千葉豪雨1週間 いまだ深く残る爪痕、予測が困難?豪雨発生のメカニズム【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-20 20:00

千葉県の記録的豪雨から1週間。被害を受けた地域の現状、そして被害が拡大した背景、そこから私たちは次にどんな対策が練れるのか考えます。

【写真を見る】雨が降り続けたのはなぜ?千葉豪雨発生の3つの要因

ハザードマップと重なる被害 “命を守る”情報の確認を

出水麻衣キャスター:
千葉豪雨による被害状況を見ますと、被害の傷跡が大きかったことがわかります。

【千葉豪雨による被害状況】※消防庁 20日午前10時発表
▼死者:13人
▼行方不明:1人
▼負傷者:44人
▼住宅被害:2851棟

今回の豪雨には、どのような特徴があるのでしょうか。

TBS報道局社会部 本杉美樹 記者:
亡くなった方が見つかった場所と「ハザードマップ」を重ねて分析しました。

「ハザードマップ」は千葉市が発表しているもので、黄やピンクの色が付いているエリアが激しい雨による洪水や浸水が想定される場所です。

今回亡くなった方が発見された場所と照らし合わせてみると…

▼千葉市中央区の国道にあるアンダーパスで、車内にとじ込められ亡くなった40代男性の場合は、水位がかなり高くなる赤色で示されています。

▼柏市の冠水道路で車内にとじ込められて心肺停止になり亡くなった70代女性も、浸水が予想される区域でした。

ほかの箇所でも、ハザードマップの危険区域とおおむね整合していることが分かりました。

今回、浸水想定区域外で冠水したという報告も多くありますが、まずは事前にハザードマップを確認することが重要です。「危ない」とされているエリアは本当に危ないので、近づかないことが大切です。

全国初の「レベル5大雨特別警報」発表 命を守る避難のタイミングとは

出水キャスター:
避難行動の目安となる情報として、「警戒レベル」もあります。

今回、全国で初めて、最も危険度が高い「レベル5大雨特別警報」が発表されました。

この情報の意味と、取るべき行動について、改めて整理しておきましょう。

【警戒レベル】
▼レベル3相当 
「高齢者等 避難」
避難に時間が必要な人は早めに避難・準備など

▼レベル4相当 
「避難指示」
危険な場所から全員避難

▼レベル5相当
「緊急安全確保」
命の危険 すぐに安全確保

今回の豪雨のような場合、外に避難すればよいというわけにもいかなかったと思いますが、どのようにこうした情報を活用していけばよいのでしょうか。

TBS報道局社会部 本杉美樹 記者:
避難情報を見る際に、レベル4で避難を呼びかけて、レベル5でより強く避難を呼びかける、という認識を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

レベル5は、すでに安全に避難できるタイミングを逃しており、今からの避難は手遅れであることを意味します。

無理に立ち退き避難を目指さず、家の2階に身を置くなど、その場でできる命を守る対応を呼びかける情報です。

したがって、レベル4の段階で避難し終えることが重要となります。

出水キャスター:
外に車や畑を見に行ったりせずに動かずにいることも重要なのでしょうか。

TBS報道局社会部 本杉美樹 記者:
防災において大切なことは、適切な行動を取ることと、しない方がいいことをしないことです。

逃げるといった行動は頭に浮かびやすいと思いますが、本当に切羽詰まった状況になった場合、「今これをすることでかえって危険に陥らないか」を一度考えてみることはとても大切です。

レベル5の段階は、そのような状況だということを頭に置いておいてほしいと思います。

予測が困難?千葉豪雨発生の3つの要因

出水キャスター:
今回の雨は、なぜこれだけの豪雨になったのでしょうか。

TBS報道局社会部 本杉美樹 記者:
上空に強い寒気があり、そもそも大気が非常に不安定な状態で、朝から雨が続いていました。

午前中までは雨雲は内陸へと流れていたのですが、夕方ごろになると、雨雲が千葉県上空から離れなくなりました。

これには3つの要因があります。

▼朝からの雨で内陸側が冷え、分厚い冷気となり、海に向かって噴き出す風になっていました。

▼海側からは、日本の東の高気圧の縁を回り、湿った南東風が流れ込んでいました。

▼高気圧の影響で吹いていた東風が、山に曲げられ、湿った北東風として千葉に流れ込みました。

これらの3つの風がぶつかったことで、雨雲が千葉上空で停滞し、同じところに激しい雨が降り続く状況になりました。

特に夕方には、内陸の冷気がかなり分厚くなり南東からの風が乗り越えられなくなって、同じ所で次々と積乱雲が立ち上がる原因となりました。

出水キャスター:
今回の豪雨は、線状降水帯の発生もあり予測が困難だったことも、被害を拡大させた要因かもしれませんね。

井上貴博キャスター:
いくつかの悪条件が重なって、今回は千葉で豪雨が起きましたが、日本一広い関東平野のどこで起きてもおかしくなかったわけですよね。

これを予測できるかというと、線状降水帯やゲリラ雷雨、関東での雪といった天気は、今の気象技術をもってしても予測するのは非常に困難であるといわれています。

そうした場合、自治体も国も、過去の災害の経験を踏まえ想定していますが、それ以上の想定が必要になります。そうするとコストもかかり、どこに落とし所をつけるのかは非常に難しいですね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
首都圏は東京に向けて道路や鉄道が放射線状に流れているので、千葉のあたりはどうしてもアンダーパスが多くなります。

普段から「アンダーパスは大雨の時は危ないですよ」といった掲示を作るぐらいの対応をすることが必要だと思います。

20~22日に「関東でゲリラ豪雨発生」の可能性 注意点は?

出水キャスター:
今後の天気ですが、気象庁によると、20~22日にかけて関東でゲリラ雷雨が発生する可能性が高くなっています。どのような注意点が考えられますか。

TBS報道局社会部 本杉美樹 記者:
千葉では、土砂自体に1週間前の雨の水分が残っている状況ではないものの、法面が崩れた場所などはさらに崩れやすい状況になっています。

わずかな雨でも影響が出る可能性があり、いつも以上の注意が必要となります。

出水キャスター:
気象情報にくれぐれも注意してください。

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<プロフィール>
本杉美樹
TBS報道局社会部気象・災害担当
気象予報士の資格も取得

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

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