“世界の見え方”が変わる? アフリカが「メルカトル図法」の見直し要請… 国連で決議採択 日本への影響は【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-09-09 20:45

私たちが見慣れた世界地図、実はアフリカが小さく描かれています。
この“世界の見え方”を変えようと、国連総会が新たな世界地図の使用を促す決議を採択しました。

【写真で見る】 「メルカトル図法」だと同等に見えるけど…実はアフリカの面積はグリーンランドの14倍

アフリカの面積はグリーンランドの14倍 「メルカトル図法」だと同等に?

出水麻衣キャスター:
「メルカトル図法」では、北極に近いグリーンランドは約218万平方キロメートルですが、約3037万平方キロメートルのアフリカとほぼ同じ大きさで描かれています。

しかし、国連で採択された「イコールアース図法」だと、アフリカの方がグリーンランドに比べて約14倍も大きく描かれています。アフリカ諸国では「メルカトル図法」との差が教育や報道、政策の中でアフリカを過小評価する要因につながっていると主張しています。

どちらの地図がなじみ深いでしょうか。

井上貴博キャスター:
やはりメルカトル図法が頭に浮かびます。小さいころからメルカトル図法は見ているので、無意識の視覚的バイアスが少なからずあると感じました。

出水キャスター:
なぜ、このような差が生じているのでしょうか。

「メルカトル図法」は航海の道しるべとして「角度」重視

出水キャスター:
まず、私たちになじみのあるメルカトル図法は約450年前、大航海時代の1569年に発表されました。ヨーロッパの航海の道しるべは「角度」が重視されていたそうです。

地球儀に貼ってある表面を剥がすイメージで考えてみてください。剥がした紙を平らな紙に貼り付けた時、赤道付近はきれいに貼ることができますが、南極や北極は引き伸ばされると思います。

つまり、赤道から離れれば離れるほど、面積が拡大して表示されているということで、アフリカ大陸とグリーンランドが同じような大きさに描かれてしまうということです。

今回、国連総会でアフリカ連合などが主張して採択されましたが、イコールアース図法の使用に法的な拘束力はありません。
ただ、加盟国や国際機関には使用が促されることになっています。

教育現場や生活に影響はあるのでしょうか。

「存在感を視覚的に伝える効果も」日本に影響は?

出水キャスター:
教科書を提供している帝国書院によると、教科書では世界を示す地図としてはメルカトル図法は使われていなかったといいます。今までは面積の違いがマイルドになっている「ミラー図法」を使っていたそうです。

私たちの生活に大きな影響はあるのか、日本地理学会前会長・井田仁康特任教授に聞きました。
日本での生活に大きな影響はないとしたうえで、「潜在的に大きな国に注目していた。実際の面積を示すことで、アフリカが世界における存在感を視覚的に伝える効果も」あるのではないかということです。

視覚的に国力を想像してしまうことはありますか。

「The HEAD LINE」編集長 石田健さん:
視覚的な部分も大きいと思います。さらに、歴史的に大航海時代に誕生した地図であることや、ヨーロッパが中心に描かれていることで、帝国主義的な意図が強かったと推察します。

地図というものがヨーロッパから生まれ、そしてアフリカが歴史的に西洋の植民地として位置づけられてきた。その歴史が今も残っていることに紐づけて考えると、地図が必ずしもビジュアルだけではなく、政治的に使われてきた歴史も一緒に思いを馳せることが大事なのだと思います。

世界地図は数百種類 日本発「オーサグラフ」とは

出水キャスター:
実は、世界地図にはいろんな種類があります。例えば、角度や面積、距離などそれぞれが正確に表されているものなどがあります。

井田特任教授によると、すべてを平面で満たすことは不可能であるため、世界地図の図法は数百種類あるといいます。

そんな中、日本人が見つけた「オーサグラフ世界地図」というものがあります。慶応大学の教授らが考案し、2009年に発表された地図で、面積が正しく、形のゆがみも少ないということです。

地球儀での陸や海の見え方と違和感のない姿を平面に描写したということで、2016年のグッドデザイン賞を受賞しているそうです。

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<プロフィール>
石田 健さん
「The HEADLINE」編集長
著書に「なぜ、それは不適切なのか」など

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