熊本地震1か月 八代市で史上最高39.2℃観測 2.5万戸の断水解消も「猛暑の避難生活」に課題残る【news23】
震災からまもなく1か月を迎える熊本。最大震度6強を記録した八代市ではこの日、観測史上最高となる39.2℃を観測しました。市内全域およそ2万5000戸で起きていた断水は解消されましたが、真夏に起きた災害ならではの課題もあります。
【写真で見る】今回の“熊本地震の復興提言”(自民案) 2016年「九州ふっこう割」では課題も浮上
八代市で史上最高39.2℃観測 厳しい暑さの中の避難生活
震災からまもなく1か月を迎える熊本。最大震度6強を記録した八代市では26日、観測史上最高となる39.2℃を観測しました。
記者
「強い日差しが照りつけていて、立っているだけで汗が吹き出てくるような暑さを感じます」
市内全域で一時約2万5000戸が断水していましたが、復旧作業が進み、26日に全面的に解消されました。
一方、井戸水を使っている約4400世帯で「水が出ない」「濁っている」などの不具合が続いています。
下水道管の歪みがないかを調べていた作業員は...
下水道の管理業者
「私たちは熊本県の皆さんが、一刻も早く普通の生活に戻れるように頑張っていきたい」
夏まっただ中に起きた今回の地震。日々続く暑さは避難生活を困難なものにしました。
車中泊で亡くなる人も... 避難生活で命を落とす「災害関連死」の存在
地震発生翌日(7月29日)の八代市内の避難所では、屋外に出て過ごす人たちの姿が見られました。建物に入れない訳ではなく、施設の水と電気が止まり、暑さをしのぐために外にいるのです。
避難所の女性
「冷房が入らないので。外なら風がときどき来る」
「体調は気が張っているので」
文部科学省によりますと、2026年5月1日時点で指定避難所となっている八代市の公立小中学校の体育館などへのエアコンの設置率は4割未満です。震度7を観測した宇城市と氷川町では、一校も設置されていませんでした。
その中で車中泊を選んだ人もいます。宇城市の男性は、他の避難者に気を遣う必要がなく、エアコンを使えることから被災した自宅の前で車中泊をしました。
宇城市の男性
「こんな感じで(運転席の)シートを倒して」
「時期がもうちょっと涼しい時ならよかった。この暑さは...クーラーがあるから車で寝られるけど」
一方、車内で亡くなった人もいます。氷川町では7月30日、車中泊をしていた70代の女性が熱中症の疑いで死亡しているのが見つかりました。車はガソリンが切れていて、エアコンは効いていませんでした。
10年前の地震で浮き彫りとなったのは、揺れによる直接的な被害ではなく避難生活で命を落とす「災害関連死」の存在です。
今回の震災からまもなく1か月。猛暑の中、被害を最小限に抑える対策が求められています。
政府が作成「熊本地震の復興提言」 九州への“旅行割”も
藤森祥平キャスター:
厳しい日々を重ねながら、28日で熊本地震発生から1か月になります。そのタイミングに合わせて、政府が被災した方への支援パッケージを決定することにしました。
上村彩子キャスター:
それに先駆け自民党は26日、猛暑下での健康管理や仮設住宅の整備などの支援を盛り込んだ、復興のための提言を高市総理に手渡しました。
その中で、特徴的なものは以下のようになっています。
【“熊本地震の復興提言”】自民案
▼多重被災者への“ローンの猶予”
▼井戸復旧など
▼“九州全県”への観光支援
10年前の地震や豪雨などの▼多重被災者への“ローンの支払いの猶予”、▼井戸・農業用水・ため池の復旧に向けた支援策、そして▼観光支援策です。
今回の地震は夏休みということもあり、旅行や宿泊のキャンセルが相次いだことから、九州全県を対象とした支援策の早期実施が提案されました。高市総理は支援パッケージに反映させる考えを示しています。
必要な人たちに必要なものを 物資だけでなく心のケアも
トラウデン直美さん:
地域の特性に合った支援策を提言している印象を受けますが、本当に必要な人たちに支援が行き届くのでしょうか?
上村キャスター:
野村総研エグゼクティブエコノミストの木内登英氏によると、2016年の地震の際にも、九州全県を対象に宿泊代などを補助する「九州ふっこう割」が実施されました。ただ、観光客が増えたのは熊本ではなく、周辺県だったということです。
また、旅行代金の補助は、割引の恩恵が比較的高額となる高級ホテルや旅館に予約が集中する傾向があります。行き届いてほしい個人や中小の宿・旅行事業者への支援にはならない可能性があると指摘されています。
藤森キャスター:
必要な人に必要な支援が届くのかは大事なポイントだと思います。
2016年に最大震度7の地震が2回発生した益城町で農家の人たちを取材したとき、見えない部分の配管や地下の施設がどれだけ傷んでるかは農作物を実際作ってみないとわからないと話していました。一時的な支援では終わらないので、長い期間でのきめ細やかなフォローがどうしても必要になります。
トラウデン直美さん:
土作り一つとっても、一度壊されてしまったら元に戻すのに何年かかるのかわかりません。2016年の地震から復興して耐震などにも取り組んだとはいえ、復旧しきれていないまま今回の地震を迎えてしまったと思います。
過去の地震や豪雨被害で何度も被害を受けた方がいることからも、もちろん物資も大切ですが、より心のケアが重要になってくるのではないかなと思います。
また、熊本だけではありませんが、一人暮らしをされている高齢の方やサポートが必要な方は、普段から地域との繋がりを作って「こういうときにどうしよう」ということをしっかり話し合っておかなければと改めて感じました。
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<プロフィール>
トラウデン直美さん
SDGsなどの社会課題に関心
特技は乗馬 初級馬術指導者の資格も