閉じ込められて大窮地に立った猫たち 大都市ニューヨークで有名になった「奇跡の救出劇」

2026-09-11 06:00

2001年と2006年に、それぞれ閉じ込められて窮地に立った猫が救出される出来事がありました。人々が協力して救助にあたり、命の危機から生還した猫たち。当時は世界的なニュースにもなりました。

地下室に閉じ込められた猫

見上げる黒猫

画像はイメージです

黒猫Molly(生後11ヵ月)は、2006年4月にニューヨークのグリニッジ・ビレッジにあるデリカテッセンの地下室で、壁や梁やパイプが入り組んでいる迷路のような空間に閉じ込められてしまいました。

この猫は英国食品店Myers of Keswickの「専属ネズミ捕り係」として活躍しており、好奇心旺盛な性格でした。行方不明になった当初は、事故で死んでしまったのではないかと心配されたのですが、12日ほどたって、地下室から鳴き声が聞こえたのです。

さっそく救出活動が始まりました。警察や消防、動物保護団体から駆けつけた人々が、閉じ込められた空間から猫を誘い出すためにあらゆる方法を試みました。キャットフードや1ポンド(約450グラム)もの生魚、キャットニップを用意したり、猫のセラピストが呼ばれたりしました。閉じ込められた場所を確認するための小型ビデオカメラまで持ち込まれたのです。さらに「母性本能に訴えかけよう」と、2匹の子猫が呼ばれました。それでもMollyは出てきません。

ニューヨーク市動物保護管理局のMike Pastoreさんは「これまで担当した中で、最も難しい救出作業だった」と話しています。

というのも、この建物は157年前のもので、歴史的建築物に指定され改築が認められていないのです。このためMollyを救出するために地下室のレンガをドリルやハンマーで壊す前に、市の歴史的建造物保存委員会の監視員を招集する必要がありました。そして最終的に、店の内側からレンガの壁に穴を開けて猫のいる場所に到達したのです。

救出劇が報道されて有名に

救助隊に抱かれる黒猫

画像はイメージです

行方不明から14日後、ボランティアとして救出活動に参加していたトンネル作業員のKevin CliffordさんがMollyを救出しました。レンガと金属板の間に挟まっていたMollyの足をつかんで、体を引き抜かなければならなかったといいます。

「Mollyは抵抗して足で蹴散らしたので、檻に入れるのに少し苦労しました」と彼は振り返ります。

店のオーナーPeter Myersさんは、「辛い経験にもかかわらず、Mollyはとても元気そうでした。これには本当に驚いています。もともとエネルギッシュな猫だったから、14日間も生き延びられたのでしょう」と話しています。

すぐにMollyは最初の食事(ローストポークとオイル漬けのイワシ)を美味しそうに食べ、店内の寝床である専用カゴに戻ってゆっくりと昼寝を楽しんでいたといいます。

この救出劇は新聞で報道されて、Mollyは有名になりました。直後から毎日2、3人が猫を見るために店にやって来るようになったといいます。

「自分が有名になってみんなにかわいがられるので、Mollyは少し態度が傲慢になりました。でも、閉じ込められていた地下室の隙間には絶対に近づこうとしません」というPeterさんです。

同時多発テロを生き延びた猫

女性に抱かれるペルシア猫

画像はイメージです

2001年9月11日、世界貿易センタービルが同時多発テロ攻撃により破壊され、甚大な被害が出て多くの命が失われました。

そうした大悲劇の中でも、ささやかな朗報が人々の話題になりました。ビル近くのアパートから白いペルシャ猫Preciousが救出されたという出来事です。飼い主のKerrさん夫妻は、悲劇が起きたときは旅行で家を留守にしていました。帰宅してみると自宅はひどく損壊しており、愛猫はどこにも見当たりません。もう死んでしまったものと思われました。

しかしテロ発生からしばらく経って、ビルの屋上で「猫の鳴き声が聞こえる」という通報がありました。これを受けて救助隊が出動し、救助犬の助けを借りてPreciousの所在を突き止めたのです。救出されたPreciousは、すぐに動物病院へと運ばれました。

猫の体重は2ポンド(約1キロ)も減り、体は汚れ、脱水症状を起こしていました。目にケガをしていて、燃えたビルの熱で足には火傷を負っていました。

でもPreciousは大好物の七面鳥ローストをもらって、うれしそうでした。やがて体は回復し、飼い主夫妻の元へ戻ることができたのです。この明るいニュースに、当時のニューヨークの人々は笑顔を取り戻したといいます。

出典:Molly from the Deli-cat-essen

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