「途絶えさせたくない」断層が境内を引き裂き楼門が倒壊…大きな被害も秋の大祭「妙見祭」開催に向けて準備進める 熊本・八代神社

熊本地震が奪ったのは人々の生活だけではありません。古くから人々が心を寄せた祈りの場所もかつての姿を失いました。歴史と伝統が直面する地震の被害です。
八代神社 小林雄彦 宮司
「これが断層です。田んぼを断層が走っていて、その先がここです」
境内を引き裂き、露わになったのは日奈久断層。
八代神社 小林雄彦 宮司
「いざ(被災の)当事者になると、正直きつかったです。くよくよしていてもダメなので、しっかり前を向いてやっていきたい」
「妙見さん」、地元の人は親しみをこめてそう呼んできました。
毎年11月23日に行われる秋の大祭「妙見祭」は、獅子や想像上の生き物「ガメ」が舞い、町に活気をもたらす秋の風物詩です。
八代神社 小林雄彦 宮司
「正面にテントが張ってあり、その奥に楼門がありました。7月28日の地震で右側に倒れた」
1600年代に建てられた楼門。参拝者はこの門をくぐり、拝殿へ進みます。その脇で参拝者を迎え入れていた存在がいます。妙見祭のシンボル「ガメ」です。
八代神社 小林雄彦 宮司
「石碑がなかったらもっと崩れているだろうし、ガメが止めてくれていた」
崩れた楼門を背負い、食い止めているようにも見えるその姿。そのおかげか、あの日、神社にいた全員が無事でした。
「お祭りがこんなふうになるの?」
小学2年生から祭りに参加する進太郎さん(53)。神幸行列で各町内ごとに奉納する笠鉾とともに歩いてきました。
先月の地震では笠鉾に被害はなく、祭り開催に向けて準備を進めています。
中島町笠鉾保存会 進太郎 会長
「難しいのかもしれない、今年の開催は。もし開催されるのであれば、万全の態勢で奉納したい。復興の象徴として、皆さまの前でその姿を見せたい思いはものすごくあります」
こちらも地震に耐えた祭りのシンボル。
八代神社 小林雄彦 宮司
「本殿の中に、毎年妙見祭で使われる獅子をしまっている。獅子の箱は全く動いていない」
人前で舞う姿が本来の姿。獅子は、再び妙見祭で舞う時を静かに待っています。
八代神社 小林雄彦 宮司
「できれば、お祭りは途絶えさせたくないのが本心。八代のために何が一番いいのか考えながら進めたい」