子どもがいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」

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2026-08-24 17:30
子どもがいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」

子どものいない女性同士がつながれる場

子どものいる女性は親同士のコミュニティが自然と出来上がりますが、子どものいない女性同士がつながる場というのはなかなかありませんでした。そこでリアルに会って話せる交流会や、24時間オンラインでつながれるような場を作ろうと2012年に発足したのが「マダネ プロジェクト」です。

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「マダネ(madane)」とは、フランス語の「mademoiselle(マドモアゼル)」と「madame(マダム)」の中間に位置する、新しい女性像を表す言葉として名付けた造語です。マダネの「ネ」は、新しいを意味する「neo(ネオ)」を組み合わせています。

代表のくどうみやこさんは「マダネ プロジェクト」を立ち上げたきっかけについて、こう話します。

私は子どもの頃から将来は結婚して子どもを持つ人生を歩むだろうと自然に想定していたのですが、42歳の時に子宮の病気が発覚して産むことが叶わなくなってしまったんですね。それが子どものいない人生が確定したっていうことになるんですけれど、でも子どものいない人生っていったいどんなものなんだろうと、自分の周囲にロールモデルがいなかったので、ちょっとよく想像ができなかったんです。当事者の方に集まってもらって、それぞれの思いとか本音を聞いたっていうのがきっかけです(代表・くどうみやこさん)

中心となるのは昭和生まれ世代

くどうさんの身近な人から話を聞き始め、今では1000人近くの人が参加しています。年齢は20代から80代までと幅広く、中心となるのは肉体的にも子どもを持つことが難しくなると言われる40代から50代前半です。

ちょうどこの年齢の人たちは昭和生まれ世代。“子どもを産むことが普通、子どもがいるのが幸せ”という価値観の中で育ちます。一方で、最近増えているのが30代の参加者です。平成生まれの“みんな違っていい”という教育を受けた世代で、昭和世代に比べて「子どもを持たない」とはっきり言えたり、気持ちの整理にかかる時間も違ったりします。それでも心のどこかにもやもやしたものを持ち続ける人は多いと言います。

一方、60代以上の参加者で、今はスタッフとして手伝っている薮垣さんは2回の流産を経験され、その後、卵巣の手術をしたときにお医者さんに子どもはもう難しいと言われたそうです。当時37歳。落ち込んでも誰かに話すこともできず、日々仕事をバリバリこなし、自分で立ち直るしかなかったと言います。

泣く場所がある、みんなと同じだと共有できる。私としてはすごい進歩であり、人前でも話ができた。そうすると、すごく気持ちが楽になったんです、言葉に出してそんなに人に言わないですから。本当に仲の良い同級生の友達にも言わないですから。なのですごいなって思ったんです、こうやって吐き出すってことで、人間こんなにも軽くなれる。吐き出しても聞いてもらえる、共感してもらえる、これってすごいなって私自身思ったんです。(薮垣さん)

友達にも誰にも言えなかった気持ちを、この集まりでは自然と話せたそうです。くどうさんは「参加者にはシングルや、夫婦、事実婚の方とそれぞれいますが、同じ立場の女性同士、腹を割って話しやすいということで、誰でも安心安全に吐露できる」と話していました。

そしてもう1人、4年前に参加して最近はスタッフとして手伝っている君野さん。33歳で結婚し、自分で選択して子どもはいらないと決めました。しかし40歳を過ぎて子宮の病気をきっかけに子どもが欲しいと思い不妊治療を開始。10年間続け、やめ時がわからなくなっていた時に「マダネ プロジェクト」に出会います。

私は治療をしていて、それで子どもができなかった。若いときの選択肢がちょっと違ったのかもしれないという後悔で落ち込んだり、老後の不安だったり、職場での「子あり」「子なし」の違いのストレスなど、いろいろ感じる中で、みなさんとそういう気持ちを共有したり、先のことを一緒に考えられてちょっと安心したんです。だけど、やっぱりたまに過去の後悔だったり、これからのことを考えて今でもたまに落ち込みます。でも日々はおかげさまで前を向いて歩けるようになったかなと思っています。(君野さん)

グランマダネは道しるべ

今回取材を通して、みなさん仕事や遊びに毎日忙しく飛び回っていて、キラキラ輝いているのが印象的でした。それでもやっぱり「年に1度くらいチクッと胸が痛む」と話します。代表のくどうさんは「マダネ プロジェクト」の参加者の中で60代以上の方はちょっと特別な存在だとして、このように話しました。

60代以上の子どもがいない先輩のことを【グランマダネ】と総称で呼んでいます。個人差がありますが、60代を過ぎると、気持ちもだいぶ一区切りついてきて、例えば今まで子どもがいる・いないで少し枝分かれしていた学生時代の友達との縁が復活したり、趣味とか旅行を楽しんだり、今が一番楽しい!と人生楽しんでいる人たちが多いんです。ただ一方で、60代以上の方って、私たちの世代よりもすごく強い同調圧力があったり、もっと「子どもがいて当たり前だ」みたいな時代だったと思うので、そんな苦しみを抱えながら、でも今はイキイキ楽しそうにしているグランマダネを見て、私も参加者のみなさんも元気をもらっていますし、励みとなっているので欠かせない存在です。(代表・くどうみやこさん)

グランマダネがいることで、その先輩たちの背中に安心する人も多いと言います。また「おひとりさま」という言葉も浸透し、日本は1人で暮らしやすい国だと言われていますが、やっぱり老後の不安はついてまわります。くどうさんは「こんなサービスが始まったよ、など情報提供しあいながら、ゆるく長く繋がり、孤立しないように支えあえたらいいな」と話していました。

今年は秋以降、東京で交流会を予定しているそうなので、参加してみたい方は「マダネ プロジェクト」のFacebookをご確認ください。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:TBSラジオキャスター楠葉絵美)

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