首都直下地震でゴミ・交通網に都市の“壁” 長期化する被害にどう備える?「在宅避難」と3つの対策【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-09-01 21:19

大雨被害や地震など自然災害が相次いでいます。熊本地震から1か月が過ぎましたが、まだ復旧には時間がかかっている状態です。
9月1日「防災の日」に考える「地震の長期被害」。被害が長期化する状況に、どのように備えればよいのでしょうか。

【“首都直下地震”が発生したら】死者は約1万8000人 内閣府のCGシミュレーション

「3日間は移動しない」呼びかけ 避難所は“ひっ迫”想定

高柳光希キャスター:
首都直下地震は、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われています。

内閣府によると、死者は最大で1万8000人、建物に関しても最大40万棟が全壊や焼失といった被害が想定されています。

都市部ならではの被害として、停電・通信障害などで、電子決済に影響が出るおそれがあります。

そして、帰宅困難者が増えたり、避難所がひっ迫したりしてしまうことも考えられます。

また、被災地で物資が不足してしまい、さらにほかの地域での買い占めが起こるおそれがあります。

こうした状況に、どのように対処をしていけばいいのでしょうか。

TBS報道局 社会部 本杉美樹 記者:
首都圏は非常に人口が多いため、避難所のひっ迫が想定されています。

避難所はそもそも一時滞在施設とは異なり、帰宅困難者が避難する場所ではありませんが、発災直後に訪れることも想定されます。そうすると、さらにひっ迫が進むことが考えられます。

発災直後はすぐに自宅などに帰りたくなると思いますが、道路の混雑を避けるために、学校や職場のような留まれるところがある人は、3日間は移動しないことが呼びかけられています。

マンションなど“被害長期化”のおそれ 災害時の経過は

高柳キャスター:
そこから先のことも考えなければいけないということで、内閣府は“首都直下”などの災害時の経過を公表しています。

【建物】
発災直後は直接的な被害や設備停止のおそれがあります。
1週間経っても対象となる建物の数も多く、設備復旧や点検に時間を要し、進まないという状況が続きます。
1か月経過しても、同じような状況が続き、技術者の数が足りず安全確認に時間を要し、使用困難な状態が続きます。
その先に関しては、修繕工事や解体に所有者の許諾が必要なため、進まない可能性があります。

【電気】
発災直後は広範囲で停電が発生してしまいます。
1週間もすれば、大規模な計画停電や節電要請が行われます。
1か月経つと、節電要請は続くものの、徐々に停電が解消されていきます。
その先に関しては、停電はほぼ解消される見込みです。

【水道】
発災直後は断水が発生します。
1週間後には、浄水場などが動かなくなると断水が増え、トイレ不足で衛生悪化のおそれがあります。
1か月経っても、排水設備に被害が出て、汚水が漏れるおそれもあります。
その先に関しては、都市部で断水が続く地域も出てくるかもしれません。

【道路】
発災直後は損傷・液状化・倒壊などにより、道路閉塞や渋滞が発生します。
1週間経つと、道路の仮復旧は進みますが、物流などが滞ってしまいます。
1か月後は、通行可能なところも増えますが、一部地域では規制があるかもしれません。
その先に関しては、通行止めや規制が続く道路も出てきます。

長いスパンでどういった対策をするかを考えなければいけません。

TBS報道局 社会部 本杉美樹 記者:
ライフラインや道路の障害は解消に向かっていきますが、一番被害が長期化すると見込まれるのが建物、特にマンションです。

直後は直接的に命が危ない状態ですが、その後、安全を確保すること、その先には直すこと、そして直すのが難しい建物は解体をする。元の生活に戻す上での課題が出てくると考えられています。

1か月でも鉄道の復旧は6割程度 都市ならではの“壁”

高柳キャスター:
さらに、都市部ならではの課題も考えられます。

TBS報道局 社会部 本杉美樹 記者:
特に都心は空き地が少なく、災害廃棄物の置き場が不足すると考えられています。そのため、街中や路上にごみが溢れてしまう可能性も指摘されています。

また、移動にも難しい部分があり、震度6弱以上を観測したエリアでは、発災から1か月経っても鉄道の復旧は6割程度とされています。

交通網が停滞することで企業の事業再開が難しくなったり、物流や通勤にも影響が出たりすることが考えられます。

井上キャスター:
都市部では災害廃棄物の置き場不足について、場所自体がほぼないと思いますが、具体的に想定されている場所があるのか、そもそもそういう想定はできていないのでしょうか。

TBS報道局 社会部 本杉美樹 記者:
まだまだ議論の途上です。例えば、大規模な公園が候補にはなってくると思います。

災害廃棄物の置き場だけでなく、仮設住宅なども空き地が必要になるため、これは今後の議論になると思います。

「燃えない・倒れない・困らない」 長期被害で“在宅避難”推奨

高柳キャスター:
長期化する地震被害に備えるために、内閣府や東京都が推奨しているのが「在宅避難」です。

避難所が足りなくなる想定もあります。

家にそこまで被害がないようであれば、プライバシーも守ることができ、避難所よりも負担を軽減できる面もあるため、在宅避難という選択も出てきます。

そのため、在宅避難にも備えが必要です。
まずは「燃えない」ということ。感震ブレーカーなどを設置することで、家が燃えてしまうことを防いでください。

その後に建物の中の家具が倒れないように、家具などを固定するようにしてください。

この2つができた上で、被災している間に困らないように、備蓄や地域で声かけをすることで、助け合いながら生きていくということが必要になってきます。

井上キャスター:
推計でも帰宅困難者は約840万人と言われており、大阪の全人口に匹敵する人数が家に帰れないということになります。

それだけではなく、出張者もいて、観光客も約100万人いると言われていて、言語の壁がある外国人観光客の避難誘導をどうするのかなど、1つ1つ潰していかなければいけない課題は山積みだと思います。

組織開発コンサルタント・著作家 勅使川原真衣さん:
在宅避難か、避難所に行くのか、ということではなく、私たちには様々な生活スタイルや生活状況があるため、多様性に合わせた選択肢を用意するということだと思います。

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<プロフィール>
本杉美樹
TBS報道局社会部 気象・災害担当
気象予報士の資格も取得

勅使川原真衣さん
組織開発コンサルタント・著作家 2児の母
著書に小説『「対話」がやってきた』など

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