第2次世界大戦で、「ニュージーランド軍兵士」として参戦した母子猫 その数奇な運命を振り返る

2026-08-12 06:00

1940年はじめ、北アフリカ戦線とイタリア戦線で「ニュージーランド陸軍の兵士」として従軍した母子猫がいました。戦争で数奇な運命をたどった猫たちを振り返ります。

中尉のベッドを「出産場所」に

出産直後の母子猫

画像はイメージです

第2次世界大戦中、「第20大隊」と「装甲連隊」に所属し、北アフリカ戦線とイタリア戦線でニュージーランド陸軍兵士として参戦した猫たちがいました。

Mrs Rommelは、1941年のリビア戦線で捕獲され、ニュージーランド陸軍に保護されました。大隊がバグシュに戻った後、この猫は2匹の子猫を出産しました。出産場所として選んだのは、Charlie Upham中尉のテントの中にあるベッドでした。それを見つけた中尉は、母猫と子猫への配慮からそのままにしておき、その夜は砂の上で眠ったということです。ちなみに彼は、後にとびぬけて勇敢な戦績により「ヴィクトリア十字勲章」などを授与されています。

子猫たちはそれぞれTiger、Tankieと名付けられました。中尉は「母猫は気が強くてよく噛みつく野良猫で、部隊が野営地を移動する際には、捕獲して一緒に移動させるのにいつも苦労した」と話しています。

残念ながらMrs Rommelは、爆弾により亡くなったと考えられています。

自己主張の強い子猫

がれきの上にたたずむ猫

画像はイメージです

Tankieは宿営係のTom O'Connorさんに引き取られました。「軍猫」は、どんな餌でも丈夫な胃で消化できるのが普通ですが、Tankieはコンビーフ缶詰を食べて何度かひどく体調を崩しました。お腹の弱い子猫だったようです。

それでも生き延びて、大隊と共にシリアへ向かったのです。ある日、軍需品担当将校のトラックに同乗していたこの猫は、「そろそろ路肩で休憩したい」と鳴いて訴え始めました。しかし護送隊を組んで走行しているので、1台だけ停まるのは不可能なことでした。

するとTankieは明らかに動揺し始め、ついに行動を起こしました。開いていたボンネットからエンジンルームに入り込んで駆け上がり、車外へと飛び出したのです。回転するファンブレードに体が巻き込まれなかったのは、まさに奇跡的なことでした。

運と自己主張の強いTankieでしたが、その後1942年6月、大隊がメルサ・マトルーを出発した後に地雷源を通過したとき、爆発に遭って消息を絶ってしまいました。

「王様のような暮らし」も続かず…

がれきの中の子猫

画像はイメージです

もう1匹の子猫Tigerは、輸送小隊でトラック運転を担当していたHamilton伍長(愛称Hammy)のマスコット猫になりました。北アフリカ基地でのキャンプ駐屯を経て、彼はTigerと一緒にイタリア戦線に加わりました。

輸送小隊による庇護のもとで、Tigerは王様のような暮らしを送りました。専用のベッドと、名前と所属部隊が刻まれたエジプトのコインが付いた立派な首輪を身につけていたのです。

ところが地中海を渡ったあとで、不運にもアテッサの街路で車に轢かれてしまいました。大事な猫の死後、失意のHamilton伍長はふたたびエジプトの基地に戻っていったのです。

戦時のアフリカとヨーロッパでニュージーランド軍兵士たちと出会い、数奇な運命をたどった母子猫。人間が始めた戦争で大きな影響を受ける動物たちの姿を、あらためて浮き彫りにしています。

出典:(1) On Land and in the Air

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