熊本地震「車中泊」は避難者数に含まれず…見えない現実と被災自治体の負担減らす「代理寄付」の広がり【Nスタ解説】
最大震度7を観測した熊本地震が発生してから、11日で2週間です。
八代市でもボランティアの受付が始まりましたが、生活再建に向けてはまだまだ多くの課題が山積みです。
【写真で見る】「これが震度7の威力なのかなと」熊本地震 農業やメダカ養殖への打撃も
避難人数は減少傾向も…“車中泊”での避難は数字に表れず
井上貴博キャスター:
気象庁が10日、新たにデータを発表しました。
10日午前10時現在、震度1以上を観測した地震は590回ありました。余震活動は回数としては減ってきていますが、揺れが強かった地域の皆さんに対しては今後1か月程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意してくださいという旨が発表されています。
【午後2時現在】
▼人的被害:211人(死者39人)
▼住宅被害:2万1815棟
▼断水戸数:3万4040戸(1週間前は約4万4000戸)
▼避難:6108人(1週間前のデータは約8500人)
断水は、徐々にではありますが解消しつつあります。
避難人数も減りつつありますが、発表されている人数は指定されている避難所に身を寄せている方のみの人数になります。そのため、「車中泊」などは避難者数に含まれていません。
【10年前の熊本地震】(熊本県の調査より 避難した人2297人が回答)
▼“車中泊での避難経験”:68.3%
▼避難生活が1か月以上続いた人の中で、最も長く避難した場所が「車中泊」と答えた人:31.7%
今回の地震でも、プライバシーなどの観点から車中泊を余儀なくされている方もいらっしゃいます。
これからまだ先も見えないなかで、避難されている方や被災された方はメンタルとどう向き合えばいいのか、何かヒントはありますか?
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
先が見えないというのは、私たち人間にとってとてもストレスなことです。「これがストレスだ」と目の前にわかりやすい事実があるだけでも、実はまったく違います。
今日何をするのがよいのかわからない状態は、心身の健康が前提にあっても、私たちにとって大きなストレス(不快なもの)となります。
大変な状況ではありますが、たとえば「今日はここの周りだけを掃除する」「今日はこの人とお話をする」など、その日のチェックリストを作ることで、意識を違うところに向けることができます。
夜になって「できなかったこと」を数えるのではなく、「その日できた小さいこと」をチェックする行動は、意識を違うところに向けるという意味で心の健康にとって大切になります。
被災自治体への「代理寄付」広がる 職員の業務負担の軽減に
井上キャスター:
私たちができる支援として、次のような動きが広がっています。
【災害緊急支援寄付】(ふるさと納税サイト「さとふる」)
返礼品を受け取らず、災害支援金として寄付するもので、全額が被災した自治体へと送られます。
▼寄付総額(10日午後4時半時点)
熊本県内の18自治体
3億4633万4595円
また、被災自治体の負担軽減のため、全国75自治体が代理寄付を受け付けています。
たとえば宮城県石巻市は、八代市の代理寄付を受け付けています。2011年の東日本大震災で八代市が石巻市をバックアップしたことを機に、2012年、お互い何かあったときは手を携えてやっていこうという「災害時相互応援協定」を締結したそうです。
石巻市の担当者は、「猛暑の中での被災は石巻には経験がなく、理解できる部分は少ないかもしれないが、代行することで八代市職員の業務負担が軽くなり、その分復興に注力してもらえるのでは」と話していました。
冬場の予約もキャンセル…被害少ない観光地にも影響が
井上キャスター:
今回は熊本で起きた「熊本地震」と括られますが、地域によって被害の濃淡は比較的大きいです。地震による被害が少ない観光地にも、大きな影響が及んでいます。
【阿蘇市】(阿蘇市観光協会によると)
▼宿泊キャンセル:約2万5000人分
▼損害:約3億5000万円
(8月6日まで)
【天草市】
天草市観光振興課 担当者
「肌感覚では8~9割のキャンセル。新規予約もないため支援を検討していく」
先々の冬場のキャンセルも出てきているということです。被災地への直接的な支援と、観光を通じた経済支援の両輪が大切なのだろうと感じます。
スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
「ここは大丈夫です」「ここは被災地からこれだけ離れています」という事実を知ることができるのは、SNSやインターネットのいいところです。その事実をもとに行ける人たちが観光に行くことは、一つの大きな支援になると思います。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 心理コンサルティング
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