正確な情報と癒しの時間を患者に届ける、 聖マリアンナ医科大学病院の病院内ラジオ「マリラジ」

患者と家族によりそう院内ラジオの魅力
川崎市宮前区にある聖マリアンナ医科大学病院では去年の12月から、全国的にも珍しい、患者向けのインターネットラジオ番組を放送しています。番組の名前は「マリラジ」。40分間ほどの番組を月1回、YouTubeで更新しています。
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9月中旬にアップされた第8回目の放送では例えば、「病院内の様々なお仕事の紹介」のコーナー。診療情報管理士が出演して、自分の仕事について語りました。患者と直接関わることはありませんが、大事な仕事です。
それから「癒しの時間を」ということで音楽の演奏コーナー。教職員が代わる代わる出演していて、第8回は佐々木信幸教授のピアノ演奏でした。
他には童話の朗読に、「ケアトーク」というコーナー。「ケアトーク」は、患者や家族、病院のある地域の人たちが日常生活の中で感じる疑問に様々な分野のスタッフが答えるというコーナーで、第8回では理学療法士が「転倒予防」について話しています。
番組全体のナビゲーターは、看護師の菊池千歌さん。収録は病院の入院棟のラウンジにある、ガラス張りのスタジオで行われています。収録の日に取材に行くと、収録担当の職員と打ち合わせをしていました。そして、前回までの反省や工夫を踏まえ、収録に臨んでいました。
「ケアトーク」のコーナーは菊池さんが発案したそうです。菊池さんは「患者さんやご家族の方がちょっと困っている、またはこれから困ってしまうかもしれないことを、前もって先にマリラジでお伝えすることで、日常生活を支えるちょっとしたヒントになれたらなと思い提案しました。看護師とパーソナリティを別枠じゃなくて、看護師であり、看護師である私だからこそ、パーソナリティとしてお届けできることがあると思って、今は自信を持って、誇りを持って務めさせていただいております」と話していました。
院内ラジオで広がる輪
番組制作は教職員と学生有志のグループ18人で行っています。テーマ音楽なども全部自前です。この日、収録を担当していたのは企画調査課の柏崎優奈さん。チラシやSNSなどでの宣伝担当でもある柏崎さんは「入院生活のちょっとした時間に聞けるのですごい楽しみにしてますといった言葉をいただいたことはあって、それが励みになってます。いろいろな職種とか、学生さんとかと一緒に仕事できていて、一つのものを作り上げたときにやりがいを感じました」と話します。
病院内のラジオを作ろうと提案したのは、信岡祐彦特任教授です。新型コロナの流行もあり、医療や健康に関わる正確で有益な情報を発信する、そして癒しの時間を患者に届ける。それと共に、教員・職員にとっても自分の仕事を発信することが働きがいにつながると考えたんです。患者にとっても病院が身近になり信頼にもつながります。
YouTubeの配信ですが、動画ではなく、スタジオの様子の静止画と声だけ(ラジオ)です。信岡さんは「病院で患者さんが聞くとなった時に、例えば手術の後、ベッドで寝ている時に、非常に状況が良くなかったり、しんどかったり、だるかったり、眠かったりする状況で動画は見る気にならない人が多いと思います。耳から入ってくれば、音楽とか物語の朗読とか、聞いてもらえるんじゃないかって考えています」と話していました。
イギリス発祥の「院内ラジオ」ですが、国内では愛知県の藤田医科大学病院で、7年前から「フジタイム」という番組を放送しています。聖マリアンナ医科大学病院の「マリラジ」は放送開始から9か月ほど。信岡さんによると、例えば通院する患者さんからは「病院のある地域の情報も」という希望も寄せられたりしていて、それも含め番組内容を充実させるため、チームで検討していきたいということでした。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当:崎山敏也記者)