猫好きが訪れたい『神社・お寺』7選 猫にちなんだ見どころや魅力をご紹介

2026-09-05 20:00

日本に猫にまつわる神社やお寺が存在することは、猫が長い間、日本人の身近な存在として親しまれてきたからでしょう。これらの神社やお寺にまつわる猫たちは、いま私たちが飼っている猫たちとつながる祖先だったかもしれません。そんな壮大なロマンを求めて、猫好きが訪れたい神社・お寺を紹介します。

猫好きが訪れたい神社・お寺7選

お寺の屋根と猫

全国に点在する、猫にまつわる歴史を持つ社寺の歴史的な背景や見どころを解説します。この先の旅の参考にしてみてはいかがでしょうか。

1.豪徳寺(東京都世田谷区)

江戸時代の彦根藩主・井伊直孝が、白い猫に手招きされて境内に入ったことで雷雨を免れたという伝承が残る曹洞宗のお寺です。この出来事をきっかけに井伊家の菩提寺となり、招き猫発祥の地のひとつとして知られるようになりました。

境内の一角には、赤い首輪をした白い招き猫がズラリ!授与品である招き猫は右手を挙げた、小判を持たないシンプルな猫ちゃんです。

寺内には指定文化財である井伊家の墓所や、干支の動物とカワイイ猫の彫刻が隠された三重塔もあり、猫好きなら一度は行きたいお寺です。

2.今戸神社(東京都台東区)

豪徳寺と並んで招き猫の発祥の地とされている今戸神社は、イサナギノミコトとイザナミノミコトの夫婦神を祀り、縁結びや夫婦円満、商売繁盛にご利益があるといわれています。

社殿には、高く手を挙げた招き猫。横には石造りの「なで猫」が設置されているほか、授与される絵馬や御朱印、お守りにも寄り添う2匹の猫がデザインされています。

境内には招き猫にちなんだ置物や飾りが配置されていて、かつて周辺で生産されていた今戸焼文化と、地域の招き猫信仰の歴史を伝える場所となっています。

3.阿豆佐味天神社/蚕影神社(東京都立川市)

阿豆佐味天神社の境内にある蚕影(こかげ)神社は、別名「猫返し神社」とも呼ばれています。

かつては、繭を食害するネズミを捕らえる猫を養蚕の守り神として祀っていましたが、養蚕業の衰退とともに信仰の形が変化し、現在では愛猫の健康を願う参拝者が多く訪れる神社として知られています。

絵馬には、後ろを振り返るかわいらしい三毛猫が描かれ、逃げてしまった猫が帰ってくるよう願うと、無事に戻ってくるといわれています。狛犬代わりの猫の石像「ただいま猫」も見守っています。

4.雲林寺(山口県萩市)

猫好きに有名な「ネコ寺」である雲林寺は、萩藩士・長井元房の愛猫が、主人の死後も墓から離れず四十九日を迎えたのちに後を追ったという「忠猫伝説」が伝わるお寺です。

境内には忠猫の供養塔が建てられているほか、木彫りの大きな猫像をはじめ、1,000点を超える猫モチーフの置物やアート作品が展示されていて、さながら猫の彫刻美術館のよう。

猫が表紙のまたたび御朱印帳や、猫型のお守りなどオリジナルな授与品も揃っています。猫まみれでお参りできるお寺です。

5.お松大権現(徳島県阿南市)

お松大権現は、無念の死を遂げた庄屋の妻・お松と愛猫が祀られています。

悪徳奉行から不当な裁きを受け、処刑されることになったお松は、愛猫ミケに事の次第を言い聞かせてありました。お松と共に処刑されたミケは、その後化け猫となり、お松の仇を取ったとされています。

お松が死をもって義を貫いたことから、必勝を願う神様として多くの信仰を集め、受験の合格やスポーツの勝利、商売繁盛などにもご利益があるといわれています。

正門前では高さ2メートルを超える巨大な招き猫像がお出迎え。参拝客から奉納された1万体を超える招き猫が並ぶ猫の回廊は圧巻です。愛猫三毛の猫塚もお参りしましょう。

6.自性院(東京都新宿区)

新宿にある自性院は「猫地蔵の寺」として知られています。室町時代、戦の途中、道に迷った武将・太田道灌は黒猫を頼りに寺へたどり着きます。そこで体勢を立て直した太田道灌は勝利し、恩人となった黒猫を自身の江戸城に連れて帰り大切にしました。

黒猫の死後、道灌が黒猫を供養するために「猫地蔵」を奉納。さらに、江戸時代中期には、猫面地蔵も祀られるようになります。

猫地蔵尊は秘仏とされ、ふだんはその姿を拝観できませんが、毎年節分の日だけ開帳されています。

7.猫神社(宮城県石巻市・田代島)

宮城県・田代島の猫神社は、網にかかって死亡した猫を葬ったことをきっかけに建立された神社です。猫を祀るようになってから大漁が続くようになったことで、猫を神様として信仰するようになったといわれています。

社殿自体は小さなお社のようなものですが、手前にはしっかりとした鳥居があり、周囲には島の猫たちが集まることから、島の猫たちとの出会いも期待できます。

島へはフェリーでアクセスできますが、1日3〜4便程度と便数が限られており、天候により欠航することもあるため、旅行で行く際には注意が必要です。

猫ゆかりの社寺を巡るときの注意点

手水舎の水を飲む猫

猫にまつわる社寺を訪問する際は、一般的な参拝マナーの遵守に加え、移動手段や授与品の対応時間に関する事前確認が重要となります。

現地では、記念に写真を撮る場合には、撮影可能か確認しましょう。場所によっては、三脚の使用禁止や撮影可能エリアが限定されていることもあります。撮影可能な場所でも、奉納品などには手を触れず、他者の通行や参拝を妨げないようにしましょう。

御朱印やお守りの授与時間は社寺により異なり、社務所が不在となる時間帯もあります。あらかじめ公式情報での事前確認が推奨されます。また、公共交通機関の運行本数が限られる地域では、帰りの移動手段や時刻表の把握を忘れないようにしてください。

そして、今回紹介した神社・寺院では、境内や周辺に猫がいるケースも少なくありません。見知らぬ人に不用意に触れられたり、抱き上げられたりすることは猫にとってストレスになります。神聖な参拝環境の維持はもちろん、猫好きとして猫へのマナーも守って参拝しましょう。

まとめ

鳥居と白黒猫

人が農耕をはじめた頃から、猫はネズミを捕る有益な動物として人間と暮らしてきました。古代エジプトでは、「バステト女神」として神格化されたほどです。しかし、中世ヨーロッパの一部では、猫が迷信と結び付けられ、迫害の対象となった時期もありました。

一方、日本では「すべてのものに神が宿る」という八百万の思想があります。「年を取った猫は化けたり猫又になったりする恐ろしい面もある一方、大切にすれば恩返しをしてくれる」という愛着と畏怖の両面が同居した存在として扱われました。

お松の飼っていた三毛のように化け猫になってでも愛した飼い主の尊厳を守ったという伝承は、時代を超えて人々が猫へ寄せてきた愛情や感謝があったからなのかもしれません。

今回紹介できなかった猫にまつわる神社やお寺は、ほかにもまだまだたくさんあります。ぜひ、参拝に向かう前には、その歴史をよく調べて、当時の猫と人々の想いを胸に訪問してみてください。きっと穏やかで実りの多い豊かな時間を過ごせることでしょう。

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