「エアコンも水も出ない」千葉豪雨で地下の電気設備が水没…停電続くマンションや病院 “最新対策”上回った想定外の雨【Nスタ解説】
千葉県を襲った記録的な豪雨では、地下の設備が水没するケースが相次ぎ、今も停電が続く病院やマンションがあります。
これほどまでに水があふれたのは、最新の浸水対策を大きく上回る想定外の雨量が原因でした。
【写真で見る】想定外の千葉豪雨で保育園や病院が… 地下電気室の浸水で相次ぐ停電
保育園は床上56センチの浸水被害「次回があったらどうなっちゃうのか」
13日に千葉県を襲った記録的な豪雨により、死者の数はさらに増えて男女13人となり、1人が行方不明、床上・床下浸水は2314棟にのぼっています。
18日、千葉・大網白里市にある大竹保育園では、懸命の復旧作業が行われていました。
園長によると、今回の豪雨で床上56センチまで水が来たといいます。
実は大竹保育園では、2023年9月の台風の際も浸水し、さらに2019年にも浸水被害があったそうです。
大竹保育園 成島麻美子 園長
「万が一、次回があったらどうなっちゃうのか。ちょっと怖いですよね」
千葉市にある山王病院では、今も通常の診療ができていません。
その原因は「停電」です。
病院やマンションは地下の電気設備が水没 停電続く
豪雨があった13日の夜に撮影された映像には、病院の地下にみるみるうちに水があふれていく様子が映し出されていました。
地下には電気設備があったそうですが、すべて水没してしまったということです。
山王病院 谷嶋隆之 院長
「通常の外来の検査等々できませんので、今日から少しずつ対面の診療を再開はしてますが、薬の処方が中心になります」
地下の浸水のせいで停電が続いているマンションもあります。
記者
「このマンションでは地下の電気設備が浸水し、水が肩の高さまで来たといいます」
マンションの住人
「こんなに暑いけどエアコンがだめ。(蛇口を)開けても(水が)出ないし。こんな状況をみんな知らないから、助けてくれる人がいたら嬉しい」
なぜ、これほどまでに街に水があふれてしまったのでしょうか。
最新対策を上回る雨量 “地下神殿”がキャパオーバー状態に…
千葉市中央区にある公園のマンホールから下に降りると、2025年7月から運用が始まった「宮崎雨水貯留槽」があります。
千葉市 建設局 下水道施設部 雨水対策課 根木義治 課長
「こちらの1350の管を通りまして、こちらの貯留槽の方に水が入ってくるという仕掛け」
大雨が降った時に街が浸水するのを防ぐため、雨水を一時的に貯める施設ですが、その容量はなんと25mプール28杯分だそうです。
千葉市 建設局 下水道施設部 雨水対策課 根木課長
「(宮崎雨水貯留槽内の)上の方まで草木がきておりますので、水が満杯になったと」
千葉市内には、同様の施設が計3つあり、プール54杯分の水がためられますが、今回の豪雨ではすべて満水になり、水があふれてしまいました。
宮崎雨水貯留槽は、1時間雨量で65.1ミリまで対応できますが、今回の豪雨では115ミリと、許容範囲をはるかに超える雨が降りました。
千葉市 建設局 下水道施設部 雨水対策課 根木課長
「本当に歯がゆい思いでいっぱいでございます」
最新の施設でも歯が立たなかった想定外の豪雨。
千葉市は、さらにもう一つ地下貯留槽を建設中ですが、それでも足りないとしていて、対応策は決まっていません。
送電に問題なくても暗闇に…地下電気室の浸水で相次ぐ停電
井上貴博キャスター:
集中豪雨が増えている中でどこまで想定しておくべきなのか。コストと天秤にかけながらということになりますが、自治体としても悩ましい判断が続いているようです。
東京電力のHPによると、18日午後5時半時点で、千葉市内全域停電はなく、市原市で約30軒の停電が発生していると表示されています。
しかし、千葉市によると18日時点で、中央区で11棟、美浜区で1棟、マンションの停電が確認されています。
東京電力のHPの「停電なし」とは、あくまで送電設備での問題はないことを指しています。よって、東京電力の範疇を超える地下の電気室などで起きた浸水被害で、停電が発生するわけです。
千葉大学の鈴木雅之教授によると、「繁華街などでは1階を店舗などに活用するため、電気室を地下に設けることも多い。既に地下にある施設を移動させるのは難しく、浸水対策を徹底してほしい」ということです。
出水麻衣キャスター:
病院などでも地下に電気設備があった場合、被害は水だけではなく、人命にもかかわってきますよね。
だからといって建物を作り変えることもできないので、どう対策していくのか、頭が痛い事態は続きますね。
井上キャスター:
新たにマンションを建てる際、地下ではなく上層階に電気室をという流れはできつつありますが、非常に難しい状況が続きそうです。