“派閥なき”人事で高市総理「人事アンケート」の狙いは?総裁選見据え“ライバル”林総務大臣の去就も焦点に【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-09-08 21:52

高市総理が内閣改造と自民党の役員人事を、来週16日にも行う方向で調整を進めています。その人事の決め方が、今回はいつもと違うようです。どのような調整が行われているのでしょうか。

【写真で見る】派閥解体で人事の決め方に変化…配布された「役職希望アンケートの実施について」

新たな組閣人事 派閥解体でカギとなるのは“アンケート”?

高柳光希キャスター:
高市総理は、9月8日の自民党の役員会で党の役員人事について一任を取り付けました。一連の人事は16日(水)にも行われる方向で調整が進められています。

ただ、これまでとの一番の違いは麻生派以外の派閥が解散したため、派閥の長からの推薦がありません。

そこで、注目されているのが「人事アンケート」です。8月末に党所属の当選2回以上の衆議院議員を対象に、ネット上のフォームで実施されました。

【人事アンケート】
▼政府の役職(大臣や副大臣など)
▼衆議院の役職(常任・特別委員長など)
▼党の役職
※第5希望まで選択可

これまでは「派閥の推薦」が重視されてきましたが、今回は「人事アンケート」が重視されるということです。

どのような違いがありますか。

TBS報道局政治部 原田真衣 記者:
アンケートは過去にも、内閣改造や党の役員人事の前に実施されています。

ただ、派閥の長が「総理詣で」をするようなことが現在はなくなっているため、アンケートが重視されているのではないかと考えられます。

実際、高市総理は「アンケートをじっくり読み込む」と発言していますし、8日に行われた党役員会でも執行部を前に、「このアンケートを全て読みました」「改めて豊富な人材力を実感しました」と発言していました。

これは、もちろん人事にも影響が出てきます。

脱派閥で“実力重視”の人事へ

TBS報道局政治部 原田真衣 記者:
ある現役閣僚は、「(麻生派を除き)派閥の推薦もないので、年次などよりも国会での答弁に耐えうるか、政策力があるかなど、実力本位の人事になる」と、期待を寄せていました。

また、アンケートには役職を選ぶ項目以外にも、自分の強みや、取り組んでみたいことを入力する項目もあったということで、若手中堅議員からは「直接、総理に売り込むチャンス」という声も聞こえてきました。

ただ、今のところ目立ったサプライズは聞こえておらず、大きく骨格は変わらない改造人事になりそうです。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
(「年次重視」から「実力重視」に変わったことで)自己アピールできるいいチャンスだと思います。

注目は、人事にあまり大きな変化は見られないであろうと言われる中、高市総理が2027年の総裁選を含め、党内の地盤固めをどのように進めていくか。

さらに、金利の上昇を背景に、金融関連の人事はどうなるのか。ある意味市場へのメッセージを出すことができるので、このあたりも注目をしています。

見据えるは「2027年総裁選」注目される“ライバル処遇”

高柳キャスター:
高市総理はどのように人事を決めていくのか。

見据えているのは2027年に行われる総裁選です。

2025年の総裁選で戦った“ライバル”は、4人中3人が留任などへの調整が進められているようです。

・小泉防衛大臣(45):留任調整
・茂木外務大臣(70):留任調整
・小林政調会長(51):留任含め検討
・林総務大臣(65):注目

一方、林総務大臣はどうなるのでしょうか。

報道局政治部 原田真衣 記者:
林総務大臣は、2025年の総裁選で議員票が高市総理を上回るなど、実質、高市総理の一番の“ライバル”とも言えます。

林総務大臣は、前回の人事で全国の党員票を伸ばすために、地方視察の多い総務大臣のポストを希望したという経緯もあります。

高市総理の周辺によりますと、「総理としては野に放たず、閣内に閉じ込めておきたい意向なのではないか」という声が聞こえています。

高柳キャスター:
人事は総裁選と結びつきが強い。過去にはどのようなことがありましたか?

報道局政治部 原田真衣 記者:
安倍政権時代の石破前総理を例にみます。

2012年:安倍総裁が総理に就任した際、石破氏は総裁選2位となり、幹事長に就任
2014年:内閣改造の際、安倍総理からある大臣ポストの打診を受けたものの“拒否”、別のポストへ
2016年:安倍元総理からの人事打診を固辞し、閣外へ

このような経緯がありました。

最大の焦点は「党内力学」“総裁選ライバル”を巡る激しい神経戦

TBS報道局政治部 原田真衣 記者:
今回、注目されている林総務大臣について、2025年の総裁選で林陣営にいた関係者は、「ここで林氏が抜ける度胸がなければ、今後総理にはなれないのでは」と、厳しい発言をしていました。

また自民党関係者は、「総理が林氏に留任を打診しても、それを断る可能性もある。いずれにしても難しい選択だ」と話しています。

どんな決断を林総務大臣がされるのかが注目されています。

井上貴博キャスター:
野党が分裂状態で自民党1強、支持率にも問題がないと考えると、高市総理にとって今の最大の衝撃は「党内力学」だと思います。

麻生さんをグリップしつつ、ライバルをどう処遇するかを考えると、高市総理としてはまず林総務大臣を野に放ちたくないはずです。ただ、ここで林総務大臣が閣外に出ないと、応援している議員から「何しているんだ」と言われます。

そのロジックで想像すると、小林政調会長、茂木外務大臣、小泉防衛大臣についても「次も戦ってほしい」と応援する議員がいるはずです。そのため、人事の綱引きは相当な神経戦になると思います。

この3人と、林総務大臣との“違い”についてはどこにありますか?

TBS報道局政治部 原田真衣 記者:
小林政調会長や小泉防衛大臣は林総務大臣と比べると年齢が若い。さらに現在、要職についていて、“政策力”や“外交力”が評価されています。そのため2027年の総裁選を目指さなくても、さらに次の(総裁選を)目指す余地がある点が一番の違いだと思っています。

井上キャスター:
林総務大臣は2027年の総裁選を目指すべきだという声が強まっているわけですね。

TBS報道局政治部 原田真衣 記者:
林陣営についていた関係者からは、「ここで抜ける度胸がなければ…」という声が聞こえています。

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<プロフィール>

原田真衣
TBS報道局政治部 自民党・幹事長番 麻生派担当
去年までTBSテレビ人事部で採用担当

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト

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