米国制裁の対象となったICC赤根智子所長 「法の支配の最後の砦を守り抜く」覚悟と今後の日本について問う【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-26 14:10

アメリカから制裁の対象にされたICC=国際刑事裁判所の赤根智子所長がJNNの単独取材に応じました。「世界が日本を見ている」「法の支配」に対する圧力に日本は負けてほしくないと訴えています。

【写真を見る】「日本が圧力に負けるのか世界が見ている」単独取材に応じるICC赤根所長

「クレジットカードは使えなくなっている」ICC赤根智子所長が米国制裁の対象に

――制裁の対象になったことについて

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長
「『次は私かな』という気持ちはあった。その準備というか、心構えというのはできていた。ただやはり“来たのか”というところにおいては、まったく動揺がなかったといえば嘘になる」

アメリカのトランプ政権から、制裁対象に指定されたICC(国際刑事裁判所)の赤根智子所長は25日、JNNの単独取材に応じました。

――動きを止めようという意味で言うと、実害として現状はどうか?

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長

「少なくともクレジットカードは使えなくなっている」

――もう使えなくなっている?
「はい」

赤根所長への制裁 国連やEUは反発

ICC(国際刑事裁判所)は、戦争犯罪などを追及するために2002年に設立された国際司法機関です。加盟国は現在、125の国と地域。ただ、アメリカや中国、ロシア、イスラエル、イランなどは加盟していません。

赤根所長はそのICCのトップに2年前に就任。

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長(2024年6月)
「政治的な圧力に屈しないし、そういう圧力自体があってはいけない」

就任直後、ICCはガザ攻撃をめぐってイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出しました。盟友・ネタニヤフ首相への逮捕状に、トランプ大統領は強く反発します。トランプ氏はかねてICCについて「管轄権も正当性もない」と批判。ICCの判事や検察官らを制裁の対象にしてきました。

そして今回、赤根所長への制裁に踏み切ったのです。

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長
「私は確かに個人としては、何の理由もなく制裁に遭っているが、ICCの所長として、まずICCを守らなきゃいけない。そして職員も守らなきゃいけない。そして、世界の法の支配の最後の砦となるICCを守り抜くことによって、世界の法の支配というものが廃れていかないようにしなくてはならない」

トランプ政権による赤根所長への制裁が発表されると、国連は「深刻な懸念を表明」。EUも「圧力と脅威から裁判所と職員を守る」として、「ICCへの揺るぎない支持」を打ち出しました。

――いろんな支援の声は耳に届いていますか?

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長

「今朝見たところでは、7万5000を超える署名がすでに来ていて、私自身も非常に力を得ている。これは、ICCに対する応援であるとともに、日本国民が自分のこととして、この事態を受け取ってくれているものと感じている。政府も、国民の声を無視することはできないというふうには思っている」

「日本が圧力に負けるのか 世界が見ている」日本の対応は?

今回の制裁に、日本はどのように対応するのか。25日、高市総理は記者団の前でこのようにコメントしました。

高市総理
「(米国側に)必要なタイミングで必要な働きかけを行ってまいります。あまり今の時点でですね、『これをやります』とか『こういった懸念事項があります』と言うことは(日本側の)手の内を見せることになります」

また制裁に対し「大変残念に思う」との自らのコメントが、野党などから“弱腰”と批判されたことについては、「弱腰との批判はあたらない。アメリカに対してギリギリまで働きかけを続けてきた」と主張。「今回の措置は日本の立場と相いれず、大変深刻に受け止めている」と語りました。

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長
「日本はICCに対して、これからも支援をし続ける。そして、絶対に脱退をしないんだということを、はっきりと表明していただきたい。周辺諸国の中で、ICCに加盟している国、締約国となっている国はたくさんあるが、そういう国々も日本を見ていると思う。日本がそういう圧力に負けるのか、あるいは、そういう周辺国と協力してICCを支えようとしていくのかということは、世界が見ていると思う」

赤根所長は最後に、このように話しました。

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長
「自分のこととして、いろんな形で、日常生活において、私たちは何をすればいいのかということを考えていただければありがたい。特に、日本の制度などに関しては、私は今も法の支配の下で十分機能していると思うが、将来的に本当にそうあり続けられるのだろうか。そういうことも含めて、考えていくべき時期ではないかと思う。難しいことではあるが、世界で力の正義が横行するようになる中で、それが当たり前のような世界・社会になってしまわないかということも、私は恐れている」

米国制裁の強烈さ… AmazonやGoogleのアカウント突然停止も

藤森祥平キャスター:
この制裁とは、どんなものなのか。

・アメリカの入国禁止
・金融機関の制限
・アメリカ国内の資産凍結

などが例としてあげられます。
赤根所長は、すでにアメリカ系のクレジットカードが使えなくなっているということでした。

また、2025年に実際に制裁を受けたICCの判事によると、AmazonやGoogleのアカウントが突然停止。荷物が届かず、購入済みの電子書籍も端末から消えてしまったそうです。

ライター ブレイディみかこさん:
AmazonやGoogleの名前を聞いて浮かぶのは、トランプ大統領の就任式の時、壇上にテックジャイアントの企業の代表たちがずらりと並んでいました。あの姿に何か不気味なもの、異様なものを感じたという人が多くいました。

テックジャイアントがトランプ政権と一体となり、こういう制裁を始めてるのかと思うと、強い危惧を感じます。

もちろん、クレジットカードはそうですが、GmailやAmazonとかいうテクノロジーやプラットフォームが現代で使えなくなるということは、ある意味ライフラインを断たれたようなものです。

