学校の水泳授業が減少!?「プールシェア」で教員の負担軽減 “命を守る授業”維持していくには【ひるおび】

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2026-08-13 15:00
学校の水泳授業が減少!?「プールシェア」で教員の負担軽減 “命を守る授業”維持していくには【ひるおび】

今、学校でのプールの授業が減少傾向にあるといいます。
街で聞いてみると・・・
「3、4回ぐらい。」(小学5年生)
「夏休みまでの一学期だけでもうプールの期間が終わっています。」(小学生の母)
「回数がすごく減った感覚があって、私たちの時は毎週1時間くらいあった気がしたんですけど、今は月に1回とか、トータルで3回とかしかない。泳ぐ経験があったほうが安心感はありますね。」(小学生の母)

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水泳の授業 減少の背景は?

水泳の授業が減ってしまった理由には、▼猛暑▼プールの老朽化▼教員の負担の3つが考えられます。

環境省の「熱中症環境保健マニュアル」によると、水中でも発汗や脱水があり、屋外プールでの水泳練習中に熱中症を発症する可能性があります。
また、プールサイドはコンクリートのところが多く、日よけがなければ炎天下で高温となってしまいます。
「熱中症警戒アラート」が出たらプールの授業を中止する学校もあり、最近はゲリラ雷雨なども増えていて、学校での授業継続のハードルはますます高くなっています。

▼プールの老朽化

スポーツ振興法が制定された1961年以降、国からの補助金で全国各地の学校で次々とプールが造られることになりました。
東京五輪のあった1964年ごろに整備が進んだため、多くのプールが設置されてから50~60年経過しています。

▼教員の負担が大きい
水泳指導の難しさに加え、水温や塩素濃度のチェックや掃除など、プールの維持管理にも労力がかかります。

水泳教育の新しい形「プールシェア」

こうした中、大田区の小中学校では「プールシェア計画」が進められています。
拠点校に屋内プールを新しく作り、1キロ圏内の小中学校のプールの授業をそこで行うという取り組みです。
暑さに左右されることなくプールの授業が実施できる上、インストラクターを配置することで教員の負担軽減にもつながると言います。

大田区教育委員会事務局 小野澤行平担当課長
「教育の内容が増えてきたり変化していく中で、屋内の温水プールを使えると計画的にできる。また、自校のプールじゃないところは維持管理の必要性がないんですね。
先生方の負担が軽減するということは、その時間を子どもたちに向き合う時間に使えますので、一番大事なところはここだと考えています。」

現在、この拠点校を使用したプールシェア計画には43校が参加しています。
他にも、民間プールや区民プールなどを活用するなど、様々な計画が進められています。

プールシェアには、コスト面でもメリットがあります。
大田区には築年数の古いプールが多く、今後も使用するためには老朽化対策が必要です。
試算では、80年間利用すると想定した場合、既存のプールを維持・管理するのに17.1億円かかりますが、プールシェアにすると、拠点校の新しいプールの建設費・インストラクター費・施設利用料などを合わせて6.5億円なので、1校あたり10億円以上のコスト削減になります。

水泳指導法を研究 日本大学 野口智博教授 :
素晴らしい取り組みだと思います。
実は体育館にエアコンを一気に設置するときにも予算が嵩みます。
このプールの事例から、これから体育館やグラウンドなどのスポーツ施設をいろいろな学校が合同で使うなどの発展系が見えてくるんじゃないかと期待しています。

プールシェアは全国でも広がっています。

◆東京都葛飾区
今年度から小学校28校でプールシェアを実施
さらに区営の屋内温水プールの新設案も

◆石川県小松市
今年度から小学校9校が民間のプールを活用

◆福岡県太宰府市
2025年度から小学校全7校が民間のプールを活用
屋外のプールを解体して学童保育所を整備予定

プールシェアの今後の課題として、野口教授は以下の点を挙げています。

▼利用する学校同士の時間調整
▼施設まで移動する際の安全確保
▼インストラクターなどの指導者不足

プールシェア以外の水泳授業も

スポーツクラブ「ルネサンス」は、6年前から民間委託を開始し、2025年には全国で135校の水泳授業を受託・指導しています。

水泳授業を担当する、ルネサンスの吉成太紀さんは
「屋内のプールならば年間を通して水泳授業ができる。
学校の先生たちとコミュニケーションを取って、各学校やクラスの目指す教育に合わせたサポートをしていきたい」と話していました。

“命を守る”水泳授業を守るには

野口氏は、今後水泳の授業は「継続させるべき」だと考えています。
防災意識の向上も期待できるため、多様な水難事故に対応できるスキルを身につけられることが理想だとしています。

弁護士 八代英輝:
日本は周囲を海に囲まれていますし、川も急だったり水害もあったりしますから、何らかの時に泳げる、あるいは水が怖くないという要素は大事ですよね。

日本大学 野口智博教授:
東日本大震災の津波から生還された方々にインタビューしたことがあるんですけども、皆さん水泳教育の必要性や、「着衣泳」の教育を絶対にやるべきだというお話をされてました。
やはり小さい頃から防災意識を育んでいくのは大事だと思います。

≪服を着たまま泳ぐ「着衣泳」の重要性≫
・服の中に空気が入り浮力を得られる
・靴は浮力の補助に
・肌と肌の間に温まった水が溜まり体温の低下を防ぐ

日本大学 野口智博教授:
靴はスニーカーだと浮きますから浮力体としては非常に有効です。靴を履いた状態でどうやって足を動かせばいいか学習しておくと有利な点がありますね。
やはり練習しておくのが大事ですし、これは座学ではどうしても無理ですよね。
実際にやっておくことが必要だと思います。

(ひるおび 2026年8月10日放送より)
==========
<プロフィール>
野口智博氏
日本大学文理学部教授
水泳指導法を研究
日本スポーツ協会コーチデベロッパー

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