人日本金融教育支援機構 概要

一般社団法人日本金融教育支援機構は、若い世代をはじめとする幅広い人々への金融教育に取り組む団体です。中高生が学んだ金融知識を小学生にも伝わる動画にする「FESコンテスト®」を開催するなど、学校や行政、金融機関、大学生らと連携しながら、金融について学び、考え、伝える機会づくりを進めています。
公式サイト:https://faincation.com/