「一緒にがんばるニャン!」 発達障害のある子どもが「飼い猫」を訓練することで、お互いの結びつきや社会性が向上することが判明 米大学の研究

2026-08-31 06:00

発達障害のある子どもを対象とした「猫の訓練」プログラムが、子どもたちの健全な行動を促し、飼い猫との結びつきを深めるとともに、猫の社会性をも向上させることが、米大学の研究で明らかになりました。

猫は過小評価されてきた?

猫と遊ぶ小さな男の子

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「猫が人間のためにどれほど貢献できるかを、人々は過小評価しています」というのは、人と動物の相互作用について研究しているオレゴン州立大学のMonique Udell教授です。

「わたしたちが行った研究では、猫は受け身で訓練に参加するだけではなく、能動的に行動していることがわかりました。子どもと猫が訓練を通して協力することで、双方の絆が深まり、どちらとってもよい結果をもたらすことができるのです」

Moniqueさんと同僚のMegan MacDonald教授は、ともに「人々の身体的、心理的、社会的な幸福を高めるための動物介在療法」に深い関心をもっています。動物介在療法は、身体のハンディキャップや学習障害、あるいは社会的、感情的、行動的に課題を抱える子どもたちを支援する有望なアプローチとして、最近ますます注目されてきているのです。

従来の動物介在療法では、犬や馬の参加が中心でした。しかしMoniqueさんは、「猫も犬と同様の役割を果たせるのではないか」と考えました。彼女は10年以上も「人間と猫の絆」についての研究を続けており、猫は犬と同様に社会的な動物で、人間との愛着関係を築く能力や訓練を受ける能力をもつなど、多くの共通点があることを発見しました。

猫の訓練プログラムで成果を検証

猫とおでこキッスをする少年

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近年、とくに猫への関心が高まっています。これにともない「愛猫を訓練したい」という人が増え、散歩やキャンプ、カヤックなどに猫を連れて外出する人も増加しています。Moniqueさんらはこうした「猫をめぐる文化的な変化の時期」にあわせて、「学習障害のある子どもに、飼い猫を訓練させる」ことを思いついたのです。

この研究では、8歳から17歳までの子どもたち36人とその飼い猫を対象に、猫の訓練プログラムに参加してもらい、その効果を検証しました。参加者のうちの半数は、45分間の訓練セッションを6回受け、訓練の手順の練習や「お座り」「おいで」などの行動の指導といった宿題に毎週取り組みました。残りの半数は、比較のためにこれらの活動にはまったく参加しませんでした。

その期間中、子どもたちは3回のアンケートに回答しました。調査開始前、終了6週間後、そして開始1年後です。質問は猫への愛着の強さ、猫の世話に関する責任感、そして猫に対する人道的な行動についてのものでした。

あわせて訓練セッションを録画して分析することで、子どもと猫との愛着の度合や子どもがいるときの猫の社会性について調べました。例えば、子どもを中心とした半径1メートルの半円内に猫が少なくとも片方の足をどれだけ長く置いていたかで、社会性の強さを測定したのです。

子どもにも猫にもよい影響が

自宅で猫を撫でる母子

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その結果、次のような点がわかっています。

訓練に参加した子どもたちは「猫の世話に関する責任感」について有意な改善を示した一方、訓練をしなかった子どもたちには変化はありませんでした。

さらに前者は「猫に新しいことを教えた」と答えた子どもの割合が、訓練参加前の44%から参加後の94%へと増加し、「猫を散歩させた」子どもの割合も28%から78%に増加しました。

全員が6回の訓練セッションすべてに参加し、宿題の平均完了率は81%でした。同時に子どもへの愛着が強い猫の数も増加していて、そのうち6匹の猫は「不安定な関係」から「安定した愛着」へと向上しました。

こうしたことから、研究者らは「子どもや青少年が猫との関係を改善するための適切な機会と指導を与えられれば、よい変化が見られる」と結論づけています。猫たちは自信を持ってより社交的になるし、子どもたちは猫をパートナーとして捉えて飼育の責任を担い、健全な行動をさせるよう仕向けることにつながります。

「飼い猫と一緒に訓練へ参加することで、人々が従来想像していた猫との絆よりも、はるかに複雑で特別な関係が築けるのです」とMoniqueさんは話しています。

出典:Cat training program benefits children with developmental disabilities

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