【少年院取材】全国で相次ぐ少年たちの“闇バイト”事件 「金欲しさ」の裏に潜む心理とは【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-09-05 15:04

全国で相次ぐ、少年たちによる“闇バイト”事件。なぜ、凶悪犯罪に手を染めてしまうのか。私たちは、首都圏の少年たちが収容されている少年院を取材しました。カメラの前で彼らが語ったのは、いつの間にか逃げられなくなる恐怖、そして「金欲しさ」の裏に隠れた、ある心理でした。

【写真を見る】緊縛強盗「高齢夫婦の手足をロープで縛り…」 犯行時の様子を語る17歳少年

闇バイトに応募した少年たち 友人に誘われ海外の拠点にも

新潟県長岡市にある少年院「新潟少年学院」。

東京や神奈川、千葉など首都圏から送致された少年を中心に、16歳から20歳までの61人が収容されています。その中には、闇バイトに手を染めた少年が2割います。

新潟少年学院 櫔原経宏 次長
「闇バイト関係の窃盗、詐欺、強盗で11名ですね。SNSを通じたりとか、友達にグレーな仕事だと誘われたりとか」

10年ほど前から、一定の割合で収容されるようになったそうです。

関東地方出身の17歳の少年。高校を中退した後、闇バイトに応募し、特殊詐欺の「出し子」や「受け子」を繰り返しました。

闇バイトで詐欺 少年(17)
「元々、地元で1人、詐欺をやっている子がいて、友達に詐欺を紹介する暴力団の人がいて、自分も会わせてもらって、そしたらお金めちゃくちゃ持ってて、『お金持てば勝ちだから』もう、格好良く見えちゃって。

周りでお金に困っている友達とかいて、そういう子を紹介してくれたら、お金あげるよって暴力団の人に言われて、2人、地元の子を紹介しました」

金持ちに憧れ、金と引き換えに暴力団に知人を紹介。さらに稼ぐために、海外に渡ろうとしていたといいます。

闇バイトで詐欺 少年(17)
「『特殊詐欺でカンボジアに行けば、皆、何億も稼いでいる』『5億持って帰って来た人がいる』と、プラスの情報しか聞かされていなくて、めちゃくちゃ行きたいな、自分に詐欺を紹介してきた友達とも行く予定だったんですけど、その友達が捕まったあとに、自分の親がパスポートを奪ってきて、行かなかった」

「ビビったらダサい」強盗実行犯に 闇バイト加担の少年の心理とは

中学を卒業後、建築現場で働いてきた17歳の少年。彼もやはり簡単に大金が稼げると考え、友人からの紹介で闇バイトをしたといいます。

闇バイトで強盗 少年(17)
「友人、皆で旅行に行きたい。お金もいっぱいゲットして、そこで薬物とかを買って、皆で遊びに行きたいと思って。空き巣を1回やったら、50万円ぐらい貰えると聞いて」

ターゲットは高齢の夫婦が暮らす民家。友人2人と一緒に実行役となり、現場に向かいました。しかし…

闇バイトで強盗 少年(17)
「空き巣をやるから窓を割れるものだけ持ってきて、お金入れるバッグだけ持ってきてと言われてた。僕たちは指示通りにバットとリュックを持って行ったんですけど、現地に着いたらロープとかを買わされて。空き巣じゃなくて、強盗に変わってしまって」

実際に命じられたのは、夫婦を縛ったうえで多額の現金を奪う「緊縛強盗」。暴力団関係者が背後にいたため、引き返せなかったと話します。

闇バイトで強盗 少年(17)
「闇バイトって逃げちゃうと何されるか分からないと思ってて、身分証とか送っちゃってるんで、『もうやるしかないよね』。僕たち3人で家の中に入って、おじいちゃん、おばあちゃんが寝てたんですけど、最初に叫ばれたらヤバいと思ったんで、手を後ろにして、ロープとテープで縛って、足も縛って、そこから場所を聞き出す。

『脱税してるの分かってんだよ』は、絶対に言えって言われてて、脱税しているの分かってんだよ、金出せよと、もうずっとそれを言い続けました。

僕たちも怖くて焦ったりしちゃってたんで、知らない間に、(被害者の)足の指が折れちゃっていたらしくて、足や腕は皮膚下出血。ここからここまで(腕)が真っ青みたいな」

犯行を途中でやめられなかった理由がもう一つ。

闇バイトで強盗 少年(17)
「僕たちの中でもプライドみたいなものがあって、びびって“止めよう”みたいになったら、ダサいって思ってたんで、無我夢中で言われたことをやり通した」

友人と一緒だったため、自分だけが逃げるわけにはいかないという心理。

法務省によると、少年院の在院者の8割以上が、友人先輩などからの紹介がきっかけで闇バイトに手を染めたということで、少年たちをリクルートする組織がこうした心理を利用している可能性もあります。

「金欲しさ」の裏にある心理とは 少年院の特殊詐欺更生プログラム

新潟少年学院では、闇バイト、中でも特殊詐欺に特化したプログラムを全国に先駆けて導入しました。

グループワークを通じて、なぜ犯罪に手を染めたのか、なぜ人を傷つけてまで金に執着するのか掘り下げていきます。

教官
「何で非行に関わっちゃったのか。一人ずつ話していこうか」

少年
「欲しかったものが、外見だけのカッコよさとか、薬物とか、そういうものでした」

「自分、結構、幼少期やばかったんですよ。ガス・電気・ライフラインが全部止まる、ご飯が給食しか食えないみたいな、だからお金に困りたくない」

「詐欺で稼いでいる人は、高級車に乗ったり、羽振り良い生活してるから、欲しいものをいっぱい買って、いいもの食べて、働かないで暮らす生活です」

教官
「お金を持っていると思われたい?承認欲求だったりね、自分の生活水準を上げたい?」

少年
「ありますね」

自分を認めてもらいたいという、承認欲求。教官はこう話します。

新潟少年学院 小川専門官
「皆、やっぱりお金って言うんですよ。お金を使って何を満たしたいか、何を得たいのか、講座で改めて考えて、周りから認められたい、自分のなかで一目置かれたい、信頼されたい」

周囲に認められた経験が少なく、犯罪で金を稼ぐことで承認欲求を満たしてきた少年たち。

今後、信頼し合える人と出会えるかどうかが、再犯を防ぐ鍵だといいます。

少年
「関わる人たちをまず変える」
「今までの友人は全部リセットして、新しい友達を作って」

教官
「いいんじゃないですか。頼れる人を作って、探していく。コツコツと努力を重ねていくと、その努力に対して評価してくれたり、自ずと絶対寄って来るんで」

新潟少年学院 小川専門官
「頼れるところを作るのはすごく大事。頼れる大人がいる、信頼できる大人がいるということが、今後、困った時にエスケープできることに繋がるのかな」

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