これは水や電気を絶たれることと似ているような部分があるので、本当に個人への制裁というのは、ぞっとするものがあります。

「日本を頼りにしている」日本は制裁にどう対応するのか

上村彩子キャスター:
そんな状況で、赤根所長は私達の取材に対し、「私としては日本を頼りにしています。『法の支配』の理念を崩してはいけない」と訴えました。

一方、高市総理は25日の夕方、「(アメリカ側に対し)必要なタイミングで必要な働きかけを行う」と記者団に話しました。

藤森キャスター:
注目されている日本側の対応ですが、法の支配が揺らいでいる中で、アメリカに対して国連やEUは、素早く様々な強い反応を見せています。

ライター ブレイディみかこさん:
イギリスのバーナム新首相は、首相となり早い段階で「もしも、トランプ政権がイギリスの国益を損なうようなこと、またはそういったことを発言した場合、自分は断固として批判していく」ということを発言しています。

これは、前首相がその辺りおよび腰となり批判され、支持率が落ちた部分もあります。なので、それをすごく意識した発言だったと思います。

いま、イギリス国内ではトランプ大統領の好感度や人気は非常に下がっていて、不支持率が85%を超えていたりします。そういった国民の世論もあり、国のリーダーがそういう発言をしていく、そして国民を安心させていくという循環があります。

赤根所長は「世界は見ている」とおっしゃっていましたけど、日本に関してもそのようなことはあります。特に「日本はどうするんだろう」と、日本政府が送った人が制裁にあったとき、日本はどう出るのか。世界は見ていると思います。

イギリス政府は、上院議会でもこの問題が扱われていて、制裁は批判する、間違っているという立場を明らかにしています。

========
<プロフィール>

ブレイディみかこ
1996年から英国在住
100万部ベストセラー著書も
新著『それはどこでも起こり得る 壊れゆく世界への抵抗』

  1. 【速報】ブラジル大統領選挙・決選投票 左派で現職のルラ候補が勝利 ボルソナロ氏破り再選 生活保護支給額の増額などで票獲得
  2. 猫におててを開いてほしくて、自分の手をパーにして見せていたら…予想外の『可愛すぎる行動』に「悶絶した」「たまらん」と8万再生
  3. 生後12日目の『秋田犬の赤ちゃん2匹』→寝相を比べてみた結果…とんでもなく尊い『眠り方の違い』が33万再生「こんな個性でるんだ」「天使」
  4. キャットタワーで寝ている猫を見たら…まるで別の生き物のような『衝撃の光景』に「二度見したww」「やっぱり液体じゃないか」と11万表示
  5. 母に『おんぶ』されたい犬→仕方なくリュックの中に入れてあげて…5歳とは思えない『赤ちゃんすぎる光景』が33万再生「甘えん坊」「癒される」
  6. 【 バービー 】北海道の実家へ帰省 かぼちゃにお絵描きするわが子に「え、わたし草間彌生産んだ?」
  7. 「すべてが完璧でした」稲本潤一氏がJ2大宮の“ホットライン”絶賛!わずかな隙間を射抜いたカプリーニ&泉柊椰の連係ゴール【KICK OFF! J】
  8. 職場で約8,000人ががん検診を受診!国際会議で紹介された予防と社会復帰を支える取り組み
  9. 突然『助けて!』と夫の叫び声→すぐに駆け付けたら『大型犬の赤ちゃんたち』が…まさかの光景に絶賛続々「羨ましい以外にない」「私もされたい」
  10. 元台風30号の影響で九州から関東で大雨のおそれ 最高気温は前日より10℃低い所も 今週は季節進みコートが必要な寒さに
  1. 【 バービー 】北海道の実家へ帰省 かぼちゃにお絵描きするわが子に「え、わたし草間彌生産んだ?」
  2. 母に『おんぶ』されたい犬→仕方なくリュックの中に入れてあげて…5歳とは思えない『赤ちゃんすぎる光景』が33万再生「甘えん坊」「癒される」
  3. 生後12日目の『秋田犬の赤ちゃん2匹』→寝相を比べてみた結果…とんでもなく尊い『眠り方の違い』が33万再生「こんな個性でるんだ」「天使」
  4. 猫におててを開いてほしくて、自分の手をパーにして見せていたら…予想外の『可愛すぎる行動』に「悶絶した」「たまらん」と8万再生
  5. 元台風30号の影響で九州から関東で大雨のおそれ 最高気温は前日より10℃低い所も 今週は季節進みコートが必要な寒さに
  6. 突然『助けて!』と夫の叫び声→すぐに駆け付けたら『大型犬の赤ちゃんたち』が…まさかの光景に絶賛続々「羨ましい以外にない」「私もされたい」
  7. キャットタワーで寝ている猫を見たら…まるで別の生き物のような『衝撃の光景』に「二度見したww」「やっぱり液体じゃないか」と11万表示
  8. 職場で約8,000人ががん検診を受診!国際会議で紹介された予防と社会復帰を支える取り組み
  9. 「すべてが完璧でした」稲本潤一氏がJ2大宮の“ホットライン”絶賛!わずかな隙間を射抜いたカプリーニ&泉柊椰の連係ゴール【KICK OFF! J】
  10. 保育園に行っている娘に内緒で『子犬をお迎えした』結果→『大喜びする』と思ったら…まさかの光景が237万再生「可愛い」「しっかり者すぎる」
  11. アメリカ民主党下院議員、中間選挙勝利に自信 JNNがインタビュー
  12. 鉄道駅で働いて大人気になり、昨年引退した猫が「虹の橋」を渡る ネット民からも惜しむ声多数