【米中首脳会談】議題は米中で覇権争いの「AI」 技術革新を進める中国の開発企業は“AI脅威論”をどうみる?【news23】
中国若きエリートら目指す“AIロボ”
「リン・ユー・ロボティクス」社長の金戈さん。2025年、AIを搭載したロボットを開発する企業を立ち上げました。
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リン・ユー・ロボティクス 金戈社長
「私は日本の『ガンダム』を見たり、『スーパーロボット大戦』のゲームをして育ちました。ロボットを使って人間の仕事を代替することは、私にとって常に究極の夢だった」
会社では、世界トップクラスの清華大学で博士号を取得した若きエリート社員たちが、日夜、最先端のロボットの開発を行っています。ロボットの特徴は「遠隔操作」です。
記者
「自分の手とほぼ同じような感覚で目の前のものを、ロボットをコントロールして、このようにぬいぐるみを掴んで袋の中に入れることができました」
店での接客だけではなく、災害など過酷な作業現場での活用を想定する一方で、飼い主が家にいなくてもペットと遊ぶことができます。
次の目標は、人の手を借りずに動く、ロボットとAIが融合した、いわゆる「フィジカルAI」の開発です。
リン・ユー・ロボティクス 金戈社長
「十分なデータを収集したあと、ロボットが自ら考えて動く状態に移行させることができる」
日本でも話題になった「ロボット運動会」でも活躍しました。
記者
「はやい、はやい!あっという間にゴールに向かってくる!」
中国の急速なロボット開発に懸念を抱いたアメリカは2026年7月、安全保障上の理由から中国製造の人型ロボットの新規輸入などを原則禁止していますが…
リン・ユー・ロボティクス 金戈社長
「国内市場での需要が供給を上回り、順調に売れている。焦ってアメリカ市場を開拓しなければならない状況ではない」
人類のリスク?“AI脅威論”も
中国政府はAIの市場規模の目標額を220兆円以上としていて、ロボットやAIをめぐる米中の覇権争いは激化しています。23日、国連・安全保障理事会でも「AIリスク」について議論が。
オープンAI サム・アルトマンCEO
「AIの利益があまりにも大きいからと、過度にリスクを受け入れるべきではない。他社との競争に勝つことは軽率な判断を下す理由にはならない」
さらに、アンソロピックのダリオ・アモデイCEOも、「適切に管理されなければ、AIは人類全体にとってのリスクとなり得る。一企業だけでは対応できない、世界規模の問題だ」として国際的な安全基準の構築を呼びかけました。
一方、トランプ大統領は中国との競争を続けるべきだと強硬に主張。
アメリカ トランプ大統領
「アメリカはAIで中国をリードしている。世界で最も先進的な国であり、これからも維持したい。AIを制する者が勝つのだ」
中国も開発の抑制には消極的で、「AI脅威論」に反発。国際的な協力機構を発足させ、自国主導のAI開発を狙っています。
中国 習近平国家主席
「AIは人類共通の知恵の結晶であり、貴重な財産。国際的な合意に基づくガバナンスの枠組みを早期に構築し、この先端技術がより良く人類社会に貢献するようにすべき」
中国のロボット企業トップも…
リン・ユー・ロボティクス 金戈社長
「サイバー攻撃やセキュリティへの懸念は、研究開発を行う際には最優先の問題として対処している。AIの発展は間違いなく世界をより平和に導く」
AIをめぐる国際協調も議題となるとみられる米中首脳会談。2つの超大国の出方を世界が注視しています。
話題はAI…「米中対話」の枠組みとは
小川彩佳キャスター:
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は24日の首脳会談で、AI=人工知能のあり方について議論しました。
AI開発競争が激化する中、それにどう歯止めをかけていくのか。今回に先立って20日に行われた米中の協議では、アメリカ側が「米中AI対話」という枠組みの立ち上げを提案しました。
これに対して中国側はどう出るのか。中国の対米政策に詳しい専門家は「対話のための仕組みで合意するのではないか」と話しています。
教育経済学者 中室牧子さん:
経済学の教科書に「囚人のジレンマ」という言葉があるのですが、今のアメリカと中国はまさにその状況になっています。
アメリカと中国は、お互いを信用できないので、「アメリカが止まらなければ中国は止まれない」、「中国が止まらないからアメリカが止まらない」と。
そうなると、この先何が起こるかというと、AIによって偶発的な軍事衝突が起こったり、両国が望まないような大きな被害を受けてしまうかもしれないのです。
「囚人のジレンマ」を抜け出すには、探り合いをやめて両国が協力するしかないのです。しかし、協力するといっても、▼両国がAIの開発をやめたり、▼両国で非常に細かいガイドラインを決めたとしても、それを遵守するということは現実的ではない。
そう考えると、例えば競争しながらであったとしても事故を起こさないという仕組みを作っていくことが合理的ではないかと思います。
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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」