美術作家・平子雄一氏が手がける『HUMAN AND NATURE』、自分だけのものがたりをつくる子ども向けワークショップを開催

9月5日(土)~10月18日(日)まで、「東京ミッドタウン日比谷 ホール」のこけら落とし第一弾として、現代美術作家・平子雄一氏の展覧会『HUMAN AND NATURE』が開催されている。
会期中は、作家とともに、子どもから大人まで楽しめるさまざまなプログラムを実施。
9月12日(土)には子ども向けワークショップ「ものがたりをつくる」が行われた。

ワークショップの対象年齢は5歳から12歳まで。作品に描かれたモチーフから想像を膨らませて、その「少し前」や「その後」にどんな物語が広がっているのか、自分だけのストーリーを作るという内容である。
まずは、東京ミッドタウン日比谷6階ホールの展覧会会場を親子で散策し、気になった作品をカメラで撮影。

子どもたちはそれぞれの視点で作品を楽しみながら、モチーフの解釈を膨らませた。
「美術館は大人向けというイメージもありますが、子どものほうが柔軟な発想を持っていると思うんです。小さいうちからアートに親しみ、自由な視点で楽しんでほしいですね」と、参加者と一緒に会場を回る平子氏はワークショップへの思いを語る。
普段とは違い、この日は子どもたちの声が響き、会場は賑わいを見せていた。


「これがこうなったら面白いかなと考えながら、自由に物語を作ってください」と平子氏自らがマイクを持ち、「よーい、スタート!」と声をかけると、子どもたちは一斉にクーピーを手に取り、1枚の白い紙に色鮮やかな絵を描いていく。
会場で撮影した写真を見ながら迷いなく紙に色を重ねる子、じっくりと絵に向き合う子、家族と一緒に作品を作る子、それぞれの個性があふれる作品が、少しずつ形になっていく。
平子氏自身も「困っている人はいませんか?」と時には自ら筆を持ち、声をかけながら積極的に参加者と関わった。
「すごくきれいだね」「やった」「できた!」など、作品の完成を喜ぶ子どもたちの声が、会場を明るく彩っていた。
最後は、仕上がった作品を手に、参加者と一緒に記念撮影。その後ポストカードへのサイン会が始まると、平子氏のもとには多くの子どもたちが集まった。
イベントを終えて感じた率直な気持ちを平子氏に尋ねると、自身の作品を「いろんな見方をしてもらって良い」と述べたうえで、「アートは、ただ見るだけではなく、自らその世界に入っていくことで、作品をより楽しめたり、自分のものにすることができると思います。展覧会を見てからワークショップをやるというのは良い試みだったなと感じました」と、コメント。
加えて、とても真面目に、一生懸命何かを見つけて前向きな気持ちで取り組む子どもたちの姿がとても印象的で、未来の可能性を感じたという。

「作品を見て自分がどう思ったか、そう表現していきたいかと考えて、次につなげることで作品自体の価値も上がると思うので、真剣に選んで取り組んでくれた姿を見てとても嬉しかったですね」と笑顔を見せた。
「自分で好きな絵を見て、そこで感じたものが一番大切なので、制限をかけずに純粋な気持ちでアートを楽しんでほしいです。そうすることで、“アートってよくわからないな”ではなく、“意外と楽しいし、得るものがあるかも”という考えに変わるのではないかなと思います」
小さいころの体験が、子どもたちの視野を広げ、アートの世界に興味を持つきっかけになる。
『HUMAN AND NATURE』の会期は10月18日(日)まで。
子どもの美術展デビューに、家族で足を運んでみるのも良いかもしれない。